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食べログが“アルゴリズム開示”で業界に激震。評価急落で飲食店に大きな損害、「不透明な点数」払拭なるか

グルメサイト「食べログ」で評価を不当に下げられたとして、焼き肉チェーン店が損害賠償を求めていた訴訟で、食べログ側がコンピューターで評価点を算出する計算式「アルゴリズム」の概要を、チェーン店側に開示した。毎日新聞が報じた。アルゴリズムが開示されるのは異例で、今後大きな波紋を広げることになりそうだ。

「食べログ」がアルゴリズムを異例の開示

訴えていたのは韓国料理チェーン「KollaBo」を運営する韓流村で、評価の点数を算出するアルゴリズムの一方的な変更をきっかけに、2019年5月に食べログの点数が急落したという。2020年5月に韓流村が食べログを運営するカカクコムを相手取り訴訟を起こしていた。

アルゴリズムの変更直後からチェーン店の「星」の点数評価(5点満点)が軒並み3.5より下になり、週刊文春によると1カ月の売上高が2500万円ほど急減したという。

これにより食べログ経由での来客数が月5000人以上落ち込んだなどとして、約6億4000万円の賠償を求めて東京地裁に提訴していた。

この裁判には思わぬ方向からも“援護射撃”が入った。

公正取引委員会が評価の点数を算出するアルゴリズムの一方的な変更で、特定の店の評価が大きく下がるなどすれば、独占禁止法に違反する恐れもあると示唆。異例の意見書を裁判所に出していたのだ。

食べログ側はこれまで不正行為の防止などを理由に開示を拒んできたものの、こうした声にも押される形でアルゴリズムを開示した。

他のプラットフォーム企業にも大きな影響

独禁法とアルゴリズムにかかわる前例のない訴訟のため、裁判所が公正取引委員会に意見を求めた異例の訴訟。

公正取引委員会によると、独禁法違反行為の差し止めを求める訴訟で裁判所に意見書を出すのは初めてだと日本経済新聞は報じている。

今やグルメサイトの点数表示は飲食店の人気を大きく左右する重要な要素となっている。

アルゴリズムの変更について、食べログ側は「継続的なアップデートの一環で、違法な行為をするためではない」と主張していたが、「評価方法が不透明」という声は飲食店やユーザーから多く聞こえてくる。

アルゴリズムがもたらしているデジタル時代の市場競争の変化。今回のアリゴリズムの開示は他のプラットフォーム企業にも大きな影響を与えそうだ。

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image by : shutterstock

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