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悪あがき安倍晋三氏の新論法「補填は会場費等」は通用するのか?

安倍晋三後援会が「桜を見る会」前日に主催した前夜の夕食会の費用補填について、昨年12月25日の国会で自身の虚偽答弁を「結果として事実に反する答弁」と言い換え謝罪した安倍晋三前首相。しかし同時に、公職選挙法違反回避のためか「会場費等に使用」という“新論法”を繰り出しました。メルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』著者でジャーナリストの内田誠さんが、毎日新聞の独自記事から元検事の見解などを解説。任期切れ前に暴動を扇動したトランプ同様の往生際の悪さで、この新論法により墓穴を掘った可能性があることにも言及しています。

今も公選法違反を認めていない安倍「桜」問題を毎日はどう報じたか?

きょうは《毎日》の番ですが、検索でニュースを見る視角を複雑化しようといういつもの試みは、1回お休みします。というのは、今朝の《毎日》には、他紙が書いていない全くユニークな記事があり、これを紹介することに意味があると考えたからです。

あの「桜を見る会」前夜の夕食会費用を安倍氏側が補填していた問題。法的には公設第一秘書に対する政治資金規正法違反での略式起訴ということになりましたが、安倍氏自身はウソの答弁に関して国会で謝罪したものの、今も公選法違反を認めていません。どんな理屈を使えば、そう言い切れるのか。それは認められるものなのか。今日はこの問題についての《毎日》の記事を取り上げます。まずは《毎日》6面の「検証」。見出しから。

「補填は会場費」通用する?
「桜」前夜祭費用 安倍氏答弁
新論法で「寄付当たらず」
借上料 切り離せない
元東京地検特捜部検事 郷原信郎弁護士

「桜を見る会」前夜祭の費用補填問題で、安倍前首相は「補填は一切ない」と国会で事実と異なる答弁を繰り返したことについて謝罪したが、補填自体は「「会場費等」に使ったので寄付に当たらず、問題ない」という“新論法”を持ち出している。

前夜祭の契約主体について、安倍氏は次のように見解を変えている。昨年12月25日、参院議院運営委員会で安倍氏は、従来の「参加者個人が直接ホテルと契約しているので後援会に収支はない」という論法を撤回し、後援会が契約主体であることを不承不承ながら認めた。

それでも問題がないと言い張るために持ち出したのが、「後援会の補填分は「会場費等」に使われたので、公選法の「寄付」ではなく、寄付禁止の規定に抵触しない」という理屈。衆院の議院運営委員会でも、「会場費等々については「寄付に当たらない」「利益に当たらない」という総務省見解がある」として、補填自体には問題がないと言い出していた。

総務省は、「一般論として、後援団体が行事・催事を開催するにあたって、開催場所の確保に要する必要不可欠な費用を開催主体である後援団体が負担することは、公選法の寄付の定義に該当するものではない」と、一見、安倍氏の主張を根拠付けるようなことを言っている。しかし、会場費と飲食費がセットになっている場合については「個別の支出が寄付に当たるかどうか、最終的には裁判所が判断することであり、こちらは判断できない」と、《毎日》記者の取材に答えているという。

以下、郷原信郎弁護士の見解について。

郷原氏によれば、後援会は、会場借上料と飲食費をセットにした宴会料」をホテルに支払っているし、参加者も飲食費や会場借上料がセットだと認識して5000円を払っているから、「会場借上料だけを切り離せないことは明らか」だという。もし会場借上料だけを宴会料から切り離せたとすると、「政治家は会場借上料が高かったことにして高額の飲ませ食わせをすることもできる。そんなことは許されない」と。

また、安倍氏は明細書を提示すれば費用の補填が会場費だけでないことが明らかになるとして、「安倍氏は検察もホテルも絶対に明細書を出さないだろうと踏んで、こんな的外れの会場費の話を持ち出したんだろうが、苦し紛れの強弁に過ぎない。明細書を出さない限り、追及は続くだろう」とも。

●uttiiの眼

「補填」を認めざるを得なくなった段階で、安倍氏サイドは色々考えたのだろう。補填をしても違法にならなければ良い。そのためには、会場費を別途払っていることにするしかない…と。しかし、そうなると、「別途に払っていること」、会場費が全体の額から飲食代1人5000円分を差し引いた残りが会場費になっていることが、明細書によって証明されなければならない。郷原氏の指摘は見事で、「なぜ安倍氏は明細書を見ていないのに補填分が会場費だったと分かるのか」という至極当然の疑問も記されている。

追い詰められた結果、ますます明細書を示す必要が出てきてしまった。しかも、そこにこの説明に相応しい金額の会場費が記されてなければ、安倍氏の説明は虚偽ということになるだろう。そろそろ全面的に白旗を掲げるべきタイミングだと思うが、米国の大統領と同じで、往生際が悪すぎる。

image by:Drop of Light / Shutterstock.com

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額440円(税込) 【発行周期】 毎週 月・火・水・木・金曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

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