MAG2 NEWS MENU

批判や反論が怖くてSNSが活用できない。上手に対処する方法は?

HPS(Highly Sensitive Person)とは、感受性が強くとても繊細な気質の人たちのこと。ロンブーの田村淳さんが「HPS」であることを公表し、耳にしたという方もいるのではないでしょうか。今回のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』には、HSP気質のためにさまざまな生きづらさを抱える中でも、異なる意見に対して「否定された」と感じて深く悩んでしまうことについての相談が届きました。人気コンサルの永江さんは、意見を2つに分けて、それぞれの捉え方をアドバイス。誹謗中傷に対しては、自身もホリエモンさんやカマたくさんに学んだという秘策を伝えています。

HSP気質の悩みについて

Question

HSP(Highly Sensitive Person)に悩み続ける人間に処世術を伝授頂きたいです。私はフリーランスデザイナーをしている40代の男性でHSPです。※私がHSPであることは関連書籍に掲載された複数のHSP該当テストを行い、全て90%後半だったためそれと確信しました。本来は専門医の診断が必要とは思いますが、このご時世でなかなか診察に行けません。

HSPとは大雑把に言うと「何事も気にしすぎる気質の人」のことです。病気や障害ではないので治療は出来ません。2~3年前からHSPに対する認識が高まり、田村淳さんなど著名人でもHSPを公表する方が出てきました。
心が疲れやすくて生きづらい…それは「HSP」かもしれません | 睡眠・休息・メンタルケア | サワイ健康推進課

自分は子供の頃からHSP気質で、中年になった今でも他者からの何気ない一言に物凄く傷ついたり、何年も悩んだりし続けています。自分でも本当に面倒くさいと思うくらい気にしすぎます(笑)。こんな気質なので集団には到底馴染めず、人混みは大の苦手、公共交通機関も出来るだけ避けています。デザイナーは感受性の豊かなHSPに向いているとされ、自宅を職場としている現在の環境は通勤が必要な会社員に比べれば随分刺激が少なく済んでいます。

しかし、この気質が邪魔すぎると感じることも多々あります。例えばディベートが非常に苦手で、自分と異なる意見をなぜか「(私を)否定されている」と感じてしまうのです(それでも震災後から永江さんのツイートやブログを見て理論的に解釈するよう日頃から心がけて随分改善されたと思っています)。また、たった1つの罵声でもめちゃくちゃ落ち込んでしまいます。Twitterで毎日のように罵声を浴びせてくるコロナ脳と戦う永江さんを見ていると、もはや超人としか思えません。

私はこんな気質なので批判や反論が怖くて各種SNSも大して活用できずに放置気味、そして生きづらさをずっと抱えたままでいることにも疲れています(由良さんのnote、買いました)。永江さんから見た、この気質に対する処世術を伝授頂けませんでしょうか?よろしくお願いいたします。

永江さんからの回答

まず相手のタイプを2種類に分けて対応し、1.いきなり罵声を浴びせてくるような人間性のない相手は無視し、2.ちゃんとした意見交換ができる相手は意見交換を楽しむという考えを持つのが良いと思います。

1の自分を理不尽に攻撃してくるような相手は、これは「カナブン」だと思うことをおすすめしますw。わたしだってTwitterで初対面なのにいきなり罵詈雑言を浴びせられたり、粘着質な嫌がらせを受けたり、Amazonの自著の書評レビューに明らかに読んでもいないのに誹謗中傷されたらムカつきます。

ですが、こうした相手との接し方は、わたしよりもはるかに多くの心ない罵倒に遭っているホリエモンとカマたくさんが教えてくれました。ホリエモンは彼ら非礼な人間たちのことを「『腐ったキャベツ』だと思えば良いんですよ」と教えてくれ、カマたくさんは「前世が虫(カナブン)で、来世も虫(カナブン)の人だと思えばいいんです」と諭してくれましたww。

実際、初対面の人にいきなり罵声を浴びせてくるような人って人間性がないので、人ではないと思う方が自然だと思います。その辺を飛んでいるカナブンや腐っているキャベツに腹は立てないですよねw。そう考えると随分と心が楽になり、いちいち憤慨しなくて済むようになりました。

一方で、2のちゃんとした意見交換ができる相手については、異なる見解を交換・理解することを楽しむよう考えるのが良いと思います。複数名が異なる考えを議論するのは、とても建設的なコミュニケーションです(感情的・人格攻撃的でない限り)。人によって意見が異なるのは当たり前で、誰かの考えはあらゆる面で他の誰かと違います。それを相互に理解したり、アイデアや考えをより良いものにしていく過程で議論(異なる見解を提示し合うこと)は絶対に必要で、前向きな歓迎するべきことなんです。

まともな相手から、反論を受けた・否定されたと感じたら、その相手は自分を否定したいのではなく、自らの考えを伝えたり理解を深めたくて議論してくれているんだ、と前向きに捉えて喜ぶんです。そして、どうしてこの人はこう考えるんだろう、と興味を持って質問し、自分の考えや見ていることが違えばまた伝え、議論を重ねていき楽しめるよう、考え方を変えてみてください。

わたしも自分が言ったことに頷いているだけの相手よりも、自分はこう考えると反論して意見を提示してくれる相手の方が楽しいし、逆に話してもしょうがないと思った相手には何も言いません。

デザインの仕事では感性的な好き嫌いも出やすいとは思いますが、異なる意見を受けたときに「自分のデザイン案が否定された=自己否定された」と凹まずに、お互いの期待値を超える良いものを作るための前向きな、必要な意見交換をしにきてくれたんだと喜ぶのが大事だと思います。

クライアントと一緒に、クライアントの先にいるユーザーにどう感じてもらえるか、なぜそう思うのか、お互いに異なる見解をぶつけて議論して相互理解を深めて良い作品を作っていけば良いんです。

長くなりましたが、いきなり罵声浴びせてくるような輩は遠くを飛んでいる羽虫だと思って気にせず、ちゃんとした人が自分と異なる意見を示してくれたら、それは相互理解を深め、自分と異なる見解を得られる好機だと喜んで、興味を持って自分から議論を深めに行くようなマインドセットを持つのが良いと思います。もしそれでも気になる、心苦しいと思うことあったらまたご質問くださいね。応援しています。

image by: shutterstock.com

永江 一石この著者の記事一覧

商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ 』

【著者】 永江 一石 【月額】 初月無料!月額330円(税込) 【発行周期】 毎週 水曜日 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け