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長澤まさみ 『鎌倉殿の13人』囁きナレにクレームを出したのは誰?波紋を広げた大河演出、賛否の原因を作った大物人物とは

放送開始前から大きな話題となったNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。初回視聴率は17.3%と前作『青天を衝け』をやや下回ったものの、まずまずの滑り出しといってよさそうです。三谷幸喜氏が担当する脚本の評判も上々ですが、唯一賛否の声が上がったのが女優・長澤まさみさん(34)が務めるナレーション。なぜ囁くような語りになり、どんな人たちがクレームを言っているのでしょうか?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。

賛否両論の長澤まさみ“囁きナレ”、その根源とは?

『鎌倉殿の13人』での長澤まさみのナレーションがSNSで論争を巻き起こしているようです。

本来ナレーションというのはドラマを誘導する役割ですが、それが逆に進行の足枷になっているのでは、と一部の視聴者が指摘しているからです。

ナレーションという役割は、ドラマ…特に大河にとってはシリアスな問題です。

『鎌倉殿~』の初回視聴率は17%を超え、上々のスタートでした。

しかし残念ながら第2回は、大泉洋の女装か長澤のナレーションの影響なのかはわかりませんが、2.6ポイント数字を落としてしまいました。

2回目のオンエア後にSNSでは、小池栄子と新垣結衣の睨み合いシーンが盛り上っていただけに残念です。

長澤のナレーションに関する意見で最も多いのは“言語が不明瞭で、しっかりと言葉が聞き取れない”というものです。

取材を進めてみると、これらの多くは高齢者層からの意見のようでした。

彼等は“喋りが外国語のよう…”とか、“言葉の意味が全く理解出来ない…”、“聞き取れない”とこき下ろしています。

最近のNHKの高齢者を軽視するような傾向は度々マスコミの集中砲火を浴びていますが、その飛び火はこんなところにも火種となって表れた…というのが私の感想です。

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ナレーションを巡り賛否両論が盛り上るのは『鎌倉殿~』が初めてではありません。

3年前の『いだてん~東京オリムピック噺~』も、局には苦情が数多く寄せられたと言われています。

このナレーションを担当したのはビートたけし。

“滑舌が全く酷過ぎる”、“意味が理解出来ない”等々の意見が聞かれました。

私自身も、“演者ならいざ知らず、どうしてたけちゃんにナレーションの仕事をふったのか…”と不思議でなりませんでした。

『いだてん~』は大河ドラマ史上最低の視聴率を記録してしまったわけですが、少なからずこのナレーションが数字に影響を及ぼしたという見方は拭えないでしょう。

ナレーションについて1月16日付けの『NEWSポストセブン』は、こき下ろされた長澤を完全擁護する記事を配信しています。

あれは脚本家・三谷幸喜のリクエストだった、と。

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“登場人物たちに寄り添い、隣の部屋から囁いているような距離感で…”というのが三谷のリクエストだというのです。

言葉はシンプルですが、このメッセージの持つ意味不明感は半端ない気がします。現場のスタッフが、これを長澤にどう伝えたのか、是非聞いてみたいものです。

ドラマのナレーションの基本は“自らの感情を殺して、いかに情報を正確に視聴者に伝えるか…”というポイントにあるように思います。

三谷は“演者に寄り添い…”と助言したと言いますが、ナレーションは絶対に演者より前に出ることは許されない…と思うのは私だけでしょうか。

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『青天を衝け』のNHK・守本奈実アナウンサーや、『真田丸』のNHK・有働由美子アナウンサー(当時)は、視聴者の心を穏やかにさせたものでした。

もし『鎌倉殿~』のナレーションが失敗で終わるとしたら、長澤云々ではなく、三谷のムチャ振りが視聴者には受け入れられなかったということでしょう。

またそれを許したNHKの演出のミスとも言えます。

ハリウッドのドラマ製作の現場では、今回のようにナレーションが問題になることは極めてレアなケースと言えます。

彼等は日本のドラマのように、ナレーションで視聴者を誘導する…説明することを生理的に嫌います。

『奥さまは魔女』、『アイ・ラブ・ルーシー』のようなアメリカのシットコム・ドラマが大好きで多大なる影響を受けた三谷が“囁くように…”とリクエストしたのは、視聴者の邪魔にならないように…という意味も含まれていたのかもしれません。

それが結果的に“聞き取れない”という意見を招いたのかも…。

長澤も三谷をも擁護するつもりは毛頭ありませんが、もしこれが視聴率に影響を及ぼしているのなら、小栗旬らの秀逸な芝居が埋もれてしまうのが、残念に思えて仕方ありません。

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プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

image by : 東宝芸能公式サイト

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