毎回時間をかけてきちんとミーティングを行っているにもかかわらず、その効果が実感できないという企業があるとしたら、それは意識すべき方向に誤りがある可能性が高いようです。今回のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』では、6つの仕事を掛け持ちする時間管理の専門家であり建設会社の役員も務める石川和男さんが、ミーティングを実のあるものにするため意識すべき3つのポイントを紹介。さらに本物の「ミーティング力」をつけるため、毎回かならずすべきことをレクチャーしています。
会社がなくなっても食べて行ける術をレクチャーする石川和男さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ
年初めのミーティングで、最高のスタートをきるために意識するべき3つのこと
2021年があと少しで終わりを迎えようとしています。どのような1年だったでしょうか。
今年の目標は、会社として達成できましたか。まとまりあるチームで仕事を円滑に進めることができましたか。
仕事をチームで進めるにあたり、必要なのは利益に直結し、実りのあるものになっているミーティングです。今回は、ビジネスパーソン必須の「ミーティング力」についてお伝えします。
ミーティングは参加者の時給分よりも利益をもたらしているか?
以下のような会社は、ムダなミーティングをしています。
- ミーティングになってから議題を考えはじめる
- 事前に資料が配られていない
- ミーティングの内容を事前に参加者に伝えていない
- 議題の内容に対して、参加者の人数が多い
- 今後のスケジュールや業務連絡、懇親会の場所などを伝達する
ミーティング時間はバカにできません。まずは、参加者の時給を考えることから始めてみましょう。総支給額を出勤日数掛ける出勤時間で割れば、おおよその時給が計算されます。
例:600万÷(250日×8時間)=@3,000円
社員、提携先スタッフ、外注スタッフと立場は違いますが、働いているということは時間に対する対価が発生しています。
仕事にとって「時間はお金」。個人事業者は強く意識していますが、組織で働く人間がつい忘れがちな原則です。
ミーティングによって失う時間、言い換えればミーティングをしなければ生まれたはずの仕事の時間を、実際に計算したらどれだけの金額になるのか、私はそんなことを常に考えています。
もちろん、会社にとってミーティングは必要です。ミーティングで決めるからこそ組織が一丸となって行おうとする。ビジョンへの意識も高まります。
だからこそ、社員は参加することによって支払う時給分を意識して、ミーティングを有意義なものにしていく必要があるのです。
会社がなくなっても食べて行ける方法をレクチャーする石川和男さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ
ミーティングで意識すべき3つのこと
では、ミーティングの際に、どのようなことを意識すべきか?3つのポイントをお伝えします。
1.目的を明確にさせる
無駄を防ぐためには、開催するミーティングが一体どのような種類のものなのか、目的を明確にさせる必要があります。
- 問題点を洗い出すためのものか
- 参加者にアイディアを広く求めるブレーンストーミングか
- 問題を解決するための議論の場なのかなど
主催者が、参加者に事前に案内をすれば、必要な準備もできます。目的を意識すれば、そのミーティングはより濃い内容となるでしょう。
2.参加する人数を調整する
あるとき、「なぜ同じ部署から3人なのか」と主催者に尋ねたところ、その答えは「……」、明確な返答は得られませんでした。
以前の職場では、無駄に人数を集めたミーティングを行っていました。部署全員が参加することで部署内でのフィードバックがなく、参加しただけのミーティングになっていました。
目的がわかれば人数を調節できます。重要なブレーンストーミングであれば、できるだけ多くの人間を参加させる。あるいは事前にできるだけ多くのメンバーの意見をヒアリングしておく。その上で限られた人数でミーティングを実施する。目的がわかれば、そんな判断ができるのです。
時給3,000円のスタッフが10人集まり、3時間のミーティングを行えば9万円のコストがかかります。5人で行えば4万5,000円。半分の金額が浮くだけではありません。ミーティングに出なかった5人は、合わせて15時間分、ほかの仕事をすることができるのです。
ミーティング内容を確認し、その人数が本当に必要なのか、その人選で合っているかを考えましょう。
3.終わり時間を決める
ミーティングをするうえで多いのが、終了時間を決めていないことです。
海外から来たビジネスパーソンが日本のミーティングで驚くことは、開始時間に対してはシビアなのに、終了時間がわからないことだそうです。
参加者は次の予定を決めるうえで、事前に終了時刻を知る必要があり、主催者も事前に告知する必要があります。
さらにここで言いたいのは、終りの時間をシビアに決めることです。1時間かかると思うミーティングなら45分で、30分なら20分で、とシビアに時間を設定します。そうすることで、今まで充分な時間をとっていたために気づかなかった無駄なことが、気づくようになります。
効率的にミーティングを終わらせるためには、議題のゴールをしっかりと決めておく必要があります。仮に問題解決を目指すのであれば、答えを導くところまで至ればゴール。しかし、ゴールに至らず時間オーバーになってしまうこともあります。いくら終りの時間をシビアに意識したとしても、問題が複雑なものであれば、どうやっても結論を得るまでに時間がかかります。
その場合、予定通りの時刻に終了して、日を改めてミーティングを行います。進行状況を見て、結論が時間内に出せそうかを予測する。主催者としての役目です。
会社がなくなっても食べて行ける方法をレクチャーする石川和男さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ
やりっぱなしはダメ!絶対!!
日本人は、何かをするまでのことは真剣かつ丹念に考えるのに、終わった後のことにはあまり関心を持たない傾向にあります。ミーティングをどのように進めるのかは必死に考えるのにフィードバックがない。時間管理のコンサルタントを行っているときに感じます。それではいつまでも本物の「ミーティング力」は身につきません。
大切なのは振り返りです。
目的通りにミーティングを実施することができたか、時間は適切だったか、事前の準備は万全だったか。何を得られたのか?どのような方向で考えるのか?修正していくのか?攻めるのか?
きちんと振り返ることによって、改善点が見つかり、次のミーティングに生きるのです。
そのようなチェックができているかどうか。時間とお金をかけて行ったミーティングがやりっぱなしでは意味がありません。
次のミーティングに向けてたえず、振り返りをすることが必要なのです。
知っていることと、やっていることと、できていることと、身についていることは違います。
「ミーティング力」を身につけるために、研究と実践、そして振り返りを繰り返す。
最初は難しいかもしれません。しかし、やり続けることで、あなたの「ミーティング力」が上がり、会社の業績も上がっていくことでしょう。
会社がなくなっても食べて行ける方法をレクチャーする石川和男さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ
image by: Shutterstock.com