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崖っぷち中国共産党が抱える、不明テニス選手「暴露会見」の大爆弾

先日掲載の「不倫暴露後に消息不明の中国テニス選手、国営メディア“自筆メール”公表も『不審なカーソル』で捏造疑惑が浮上」でもお伝えしたとおり、安否が気遣われている中国のプロテニス選手ポン・シュアイ氏。ここ数日、彼女の無事をアピーする動画が相次いで公開されていますが、その内容については不自然さが指摘されるなど、真相は未だ明らかになっていない状況です。事件はどのような決着を見るのでしょうか。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』で著者の大澤先生が、今後の展開を読み解きます。

【関連】不倫暴露後に消息不明の中国テニス選手、国営メディア“自筆メール”公表も「不審なカーソル」で捏造疑惑が浮上

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中国政府を揺るがすテニス選手の性的暴行告発・消息不明

日本でも報道されていますが、中国のプロテニス選手が告発した元政府高官からの性的暴行問題、世界的にも大きな衝撃を呼んでいます。

ダブルス元世界ランク1位のポン・シュアイ氏は元第一副首相ジャン・ガオリー氏に性的関係を強いられたと中国版ツイッターで告発をしました。その後、消息が分からなくなっているのです。

投稿は30分で削除されましたが、あっという間にスナップショットが拡散しました。

そして行方不明になった彼女の消息を心配する声が世界中にあふれています。セリーナ・ウィリアムズ、ノバク・ジョコビッチ、大阪なおみ、ビリー・ジーン・キング、クリス・エバートらの選手が積極的に発信しているからです。

世界女子プロ-テニス協会の責任者スティーブ・サイモン氏は、彼女の消息について調査を要求し中国からツアーを撤退させる用意があると宣言しました。

ホワイトハウスのジェン・プサキ報道官は、「我々は、中国政府が彼女の居場所と安全について、独立した検証可能な証拠を提供するよう求める」と述べました。そして国連までが「完全な透明性」のある調査をもとめる声明を出しています。

そういった騒動の中、18日中国国営メディアCGTNは、ポン・シュアイ氏が世界女子プロ-テニス協会サイモン会長に宛てたメールとされるものを公開しました。

「こんにちは、ポン・シュアイです。私は行方不明になったわけでも、危険な状態になったわけでもありません。家で休んでいますし、何も問題ありません。私のことを心配してくださって、本当にありがとうございます」との文言です。

ただちにサイモン氏は「私は受け取ったメールを彼女が実際に書いたとは思えません。家に帰されていることも信じられません」と述べました。

対照的に、北京オリンピックを迎える国際オリンピック委員会は「最新の報道を目にし、彼女が安全であるとの保証に勇気づけられている」と述べました。

それでまた大きな非難を受けました。中国政府の説明をうのみにしている。バッハ会長こそ率先して「彼女はどこにいるのだ」と中国に質問すべきだというのです。

批判の大きさに驚いたのでしょう。国際オリンピック委員会のディック・パウンド委員は、中国のこの問題への対処次第で、2022年北京冬季五輪開催に関して強硬な態度をとる可能性があると今は述べています。

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これは中国共産党にとっても深刻な問題です。彼女は世界ランキング1位を獲得した唯一の中国人テニス選手であり、2013年に人民日報が書いたように、中国政府から模範的なアスリートとして称賛されていたからです。中国内で過去も今もこれからも注目を浴び続ける人なのです。

状況は刻刻と変わっていますが、11月21日朝8時現在では中国共産党系メディアの編集長がツイッターに「彼女は近く人前に姿を現し、何らかの活動に参加するだろう」と書き込んでいるようです。

ここまでの問題になった以上、中国は彼女を記者会見させざるをえないでしょう。しかし録画ではなく彼女の安全が保障された環境での生会見でないと世界は納得しないでしょう。

それは中国政府にとってとてつもないリスクです。どんなに事前に脅かしていても、その場で暴露されるリスクがあるからです。

この問題、中国政府の対応によっては、北京で行われる冬季オリンピックの開催の可否のみならず、共産党の支配体制そのものを揺るがすインパクトがあります。

中国共産党は大きな爆弾を撃ち込まれたのです。それは核弾頭でもミサイルでもなく、一通のSNS投稿でした。今後の処理の仕方によっては超新星のように大爆発する可能性があります。

(メルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』 11月21日号より一部抜粋)

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image by: Mai Groves / Shutterstock.com

大澤 裕この著者の記事一覧

・株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン 代表取締役社長  ・情報経営イノーベーション専門職大学 客員教授 ・法政大学大学院イノーベーションマネジメント研究科 兼任講師 慶應義塾大学を卒業後、米国バンカーストラスト銀行にて日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学でMBAを取得後、家業の建築資材会社の販売網を構築するべくアメリカに子会社を設立。2000年、ピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。海外のエージェントとディストリビューターを使った販路網構築・動機づけの専門家として活動を行っている。2015年「中小企業が『海外で製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」を、2017年「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」をダイヤモンド社から上梓。

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【著者】 大澤 裕 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 日曜日

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