他人に振り回されやすい人の多くが感じている「根拠のない恐れ」。この恐怖を払拭するためにどうするべきなのでしょうか。それに対する心構えとその育て方を無料メルマガ『東北の人気メンタルトレーナーが送る『自信をはぐくむ、幸せな自分のなり方』』の著者である吉田こうじさんが説いていきます。
人間関係を困難にする回避戦略と迎合戦略
今回は、他人に振り回されずに自分軸(ありのままの自分)で人間関係を築くための心構え(前提)についてお話ししてみたいと思います。
自己信頼感が育まれておらず、なにかと他人に振り回されてしまう人の多くは、「何らかの価値を提供しないと嫌われてしまう」「見捨てられてしまう」といった根拠のない恐れを感じていたりします。
こういった根拠のない恐れが人間関係の大前提にある人の多くは、いわゆる「愛着(アタッチメント)」に何らかの問題を抱えていたりするわけですが、こういう人が恐れに対処する典型的な戦略としては2つあります。
一つは「逃避戦略」。
つまり人間関係を築くことから逃げるというものですね。
本当はみんなと仲良くしたいと思っているのに、嫌われたらどうしようとか、バカにされたらどうしようとか、見捨てられたらどうしようといった根拠のない恐れを感いることが苦しいので、であれば、最初から人間関係を築くこと自体諦めてしまった方が自分のためというものです。
このとき、自ら人間関係を諦めているにも関わらず、「諦めるしかない(MUST思考)」とか「諦めさせられた(被害者意識)」で考えてしまいがちで、そうなると自分以外の周りの人が「敵」に思えてしまうので、さらに孤立感を深めます。
もう一つは、「迎合戦略」です。
これは相手の顔色を伺いながら、自分の本音は抑圧して相手の機嫌を取り続けるというものです。
こちらも同じように、自ら迎合戦略を選択したにも関わらず、「迎合するしかない(MUST思考)」とか「迎合させられた(被害者意識)」で考えてしまうと、やはり自分以外の周りの人たちが全て「敵」に思えてしまい、孤立感を強化します。
こうした問題は、「誤った恐れの前提」が生み出しているわけですから、その前提自体を書き換えてしまう必要があります。
では、どんな前提を人間関係の心構えとして自分にセッティングしておくといいのでしょうか?
それは、まずは最低でもこの2つはセットしておくといいかと思ってます。
それは…
・人は相手の無意識(本音)に反応する
ということ。それと、
・相手からの反応は、あなたが発したコミュニケーションの質に比例する
ということです。どういうことかというと、あなたが本音では「嫌われるのではないか?」「バカにされるのではないか?」と思いつつも、それを隠してコミュニケーションしていたとしても、コミュニケーションの相手には「不誠実さ」や「緊張感」ばかりが伝わってしまうということ。
相手に「不誠実さ」や「緊張感」ばかりが伝わってしまうので、相手も不誠実な姿勢で対応してくるでしょうし、緊張して身構えて対応してくるので、いつになっても打ち解けた関係にはなりません。
ということは、「あなた自身が心から楽しければ、無理に相手を楽しませようとしなくても相手も実は楽しい」ということを、一度、信じる努力をしてみてはいかがでしょうか?
そのためにも、他人の顔色ではなくて、自分の顔色(本音)を伺うことに意識を向ける続ける必要があります。
何をしているとき嬉しいし楽しいのか?
誰といるときに嬉しいし楽しいのか?
何をしているとき辛いと思うのか?
何をされると苦しいと思うのか?
毎日の生活の中で、こうしたことに意識を向けながら自分の顔色を伺ってみるのです。
オススメは日記に思うまま書き溜めていくことです。
そうやって自分の本音を大切にする癖が身についてくると、これまでのように他人の顔色を伺っていることが、いかに馬鹿げたことなのかがわかってくるかと思いますよ~。
image by: Shutterstock.com