縄文時代と聞いて皆さんは何を想像するでしょうか?不安定な狩猟採集生活で移動を繰り返すイメージがありますが、実は1,000年以上集落が継続した長期定住集落遺跡が多くあり、争いもない平和な時代だったといいます。今回のメルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』では、 そんな日本人の凄いところを集めた一冊を本を紹介しています。
【一日一冊】ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人!
小名木善行 著/彩雲出版
国史研究家の小名木善行さんの動画が面白い!ということで手にした一冊です。この本では日本の感動する話が20個集められています。
世界の小麦は「農林十号」という背の低い品種から派生したものであること。
天皇という権力を持たない権威制度が1,000年以上続いて国家統一のシンボルとなっていること。
普通の植民地は搾取されるが、日本に併合されたり、植民地だった国は現在繁栄していること。
日本国を軍国主義と批判する日本人も多いのですが、歴史を見て行けば、日本特有の良い面があるのも確かなのです。
何がすごかったかというと、天皇が政治権力を持たない権威として存在していたという点です(p61)
目から鱗だったのが、日本の縄文、弥生時代の解釈です。普通の人の理解は、縄文時代は狩猟生活で、弥生時代は大陸から稲作が入ってきて、文化的な生活になったというイメージではないでしょうか。
著者は縄文時代に対人用の武器が出土していないこと、土器の装飾が華やかだった縄文時代から、弥生時代の土器は質素でシンプルになったことに注目します。
著者の理解は、縄文時代に大陸から対人用武器を持った外国人がやって世の中が混乱し、土器が質素になってしまったというものです。
つまり、それまで平和で豊かな日本は外国人の流入によってシンプルな土器、シンプルな服装、武器を製造しなくてはならない時代となったということです。古い時代のことですので、そうした推測もありえるように感じました。
日本の縄文時代の遺跡からはまったく出土していないもの…対人用の武器(p31)
こうして説明してもらうと、歴史というのは面白いものだな、と感じました。
もちろん歴史の専門家が考える歴史の理解というものがあるのはわかりますが、歴史とは自分なりに解釈することもできる範囲があるのです。
先人の努力を学びつつ、今の自分に何が残せるのか、考えてみるのも面白いと感じます。歴史の楽しさを教えてくれる一冊ということで★5としました。
ねずさん、良い本をありがとうございました。
【私の評価】★★★★★(92点)
<私の評価:人生変える度>
★★★★★(お薦めです!ひざまずいて読むべし)
★★★★☆(買いましょう。素晴らしい本です)
★★★☆☆(社会人として読むべき一冊です)
★★☆☆☆(時間とお金に余裕があればぜひ)
★☆☆☆☆(人によっては価値を見い出すかもしれません)
☆☆☆☆☆(こういうお勧めできない本は掲載しません)
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