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こう話せば伝わる。「教え方が上手い人」がしている“8つ”のこと

自分としては全精力を傾けて物事を教えているつもりなのに、相手が正しく理解してくれないケースが多いとの思いを抱いている方、それはもしかしたら自身の「教え方」に問題があるのかもしれません。今回のメルマガ『尾原のアフターデジタル時代のモチベーション革命』では、Google、マッキンゼー、リクルート、楽天の執行役員などを経て現在はIT批評家として活躍されている尾原和啓さんが、「口頭で教えることが上手い人がしている8つのこと」を分かりやすく解説。いちばん大事なことは「前提」と「範囲」の確認としてその理由を示しつつ、そこから相手に無理なくものを伝えるステップをレクチャーしています。

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学ぶこと、教えることがうまい人は何をしているのか?LINE青田さんの8つの特徴図を解説

今日解説するのは、「教え方がうまい人や対話の中で相手の学びをうまく引き出している人は、どういうことをしているのか?」というお話です。

こちらのツイート、もしかしたら何人かの人は見たことがあるかもしれませんが、すごくバズった「教え方がうまい人は何をしているか?」をまとめたものです。

※ バズったツイート

表の上のところにあるとおり、これはLINEの青田努さんが書いているんです。

青田さんは本当に構造化してまとめるのがうまくて。「教え方がうまい人は何をしているか?」を8つの項目で説明しています。

この説明が、人と話している中で学びを引き出すことや、「自分で振り返っている時に、学びをどう引き出すのがよいのか?」に直結しているので、その話をしていきたいんですよ。

というのも、最近僕は年末年始ということで、新規事業の開発が多くて。

新しくビジネスを始める方へのメンタリングで、経産省が毎年やっている「始動」というプログラムがあります。大企業の方や個人として新しく起業したい方を歴戦の方々がメンタリングして、200人くらいの中から確か40人くらい?を選抜し、本場のシリコンバレーで起業に関するいろいろなトレーニングを受けてもらう。そして、その中で彼らが事業をやっていくんです。

新しく何かをする時って、ズレることが多いんですよね。

この「教え方がうまい人は何をしているか?」は、自分自身がやりたいことの解像度や、対話の中で相手の学びを引き出すことにもすごく使えるので、順番に説明していきたいと思います。

教え方がうまい人がやっていること8つの特徴とは?

「前提の確認」と「範囲の提示」

8つの特徴の中で一番大事なことは、1と2の「前提の確認」と「範囲の提示」です。

「前提」と「範囲」がズレていること、特に何かに悩んでいる人は、物事を考える範囲が狭くなったり、自分にとっては当たり前の前提条件が相手にとってはまったく違ったりすることがあるんですよね。

人は会話をする時に、相手の理解度やゴールなど、相手はどの範囲の中で物事を考えているのかを確認し合いません。

だけどそれを丁寧にやったほうが、一番大事なところはどこで、これからどういうふうに話していくかが伝わるんです。

その際、相手にどう伝え、自分に対してはどうかみ砕いていくのがよいのでしょうか?

大事なのは、「構成の工夫」「アレンジメント」「情報量の調整」です。

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「構成の工夫」と「アレンジメント」

自分で自分を振り返る時も、相手に教える時、相手から学ぶ時も、スポンジをイメージしてほしいんですよね。

スポンジをイメージした時に、悩みが大きい人の場合は水がタプタプだから、それ以上は入らないし吸収できない状態になっている。

その一方で、箕輪(厚介)さんみたいに常に乾いて乾いて仕方がなくて、どんどん水を吸収しないと自分の中で動く気にもなれない人もいます。

まずはスポンジの水を1回吐き出してあげる。そうすると、また吸い込むことができるんです。

例えば呼吸って、息を吸った状態の人に「息を吸って~」って言っても、もう吸えないわけですよ。

そういう時には、まず「息を吐いて~」って言って、相手が今悩んでいることや行き詰まっているものを吐き出させる。そうすれば息が吸えるようになります。

こうやって、相手がわかっているもの、呑み込みやすいものに変換しながらやっていく。

相手に伝わるよう、どうアレンジするかが大事です。

人は自分が伝えたい順番で語ったり、相手にとっては日常的ではないもので伝えたりしがちです。

だから「前提の確認」と「範囲の提示」があった上で、「構成の工夫」と「アレンジメント」がある。

「情報量の調整」

そして、先ほど話したように「全体的な情報量」ですよね。

人によって胃袋の大きさは違います。箕輪さんみたいに「食べたい、食べたい!」って言っている人もいれば、ほんのちょっと食べただけで「もう胸焼けした」って言っている人もいます。

なので、その人が吸収できる量をイメージして、確認しながらどのくらいの情報を伝えていくかをみる。

一番簡単な確認方法は、「今までの情報の中で、自分で一番気付いたことや次につなげたいことは何ですか?箇条書きでもよいので、記録のために残しておきましょう」ってことを相手に適度にやることです。

そうすると、「自分が伝えたと思っていることと、相手が受け取ったと思っていることがどのくらい違うのか?」とか、「こっちが伝える時に重要だと思ったことが、相手にとってはここが重要なんだ!」っていう差分に気付くんですよね。

相手の情報量を調節するために、途中途中で…僕はだいたい15分に1回くらいですが、「今までのところで、気付きと次のアクションにつながることは何かを書いてみましょう」みたいなことをやります。

僕の場合は、相手に対して比較的早口でたくさんの情報量を提供することで、「なんかよくわからないけど、尾原さんが言っていることはすごい整合性が取れているように聞こえるから、やっぱり新しい世界に行かなきゃいけないんだ!」っていうふうに、気持ちよくジェットコースターに乗せていく感覚を使うんですけど…本来的には、最後に細かいポイントで相手によって調整をします。

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「スピードの調整」「語彙の選択」「相手のケア」

相手に伝えることを考えると、相手が呑み込む情報量の速度(スピード)を変える必要性もあるし、言葉(語彙)を選択する必要性もある。

何よりも相手がついてきているのか、ついてこられないのかを観察して調整する。

しかも観察するだけじゃなくて、特にこのようなオンラインコミュニケーションの中では、みなさんが理解していることを聞いてみて、「テキストに書いてみよう」とか「ここまでで一番為になったことは何で、もっと聞きたいことは何かを書いてみよう」という、アウトプットが気軽にできます。

アウトプット、失敗を気軽にできるのがオンラインコミュニケーションのよさだったりしますよね。

こういったことも活用しながら、振り返りや対話、何よりも自分への対話の時に「前提の確認」や「範囲の確認」、自分との対話の中の3から8をやってみるといいと思います。

 

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image by: Shutterstock.com

尾原和啓この著者の記事一覧

IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

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【著者】 尾原和啓 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月・木曜日 発行予定

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