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学校に行きたくない子の本音が「辛い」か「怠惰」かを見分ける方法

 前回の記事『親の間違った教育で「自由」を履き違えてしまった子どもの末路』で、学校に行きたがらない子どものお話をしてくださった無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』著者のパピーいしがみさん。この記事の対して、「怠惰で休みたいのか、辛くて休みたいのかわからない」といった質問が寄せられました。いしがみさんは、その質問に親身になって答え、以前そのような悩みを抱えていた母親からの報告も併せて掲載しています。

辛いの?怠惰なの?

こんばんは。パピーいしがみです。

今日は、前回の「自由の限度(親の間違った教育で『自由』を履き違えてしまった子どもの末路)」の内容から、ご質問とご報告を頂いたので、それをお話しさせて頂きます。

【関連】親の間違った教育で「自由」を履き違えてしまった子どもの末路

ご質問とは、“子供が怠惰で「学校を休みたい」と言う時と、本当に辛くて「学校を休みたい」と言い出した時、その判断の基準は何でしょうか?”という内容でした。

これって本当に重要な事で、親の対処の仕方も変わってくるし、判断が難しく簡単に決めつけるのは非常に危険です。

私も「これさえ見ていれば大丈夫!」とは言えないのですが、間違いなく言えるのは、本当に辛い子の場合、「学校に行きたくない」と言い出すまでには必ず予兆がある事です。例えば、食欲がなくなったり、顔色が悪かったり、体調不良を訴えたり…。

学校に行くのが辛い、と思う子の場合、繊細な子が多くて、必ずそこには理由があり、「学校に行きたくない」と口にする前に「我慢して我慢して…」という段階があるんですね。我慢して我慢して口にするのですから、気持ちは不安でいっぱいですし、よく眠れなかったりして体調不良が続いたり、顔色も悪くなっていくんです。

理由は、さまざま。同級生のからかい、嫌がらせや仲間外れ。先生の暴言や罵声。通学途中の電車やバスで酔って、気持ち悪くなったり貧血を起こしたり。又、それが怖くなってしまったり。理由は本当にいろいろです。

そしてそんな我慢をしてしまう子は「親に心配を掛けたくない」という思いから、隠そうと振舞って、さらに親はわかりにくい、という事もあります。なのでもしその予兆に気づけなかったとしたら「行きたくない」と言った時には、顔色や表情、やつれていないか?などをじっくり見てほしいです。

又、我慢していた子の場合「学校は行かなくちゃいけない」と思っている場合が多く、ほとんどの子がまじめに授業受けていて、学校を休むことに罪悪感を持つのも特徴です。

逆に、怠惰で「学校を休みたい」という子の場合には「我慢して・我慢して…」はありません。突然「学校行きたくない」と言いだしたり、「〇〇も休んでいる(他にも不登校の子がいる)から自分も休みたい」とか、言い訳づくりで理由がコロコロ変わったりもします。

でも「お腹が痛い」とか「気持ちが悪い」と言っている子を無理やり行かせることはできませんので、一旦は様子見で…と、「じゃあ、今日は休もうか?」などと言うと、いきなり元気になって、ゲームに熱中したりします。親としては「こりゃ仮病だな」とは分かっても、1日だけならまだしも、次の日も次の日も「気持ちが悪い」だの「あそこが痛い・ここが痛い」と言い出したりもします。

もちろん理由がコロコロ変わっても、真の理由は話せずにいる、という事もありますが、一つ、これだけはしてほしくないと思う事が有ります。それは「朝からゲームをさせる」「自由にユーチューブやテレビを見させる」ことです。これをやってしまうと、子供は「いやな勉強もしなくていいし、家にいれば好きな事だけできる」と、さらに学校に行くことがイヤになります。そうすると子供は、病気のフリをしてでも学校を休むようになるのですね。

ただ、それって「とんでもなく悪いこと」なのではありません。誰だって楽がしたいですし、「ちょっとサボってみたい」という気持ちや「仮病を使ったらどうなるだろう?」って試したくなるのは何の不思議もありません。特に同じクラスで不登校の子がいたりすると「自分も休んでみたい」と考える事はとても自然で、そのために嘘がどれだけ通用するかやってみたりもするのです。

なのでもし体調が悪い、と言って学校を休む場合も、休むのなら寝ている事。体調が良くなったのならゲームやユーチューブではなく、本を読むぐらい、にさせてほしいのです。そうすると「本当に休息が必要な子」以外は、じっとおとなしくている事に飽きてくるんですね。

でも学校を休めても、家で好き勝手出来るわけじゃない、、退屈な時間を過ごし、ゲームもユーチューブもビデオも見れない…となれば、「じゃあ、学校の方がましじゃん」と思うのです。一旦は興味を持って「自分も休んでみたい」と思っても、それがそんなに楽しくなければ、「学校の方がいいや」と思うのですね。

