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親の間違った教育で「自由」を履き違えてしまった子どもの末路

「子どもをのびのび育てたい」という気持ちは親にとって誰しも持っているものかもしれません。しかし、それを履き違えてしまい、子どもに対して大切なことを教えられていない親がいるのも事実です。今回の無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』では、著者のパピーいしがみさんが、あるユーチューバーの子どもを例にあげながら、親の間違えた教育による子どもたちへの『害』について話しています。 

自由と限度

こんばんは。パピーいしがみです。

子供達をのびのび育てたい、あまり窮屈な思いをさせたくない、できるだけ子供の意思を尊重したい。きっと多くの親御さんがそうお考えだと思いますし、私もそのように考えて子育てをしてきました。ですが「子供の意思」を尊重しているだけでは、不具合も出てきますし、それが子供の為にならない、という事もあるはずです。その時には「間違っている」という事を教えてほしいのですが、その基準は何でしょうね?明確になっていますか?

例えば、あなたのお子さんが滑り台で割り込みをして、小さい子を押しのけて先に滑ろうとしたら…どうするでしょうか?きっと「こら~!」って怒るかもしれません(^^) そうですよ。危険ですものね。そして滑り台で遊ぶルールを逸脱しているとも思います。「危険だから」「ルール違反だから」どちらにしても間違ってることを教えなければなりません。それに親としての責任もあります。

でも、それを叱らない大人もいるんです。

以前、私の子供たちがまだ小さいころ、3歳前後の子供たちが楽しそうに滑り台で遊んでいるところに、少し大きい男の子が割り込んできました。小さな子供たちは滑り台の上で押されて、よろけたりしています。「危ないな~」と思った私は近づいて「ボク、滑り台の上は危ないから、ちゃんと順番を守るんだよ」と声を掛けましたが、本人は逃げるようにサーっと滑り降り、どこかに消えました。

まあ子供だし、ヤンチャそうな男の子でもあったので「ちょっと羽目を外しちゃったんだな」と思い、その子がいなくなった後は又、子供達だけでルールを守って遊び始めたので、又、私はベンチに腰掛けて様子を見ていました。

しばらくしたら、又、先ほどの男の子がやってきて、今度は滑り台の下から登り始めて、又邪魔をし始めました。私は「あらら、困った子だな~」と思いながら駆け寄り「ここは滑るところ。上るのは後ろからだよ」と言うと「いいじゃん別に」との言葉。それに対して私は「ダメだよ。ルールを守れないなら、ここで遊んだらいけないよ」と少し厳しめに叱り、その子を滑り台から下ろしました。

そうしたらその子のお母さんらしい方が「なんですか?」と声を掛けてきたので、「あ、お母さんですか?この子が滑り台の下から登っていたのでいけないよ、って注意したところです」と言いましら…即座に「あ、そうだったんですね。気づかずにすみません」と言うのかと思ったら、とても不満げな顔で「チッ」と舌打ちをし、聞こえるか聞こえないかの声で「いちいち…うるせーな…」と捨て台詞を吐き、乱暴に子供の手を引っぱって「ほら行くよ!」とその場からいなくなりました。私はその態度を見て「え~!!こんな親がいるんだ!」と驚きでした。

その子が将来、どんな大人になったか?はわかりません。でも子供は遊びの中から社会性を学びますし、子供が間違っていたら、その時に教えるのはとても良いチャンスのはずです。しかし、その方は子供の間違いを見ていたのに、教える事もせず、やりたい放題にさせている。この子の将来、こんな親で大丈夫か?この子が大人になった時、どうなっちゃんだろう?と他人事ながらとても心配になりました。

それと同じような気持ちを、ここのところ抱いています。あなたは今、巷でも話題になっている「ゆたぼん」君、ってご存じでしょうか?ゆたぼん君はユーチューバーで、自ら学校に行くのをやめて、自分を「少年革命家」と呼んでいます。今は、中学1年生ですが、小学校3年生の時に宿題をしてこなかったことを先生から叱られて、そこで「学校に行かない」という選択をし、「不登校は不幸じゃない」という動画をあげて、一躍有名人になりました(中学校も行っていません)。

