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日本で流行し始めた「半額ビジネス」が今まで許されなかった理由

コロナ禍で大盛況のネット通販。しかし、その裏ではメーカーが返品や過剰在庫に悩んでいるといいます。そこで今回は、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、自身のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の中で「半額ビジネス」についてご紹介。単純で利益の出るやり方なのに、なぜ今まで日本で流行しなかったのでしょうか?

大盛況ネット通販の裏で儲ける、「半額ビジネス」とは?

外出を極力控えているいま、ネット通販が大盛況となっています。

自宅にいながら、クリックやタッチをするだけで、何でも買うことができます。ファッション、家電、家具、雑貨、日用品、食料品……。欲しいものを欲しい時に、すぐ配達してくれます。

そんな便利なネット通販ですが、メーカーでは大きな問題を抱えています。

返品や破損、余剰在庫が多くなっています。店舗販売と違い、それらの数値が読みづらくなっているのです。

返品であったり、配送による破損、生産計画の読み違いによる在庫過多など。多くのメーカーで、こうした販売できない商品は廃棄されています。

心血注いだ商品なので、廃棄は心が痛みますし、コストの面でも大損してしまいます。しかし、これまでは他に良い方法がありませんでした。

商品ロスや食品ロスは、いまや地球規模の大問題。「SDGs」の観点からも、これを放置することはできなくなってきました。

そこで動き出したのが、「半額ビジネス」。メーカーで眠っている商品を安く買いとり、希望小売価格や店頭価格の半額で販売するものです。

メーカーにとっては、処分に困っていたものを買い取ってくれるので、救世主のような存在。消費者にとっては、新品や訳あり商品が半額で買えるので、不況のいまは、これもまた救世主。

ビジネスの仕組みとしては、非常に単純です。余りものを安く買って、安く売る。ただ、それだけのこと。では、どうしてこれまでなかったのでしょうか。

それは、メーカーの古い考え方があったからです。

返品されたものは、価値が下がる。パッケージの破損したものは売りものにならず。キズのあるものは、価値がない。ブランド品を安く売ると、ブランドそのものにキズがつく。

こうした考えが染みついていたために、まだ充分に価値のあるものを廃棄せざるを得なかったのです。

しかし、消費者を含めた社会全体の価値観に変化が表れました。「もったいない」が、浸透、定着。

まだ使えるものは捨てない。まだ食べられるものは捨てない。それらが安く売られているのなら、気にせず、積極的に買う。メーカーの意識、消費者の意識が変わり、新しいビジネスが誕生したのです。

実に有意義なことです。

しかし、「もったいない」も「SDGs」も、ビジネスの世界では、儲けるための好都合なテーマでしかないのかもしれません。

ですが、そこにデメリットがなく、社会のためになるのなら、どんどん利用すれば良いのではないかと思います。

まだまだ伸びしろのあるテーマなので、新しい可能性を探ってみてはどうでしょう。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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