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アフターコロナでリモートワークはどうなる?真の働き方改革とは

コロナ禍でリモートワークをしている会社も多いと思いますが、どのくらいの会社がアフターコロナの際にリモートワークを継続するのでしょうか。今回のメルマガ『久米信行ゼミ「オトナのための学び道楽」』では、  リモートワークを辞めたくない会社員の方が、経営者たちの考え方を知り合たいとして久米さんに相談を持ちかけています。

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オトナの放課後相談室:リモートワークをやめたくない

Question

コロナ禍で勤めている会社がリモートワークになったおかげで、外食や飲み会が減り、さらに運動習慣も身につき、かなり健康的な生活ができるようになりました。そこで今、心配しているのがアフターコロナに、会社がリモートワークを継続してくれるのかということです。

この2年間、通勤にかける時間と労力が減ったことで、正直、生活の質がかなり向上しました。もし、リモートワークが完全撤廃され、また出社するスタイルに戻ったらと考えると、転職すら考えちゃいます。

ただ、46歳という自分の年齢を考えると、転職のハードルは高そうで、どうにか今の会社にリモートワーク継続ないし、希望制にしてもらえたらと願うばかりです。

そこでご相談したいのが、経営者の方々は一般的にリモートワークをどう考えているのかということです。その回答をヒントにして、会社に根回ししたいと思っています。(埼玉県/46歳/男性)

久米さんからの回答

経営者の発想もパラダイムシフト。リモートワーク向きの仕事と人には、新しい働き方を継続するでしょう。

お気持ち、よーくわかります。もしも私が40代半ばで、家族と一緒にいる時間が一番大切、かつ今後のための自己投資や勉強が必要な時期であれば、同様の悩みを抱えることでしょう。

先日、 NHK-BSで米国のニュースを見ていたら、興味深い報道がありました。

ニューヨークはウォール街にある投資銀行で働く女性が、 コロナ禍で郊外の自宅にてテレワークをしている間に、 家族と過ごす時間の方がお金よりも大切なことに気づいたそうです。そして、 給料が1/4になるにも関わらず、テレワークを認めてマイペースで働ける食品関係の会社に転職したというのです。

おそらく、その方は優秀な人財だったのでしょう。もしも経営者が、こうした「新しい現実」に気づいていれば、テレワークを続けながら働いてもらえる仕組みを考えたはずです。

おそらく給料が半分になっても(現に1/4になったのですから)働き続けてくれたでしょうし、 仮に給料を下げなくとも、信じられないほど高額であろうウォール街オフィス代を半分にすることができたはずです。

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私は、 毎年、数十回 、内外情勢調査会などで全国各地の首長・自治体幹部・経営者に講演をさせていただく機会があります。そこで、最近、必ず経営者や自治体リーダーにご説明しているスライドが、今回の答えにつながるのでご紹介いたしましょう。

この図で申し上げたいのは、コロナ後に社員の意識が変わったので経営スタイルも変えるべきだということです。

在宅勤務・テレワークの普及で、社員の多くは、自宅でも働けるし、満員電車に乗るのはもうまっぴら、家族と楽しい時間と空間を共有したいと考えるようになりました。それを見て、多くの経営者は気づいてしまったのです。

優秀な人材を集めるために、わざわざ都心の一等地に本社を建てたり、借りたりしていたが、もはやそれは不要なのではないかと。むしろ、在宅勤務とテレワークを社員に勧めた方が、社員満足度も高まり、有能な社員が集まる、あるいは残ってくれるのではないかと。

そこで、 先を見通した経営者から順番に、都心のオフィスを縮小、あるいは地方移転を始めています。(それなのに、都心はビル建設ラッシュですが)

つまり、 地方の企業経営者にとっては、都心で働いていた有能な人財をスカウトする絶好のチャンス だというわけです。

社員にとっては、首都圏よりも、子育てにも自己実現にも好い環境で、快適なホームオフィスが作れる広い家を安価に所有か賃貸できますしね。

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次の図は、人財に関する経営者の意識のパラダイムシフトを示した図です。

正直言えば、在宅勤務とテレワークが進んで困ったのは、会社にしがみついてないと仕事ができない古くて無能な人材だとわかってしまったのです。

要は、タイムカードを定時に押して、テキトーに仕事をするふりをして時間を過ごす人、ミスさえしなければ、アウトプットも生産性も問われない。それでいて、上司だから権力を振りかざして命令して、自分では何もしない人。

私が会社勤めをしている時にも、何人かの中間管理職はそんな感じだったので驚いたことを思い出します。

しかし、これから優秀とされる人は、わざわざ会社で上司が監視していなくとも、タイムカードでしばらなくとも、きちんとアウトプットを出し、チームワークを発揮できる人なのです。

延々と続く会社の会議や、満員電車通勤で、時間とエネルギーを消費するぐらいなら、お客様の気持ちになって現場を回ったり、遊びながら働いて、新規事業や新商品・新サービスを提案して欲しいのです。

、、、という話を、 経営者にお話すると、頷いてくれる場合がほとんどですし、地方の経営者ほどチャンスだと感じるようです。

社内で根回しをされるのでしたら、 これらのスライドは、私の名前を出して自由に使ってくださっても構いませんよ。

その時の コツは、自分がいかに在宅・テレワークでも、働き方改革を実現して成果を挙げたかを、事例を示しながら話すことです。

あとは、同じ志で成果を挙げている上司や仲間と一緒に訴えるのもいいですね。

どうか、よりよい環境で、仕事も家族も自己実現も果たせるような展開になりますことを、心からお祈りいたしております。

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image by: Shutterstock.com

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1963年東京墨田区出身。87年慶応大経済卒。イマジニア新卒一期で飛込営業と株式投資ゲーム開発。88年日興證券でAI相続診断システム開発研修統括。91年家業の国産Tシャツメーカー久米繊維工業入社。94年三代目社長就任(現相談役)。97年日経インターネットアワード、05年経産省IT経営百選、09年東商勇気ある経営大賞等受賞。10年APEC中小企業サミット日本代表。20年開学の新大学iUでは起業家教育・地域創生担当教授。明治大、多摩大の授業や企業団体研修に即した25万部超の「すぐやる技術」シリーズ等著書15冊。内外情勢調査会等で毎年数千人に講師。東京商工会議所墨田支部副会長、墨田区観光協会理事、墨田区文化振興財団 評議員として地元振興。新日本フィルハーモニー交響楽団・NBS日本舞台芸術振興会・日本吟剣詩舞振興会 各評議員として文化芸術振興。

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