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育児のプロが回答。誤飲が怖い時期に上の子のおもちゃはどうする?

 乳幼児のお子さんをお持ちの家庭で特に注意しなければならないのが「誤飲」です。食べ物だけでなく、なんでも口に入れてしまう年頃だからこそ危険も多くあります。今回の無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』では、著者であるパピーいしがみさんが、赤ちゃんが生まれ、上の子のおもちゃをどう扱うべきかについて悩むママさんにアドバイスをしています。

おもちゃの安全面

こんばんは。パピーいしがみです。

先日、10ヵ月の男の子が乳児用のパンをのどに詰まらせて死亡する…という事故のニュースがありました。どうやらこのパンをおやつとしてかじって食べていたけれども、お母さんが一瞬目も離したすきに、丸ごと一つを口に入れ、飲み込もうとして窒息してしまったのだそうです。とても残念な事件だったのですが、乳幼児の窒息は、食べ物だけでなく、ビー玉や、小さなおもちゃでも起こります。

乳幼児が口に入れてしまう大きさは、3歳児で直径4センチと言われています。誤飲チェッカーと言って、誤飲する可能性があるか否かを測る機器(プラスチック製)もありますが、トイレットペーパーの真の直径が大体4センチなので、参考にされてみると良いと思います。

ですが、年齢差のある兄弟がいると、上の子が遊んでいる小さいおもちゃを誤飲するという事もあるので、今日のメルマガは「おもちゃの安全面」でお話ししようと思います。may30さんからはこんなご相談を頂いていました。

今現在困っているということではないので、またお時間のあるときに教えて頂けたら幸いなのですが、兄弟のおもちゃの安全面について教えて頂きたいです。下の子がズリバイなどで動くようになったとき、お兄ちゃんのおもちゃについて、どのように考えていけばよいか迷っています。

よく赤ちゃん向けの冊子では誤飲しないように「小さいものは届くところに置かないようにしましょう」と記載されていますが、お兄ちゃんも好きな遊びを十分に楽しんでほしいという思いもあります。幼児期の遊びから得られるものは本当に大きいという実感もありますし。机の上でできるものもありますが、町づくりなど床で楽しんでいる遊びも多いです。

お兄ちゃんにも誤飲の危険について話して一緒に気をつけてもらい、親が見守っている中であれば大丈夫かなと思ったり、でも何かあったら怖いし下の子にものびのびと探索行動を楽しんでほしいから、あまり「ダメ」と言いたくないし…。

パピーさんのご家庭も3人きょうだいということで、お兄ちゃんと末っ子の妹さんの年齢差は5、6歳差くらいではないかと思っておりますが、パピーさんのご家庭ではどのようにされていたのか、ぜひ教えて頂きたいです。

我が家の子供たちはレゴやおはじき、ビー玉等で遊ぶことはなかったので、特に注意はしませんでしたが、上の子と下の子の差が5歳ぐらいあると、すでに上の子は、ストーリーを作って遊ぶようになっていて、特に町を作ったり、電車を走らせたり、とそんな遊びをしている場合は、細かい部品もできてきますよね。

なので、may30さんには、こんな風にお返事しました。

may30さん、こんにちは。

メール拝見しました。

「きょうだいのおもちゃの安全面について」という事で「下の子がズリバイなどで動くようになったとき、お兄ちゃんのおもちゃについて、どのように考えていけばよいか」との事でしたが、「お兄ちゃんも好きな遊びを十分に楽しんでほしい、机の上でできるものもありますが、町づくりなど床で楽しんでいる遊びも多い」と書かれていたところを読みますと、お兄ちゃんが遊んでいる周りで、散らかっているおもちゃを舐めたり、誤飲したり…という事を心配しておられるようです。

もしそのように同じ場所で遊ばせるのであれば、お兄ちゃんの遊び場所をサークルを作るようにして、その中に小さい子が入らないようにする事が大事なのですが、「これをすれば絶対に大丈夫」という事は無くて、お兄ちゃんにも飲み込むような小さいものは使わないようにすることや、親が必ず近くにいて「危険を感じるものは使わせない」事が大事だと思います。

ただ一緒に遊ぶ時に気を付けなければならないのは「誤飲」もそうですが「下の子が上の子の遊びの邪魔をする」ってことです。お兄ちゃんの遊びはすでにストーリーを作って、おもちゃを使いながら空想の中で楽しむようになりますが、まだ1歳、2歳の子は純粋に「これは何だろう?」という自分の興味を満たすことが日常です。なので一緒に遊ばせようとすることが、お兄ちゃんの遊びを邪魔させる事になるんですね。

