父親だから子供の前ではみっともない姿を見せたくない─。そう思うお父さん方も多いのではないでしょうか。今回のメルマガ『久米信行ゼミ「オトナのための学び道楽」』では、iU情報経営イノベーション専門職大学教授を務める久米信行さんが読者からの質問に答える形で、父親はどこまでかっこつけるべきかについて語っています。
オトナの放課後相談室:父親はどこまでカッコつけるべきか?
Q. 学生時代の後輩から草野球の試合に誘われ
近々参加してみようかと思っています。
それを聞きつけた小5の息子から、
「パパが野球しているところを見てみたい」と言われ、
連れて行くべきか迷ってます。
少年野球をしている息子としとは、
父の野球の実力を知りたいのかも知りません。
ただ、私は野球好きながら、決してうまくはありません。
しかも約30年ぶりの野球の試合。
活躍どころか、息子にみっともない姿を見せて、
少年野球のやる気を失わせかねないと、危惧しています。
ありのままを見せるべきか、もう少し草野球に慣れてから、
多少はマシになってから見せるべきか、
久米さんならどうされますか?
東京都/46歳/男性
A カッコつけずに一所懸命な姿を見せて、今後は一緒に練習を
私も、決して運動神経が良い方ではありません。 元、 肥満児 ですし、小学生の時は、 草野球ではオマメというかオミソというか、そんな存在 でした。 チーム分け の時に、 リーダーふたりがじゃんけん して 優秀な選手から選ぶシーンでは、いつも最後に残るクチ 。
ですから、もしも、 今から10年前の子育て期に同じシチュエーションに立たされたら悩んだ ことでしょう。
しかし、 今の私はシンプルなルールで動いているので、もう悩みません。
そのルールとは
「カッコつけずに、できないことはできないと言う。」
「できないことは、3年ガマンして反復練習し何とかする。」
昔の私は「できないことをできない」と言えずに、時にはウソまでつく人間 でした。
一度、そんな ウソをつくと、あとが大変 です。
ずっとウソをつき続けなくてはならない からです。
そんな ウソをつくことに能力と時間を費やすならば、できないことを素直に認めて公言し、少しでも上達するように努力 をした方が、 気が楽ですし、生産的 です。なにしろ、 3年反復練習すれば、少なくとも人並ぐらい にはなれる場合が多いからです。
ですから 思い切って、息子さんにこう話して みてはいかがでしょう。
「パパの野球をぜひ見て欲しい。
あまりうまくないので驚くかもしれないよ。
もっとうまいパパがよかったと残念に思うかもしれない。
でも、少しでもいいところを見せられるように、
今日から素振りをしたり、
バッティングセンターに行ったりするよ。
キャッチボールもしよう。
一緒に練習してくれるかな?」
試合でかっこいいところを見せる より、
仕事から帰ってきて疲れているのに素振りを欠かさない 姿を見せたり、
朝早起きして一緒にキャッチボール をしたりする方が、
お子さんも喜び、尊敬してくれる のではないでしょうか?
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