1社依存の「下請け製造業者」は今後生き残ることができるのか?

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ビジネスにおいて特定の1社に依存していると、営業や宣伝の労力もかからず順調なときにはいいのですが、想定外のことが起こったときのリスクが大きすぎます。無理を言われても断れない、対価を要求できないなど悩ましい問題もあります。今回のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』には、1社依存に加えて、その会社の工場の一角を借りて作業している製造業の現状を少しでも良くしたいという相談が寄せられました。人気コンサルの永江さんは、難しい環境にある相談者の会社がやれることとして、2つの方向性を示しています。

実家の製造業の現状を改善するには

Question

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実家の製造業についてですが、よろしければ質問させてください。従業員10人未満の製造業です。大手企業の下請け(製造、メンテナンス他)をしています。他社より腕は良いのですが、ギリギリの納期、予算で細かい技術を要する案件しかこないことが悩みです。(結果、他の業者さんにも押さえた価格でお願いすることになってしまいます)。

元請の工場の一角を借りて作業しているため、ずっと一社の下請けですが、担当者の人柄に大きく左右されるところもあるようです。現状を少しでも良くする方法がありましたら、アドバイスいただけると大変助かります。何卒よろしくお願い申し上げます。

永江さんからの回答

なかなか難しいところですが、やれるのは今仕事を請けている会社に買収してもらうか、他社に勝る技術を活かして新しい商品・ビジネスを作るかだと思います。

現状1社のみからの下請けだと非常にリスクが高いです。だって発注元が工場を海外に移したり、担当者が変わって調達方針が変わるなどあれば仕事がなくなってしまうから。わたしの周囲でも倒産した下請企業がいくつもありました。

元請けの工場の一角を借りていると、他社の案件を受注・生産するのも難しいだろうと考えると、やれることは2つだと思います。

1つは、思いきって元請けに買収してもらえないか相談してみること。もちろん相手が何というかは分かりませんが、工場の一角を貸してもらうくらい信用されている関係はあると思うので、いっそのこと会社を買い取ってもらえないか打診するのも一手だと思います。子会社になるか吸収合併されて社員になれば、全面的に言うことを聞く必要はある一方で、今よりも安定はするでしょう。

もう1つは、他社より腕が良い技術を活かして、新しい商品やビジネスを考えることです。金型技術を活かして世界一細い注射針を作った岡野工業は有名ですが、わたしの周りでもフライス加工の技術を活用して、釣りのリールのカスタムパーツを作って活路を見出した会社もあります。工場の一角を借りているのでやりづらいかもしれませんが、自社で商品やビジネスが開発できたら道は大分広がります。
岡野工業株式会社 代表社員 岡野雅行 | 仕事を楽しむためのWebマガジン、B-plus(ビープラス)

どちらも実現できるか未知数ですが、方向としては上記の2つではないかと考えます。

image by: Shutterstock.com

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