でも休んだ日に、自由にゲームができたり、ユーチューブを見放題…なんて経験をしてしまうと、「学校を休めば、イヤな事はすべて免除されて家で好きな事ができる」と学習させてしまうことになります。そして最初は軽い気持ちでサボっていた学校も、休み続けている事で、本当に「行けない」状態にさせてしまうのです。

冒頭で「ご報告を頂いた」と申しましたが、その方がまさしくそんな経験をされた方でした。頂いたメールはこんな内容でした。

パピーさん、お久しぶりです。「自由と限度」のメルマガ読みました。「楽を求めての不登校」「誰かに感化されての不登校」とあって、「うちもあったな~」と2年前を思い出しました。

当時の私は“「学校に行きたくない」と子供が言いだしたら無理に行かせたり、根掘り葉掘り理由を聞いてはいけない”と本やネットにあった情報から、子供の「気持ち悪い」「お腹が痛い」「学校行けない」を鵜呑みにして休ませ、「ゲームをしていれば気がまぎれるから」と言う子供の言葉を信じて、朝からゲームをする事も許していました。

その時は「学校で辛いことがあっても頑張っていたんだろうな」「ちょっと息抜きすれば行けるようになるだろう」と思っていました。ですが、翌日も翌々日も「気持ちが悪い」「お腹が痛い」と。

心配で病院に行っても悪いところはないし、朝は「気持ち悪い」と言いながら、学校へ休みの連絡を入れれば、すぐに元気になる。それでも「学校の事を考えると気持ちが悪くなる」と言っていて、こういう事ってよくあるのかな?とパピーさんにご相談させて頂いたのでした。

そのお返事は「ゲームをしたいがために仮病を使っているってことはありませんか?」でした。それを聞いて「えッ?あれはずる休みの為の演技なの?」と驚きでしたが、パピーさんからのお返事は

「子供にとってはちょっとした“いたずら”みたいなもので(もしかしてお母さん、騙されたりして…)な気持ちの場合もあります」

「学校を休む時も、体調が悪ければ寝ているように。体調が良くても皆が学校に行って勉強している時には、ゲームはさせずみんなと同じ勉強をするようになさってください」

とありました。それを伺って「あんまり学校の事を聞かない方がいいのか?」と腫物に触るようにしていた私がかえって休みたくなる環境にしていたのかも?と思い担任の先生に問い合わせてみると「学校では羽目を外すこともありますが、友達との問題もありませんし、特に不登校になる兆候は感じませんでしたが…」と。

これはまさしく「楽をしたいだけだ」と思い、お返事を頂いた日に「休み過ぎてると学校に本当に学校に行けなくなるからね。皆が学校に行っている時はもうゲームはさせないから」とだけ言っておきました。

夜には「本当に登校する時になると気持ち悪くなるんだって!」とか「本当にお腹が痛くなるんだよ」と言っていましたが、「気持ち悪い時には保健室に行って休ませてもらいなさい。それでも治らないのなら帰宅して寝ていなさい」「でも学校を休んでゲームするのはダメだよ。それってズルだって自分でも分かるでしょ」のように言って、子供がどう出るかを観察していましたが、翌日は「気持ち悪い」と言いながらも遅刻ギリギリに家を出て、途中で帰ってくることもなく給食もしっかり食べてきました。もちろん保健室には行きません。そしてその日を境に、ちゃんと学校に行くようになりました。

私としては「あれは全部演技だったの?あんなにもっともらしく嘘をつくわけ?親を騙していたんだ!」とショックでしたが、パピーさんの「ちょっとしたいたずらと同じです」「子供は試してみたかっただけ。あまり叱らないで」の言葉でなんとか平静を保ち、でも時間がたつうちにそれも忘れていました。

そして前回のメルマガを読んで、あの時の事を思い出して「〇〇も4年生の時に、学校に行きたくないと言って休んだ事が有ったよね」と言いましたら、ニヤニヤして「ん~、そうだね。『休めるかも?』とやってみたら本当に休めちゃった。でも休みながら、このままじゃまずいよな~とは思ってたんだよ」と言いました。

嘘を言って休みながらも、自分がズルをしているという実感があって、ちゃんと善悪は分かっていたんだとちょっと安心はしましたが、それでも私がずっと対処を間違え、ゲームを許していたら、どうなっていただろう?と考えるととても怖いな、と思いました。

ネットや本の情報を信じて、よく確かめもせず判断をしていた自分に反省です。

そうそう。あの時は、何度かメールのやり取りをして「ゲームとユーチューブのやり放題は良くないですよ」というお話をしたのでした。

息子さんも「『休めるかも?』とやってみたら本当に休めちゃった」とあったように、ほんのいたずら心で言ってみただけだったんですね。ただゲームもユーチューブも、知らない間に時間が過ぎてしまうので、本人が「これまずいよな」と思う時間さえ奪ってしまい、ずるずると長引くんですね。

又、「学校に行きたくない」と子供が言いだした時、多くの方が「辛い事が有るんだろう」と、先走ってしまうのですが、簡単に結論付けない事。これもとても大事です。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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