たしかに不登校は不幸じゃないし、ゆたぼん君の言葉で、学校に行きたくても行けない子達を励ます力になるのならそれはそれでいい、と私も思っていました。ですがその後の動画では「金髪にして学校に行ってみた」とか「卒業証書を破ってみた」。又は「学校に行っている奴はロボットだ」「学校なんか行くな」と、わざとトラブルを起こして学校を混乱させようとしたり、学校に行っている子供達を揶揄したり、学校に行かないようにけしかけているところがあります。

もう明らかに害になっているとしか言えない状態で、ここまで行くと「親は何してるの?」と思いますが、どうやら「間違っているよ」と教え諭すべき親が、先導してゆたぼん君に過激な発言をさせているところもあるみたいです。それを大人のユーチューバーの方々が、ゆたぼん君やその父親を辛辣に批判し、又、その批判に対してゆたぼん君と父親が一緒になって応戦したり、賛否両論いり交ぜての罵りあいが続き、周りは面白がって「もっとやれ!」と勝手に焚きつける…そんな構図になっています。

SNS上でよくある炎上状態で、私としては関わるつもりもないし、どうぞご勝手に…とは思いますが、彼の発言は、学校に行っている子にも悪影響だし、学校に行けなくて悩んでいる子たちも傷つけているのでは?と、もやもやした気持ちです。そしてもちろん。彼自身の将来にもプラスにはならないだろうな、と。

でもこれは、対岸の火事ではありません。もしあなたのお子さんが「ゆたぼんもこう言ってるし、俺も学校行かない!」と言い出したらどうするでしょうか?実際に私の所にも「ゆたぼんの発言が子供に悪影響を与えそうで怖いです。まだ“学校に行かない”とは言いませんが“俺の自由でしょ”と言い始め、扱いにくくなって困ります」というご相談が入るようになりました。

今、「学校にいかなくちゃ」と思ってるのに、体が動かない、震えて涙が出てしまう…など、学校に行けなくて悩んでいる子供達はたくさんいます。そんな場合は、無理に学校に行くことをせず、休む決断をして欲しいと思います。でも楽を求めての不登校や、ゆたぼん君に感化されての「学校に行かない」は、上記の不登校と同じではないのですね。

そしてもし私だったら、とことん子供と話し合います。「俺の自由でしょ」と言うのなら、「完全な自由なんてないんだ!」という事をこんこんと説明します。そう。「自由のはずだ」と子供は言いますが、完全な自由なんて誰にも与えられていないのです。私たち大人も、誰でもさまざまなルールを守った上での自由を認められているだけなんですね。

ルールを破った場合、すべての自由を失うことだってあるのです。特に、今の子供たちの自由は、親が生活を援助してくれているから成り立っています。ゲーム機で遊べるのも、テレビを見れるのも、服を選べるのも、すべて親が働いて子供を守り、育ててくれているからです。

ですから私だったら、子供が何と言おうと絶対に折れず、子供が「分かった」と言うまで話し合います。もし、どんなに話し合っても、子供が「学校に行かない」と言うのなら「じゃあ、俺もお前を育てない」と言うかもしれません。

先ほどご相談を頂いた方には、以前、このメルマガでも紹介した「自由」についての記事を紹介し、子供の“怠惰による『学校に行かない』”だったら、絶対に折れることなく、ご主人も交えてしっかり話し合ってください、とお願いしました。結果的には、それほど大事にならず「そんなの分かってるよ」とすぐに子供は納得して、その後は、「俺の自由だ」などという言葉も軽々しく使わなくなりました、とご報告頂きました。どうやらちょっとした反抗期で、逆らってみたかっただけのようです。

でもこうやって真摯に子供と向かい合い、幼少期から「正しいことと間違っている事」を教え、「ダメなものはダメ」と“自由と限度”をしっかり教えていたとしたら、親が真剣になって話をし始めれば「これはまずいぞ」とすぐに察知しますし、そんなものは正当な理由にならない事はすぐに理解します。

今回はちょっと不安にさせてしまう内容だったかもしれませんが、普段の親の姿勢がとても大事だという事。そして“自由と限度”について、ご自分の中でも明確にしておいておくことがとても重要だ、というお話をさせて頂きました。

ご紹介した「自由」に関するメルマガも記載しておきます。きっと参考になると思いますよ(^^)。

幸せなお母さんになるための子育て支援サイト

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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