「遊び」って、多くの親が「一緒に遊んであげて」と言ったり「遊んでいるんだから仲良くして」などと思いがちです。でも遊びのレベルが違うので、一緒に遊ぶことは「お兄ちゃんが下の子の面倒を見させる」か、「お兄ちゃんの遊びを下の子に邪魔をさせる」かの二者択一になってしまい、どちらにしても頻繁に一緒に遊ばせることは、お互いのプラスにならないのです。

もちろん、お兄ちゃんが下の子の面倒を見てくれたり、自分の遊びではなく、下の子をあやすことをしてくれるのであれば、それを止める必要はありません。が、それを親が「当たり前」と考えてしまうことでトラブルが起きてしまうのですね。ひどい場合は、遊びを邪魔されたお兄ちゃんが下の子が近づくことを嫌ったり、殴ったり、蹴ったり…という事になりかねません。

でもそれって結局「一緒に遊ばせる」が原因だったりするんですね。例えば、上の子が1歳程度の時って、親がいつも見ていたと思います。そのように、下の子も1歳程度の時には、やはり親が良く見ておく、という事が必要なんですね。

なので…「下の子がズリバイなどで動くようになったとき、お兄ちゃんのおもちゃについて、どのように考えていけばよいか」のお返事は、「何より親がしっかり見るようにする」ですが、それが難しい時には、サークルを作ったり部屋を分けたりして、お兄ちゃんはお兄ちゃんの遊びができるようにしてあげてほしいのですね。もしそれも難しいのであれば、お兄ちゃんにも話をして、小さい部品や飲み込んでしまいそうなものは使わないようにし、気が付いた都度、親が片付けるようにしてほしいです。

私の子供たちの場合、上の子が部屋いっぱいにおもちゃを広げる、という事はなく、下の子が1歳の頃の上の子の家の中での遊びはもっぱらDVDを見る事で、ジブリやディズニーのビデオを何度も何度も見返していました。その為、下の子が上の子を邪魔することもなく、又、ほぼケンカもなかったと記憶しています。

でも、部屋いっぱいにおもちゃを広げるお子さんでしたら「舐められる」事も嫌がるかもしれませんし、作った町や線路などを壊される事はとても嫌うでしょうから、その時に合わせて、対策をしていくという事が必要になるかと思います。

これからの事なので、今はなんとも言えないのですが親の考え方として「一緒に遊んでほしい」という考えを持たない事が、何より大事かと思います。

以上のように、may30さんにはお返事させて頂いたのですが、この頃新たな危険も増えてきましたので、2つほど追記したいと思います。

まず「水で膨らむボール」ってご存知でしょうか?

ぷよぷよボールとも言われていますが、わずか数ミリの小さなボールが水を吸う事で100~1,000倍に膨らみ、4センチを超える大きさになるものもあります。用途としては(光を通してとても綺麗なので)水槽の下に敷き詰めてみたり、透明な瓶にいれてインテリアとして楽しんだりするのですが、水につけると数時間でとても大きくなり、又、透き通っていてきれいな事もあり、子供達にも人気で100円ショップで買えるもこともあって、非常に身近です。

そんな水で膨らむボールを誤飲してしまって、お腹の中で膨らんで胃や腸につまってしまうこともあるのですが、レントゲンに映りにくいのでなかなか見つけられないのも特徴です。過去の事例では十二指腸が詰まって、何度も嘔吐を繰り返し、胆管炎・膵炎も起していたため、開腹手術をして取り除いた例があります。

そしてもう一つ。とても人気のおもちゃで「マグネットボール」というものがあります。これは強力な磁力を持った直径数ミリの金属のボールが集まって、きれいな正四角形を作るおもちゃなのですが、正四角形だけでなく様々に形が作れて大人がやっても楽しくて動物や幾何学模様など、あらゆる形を作ることができます。実際に知育おもちゃとして紹介されていたり、空間的思考や創造性を豊かにすると言われています。

が、非常に強力な磁力を持っているので、複数個を飲み込んでしまった場合、腸壁をはさんでくっついてしまってそこが壊死し、穴をあけてしまうことがあるそうです。こちらも開腹手術をするしか方法はないそうなので、特に小さいお子さんがいらっしゃる家庭では、おもちゃとして購入は気を付けてほしいと思います。

最後に怖いお話になってしまいましたが、乳幼児のお子さんがいらっしゃる家庭では「親がしっかり見てあげる」事がとても大事です。誤飲も心配ですが、危険なおもちゃにもご注意くださいね♪

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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