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ティラノサウルス3種説から連想するプーチン筆頭「現代の3暴君」

6600万年前までの約200万年の間、地球の食物連鎖の頂点に君臨したティラノサウルス(ラテン語で「暴君トカゲ」の意)に関して、最近2つの新説が発表されたそうです。今回の『きっこのメルマガ』では、人気ブロガーのきっこさんが、東京都の広さに20頭ほどいたとする個体群密度などに関する論文と、実はティラノサウルスは3種類いたとする論文を紹介。白亜紀末期の地球に想像を膨らませると同時に、「“暴君”が3種類」からプーチンの他に日米2人の“暴君”を連想。もし復権を果たし3人が揃ったら、恐竜と同じように人類は絶滅してしまうと結んでいます。

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現代の暴君トカゲたち

最強の恐竜と言えば、映画『ジュラシック・パーク』でもお馴染みのティラノサウルスですが、6600万年以上前、現在の北米大陸の西部にあたる大地を支配していたティラノサウルスは、当時、何頭くらい生息していたと思いますか?

ティラノサウルスに限らず、様々な恐竜が、どれくらいの時期に、どれくらいの地域に、どれくらいの個体数、生息していたかという研究は、いろいろな専門家チームが長年にわたって試算して来ました。こうした試算の基本データの中には、推測による数字も含まれているため、あくまでも仮説の域を出ませんし、タイムマシンが発明されない限り、その仮説を証明することはできません。

しかし、DNA解析を始めとした科学の進歩により、たとえ仮説であっても、その精度は日々高くなっており、半世紀前の試算よりは最新の試算のほうが事実に近づいていると思います。ティラノサウルスに関しては、過去20年分の研究成果を基にした最新の論文が、昨年4月、学術誌『Science』に発表されました。この論文は、ティラノサウルスの個体群密度、つまり、人間の「人口密度」のように、どれくらいの密度で生息していたかも試算しています。

それによると、当時のティラノサウルスの個体群密度は「半径6キロ圏内に1頭」とのこと。東京都の広さなら20頭のティラノサウルスがいたことになります。これ、なかなかリアリティーのある数字だと思いませんか?

しかし、ティラノサウルスが生息していたエリアは、北は米国アラスカ州から南はメキシコまで、東京都どころか日本全土の数十倍の広さなのです。これを計算すると、約2万頭のティラノサウルスが同時に生息していたことになります。ティラノサウルスの寿命は約28年ですが、寿命まで生きられなかった個体も一定の割合でいたことを加味して試算した結果、ティラノサウルスは約12万7000世代にわたって子孫繁栄を繰り返し、200万~300万年の間に合計で約25億頭が地上に存在したと、この論文は結論付けています。

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そんなティラノサウルスですが、今年3月3日付で「ナショナルジオグラフィック」の日本版サイトに「ティラノサウルスは実は3種いた、新たな論文が物議、議論白熱」という最新ニュースが掲載されました。
ティラノサウルスは実は3種いた、新たな論文が物議、議論白熱 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

本文はリンク先を読んでいただくとして、こちらでは要点だけ引きますが、映画『ジュラシック・パーク』の各種恐竜の造形などにも関わっているアメリカのフリーランスの古生物学研究家、グレゴリー・ポール氏が、3月1日付の学術誌『Evolutionary Biology』に、これまで1種類とされていたティラノサウルスが、実は「3種類だった」という論文を発表し、物議を醸しているそうです。

グレゴリー・ポール氏の研究チームは、37体のティラノサウルスの化石の下あごの歯と大腿骨を中心に計測し直した結果、オスとメスという性差とは違う個体別の特徴が複数見つかり、その結果「ティラノサウルスは3種類だった」と結論付けたのです。リンク先の記事には、他の研究者の反論なども掲載されていますが、あたしの琴線に触れたのは、グレゴリー・ポール氏のネーミングに関する提案です。

ティラノサウルスはラテン語で「暴君トカゲ」という意味ですが、ティラノサウルスの正式名称は「ティラノサウルス・レックス」、「レックス」は「王」なので「暴君トカゲの王」という意味になります。そこでグレゴリー・ポール氏は、自分が別種だと主張する他の2種を「暴君トカゲの女王」を意味する「ティラノサウルス・レジーナ」と「暴君トカゲの皇帝」を意味する「ティラノサウルス・インペラトル」と命名しようと提案したのです。

もちろん、まだ1つの仮説に過ぎませんが、これまでずっと1種類だと思っていたティラノサウルス・レックスが「3種類だった」という主張は、ロックバンド「T・レックス」のマーク・ボランが、実は二卵性双生児で、双子の姉がいたという事実を知った時よりも衝撃を受けました。そして、これまでの「王」に続き、新たな2種に「女王」「皇帝」と命名しようという提案は、マーク・ボランの「ボラン(Bolan)」が本名ではなく、彼が少年の頃から憧れていた「ボブ・ディラン(Bob Dylan)」を縮めた造語だという事実を知った時よりも感動しました。

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グレゴリー・ポール氏の主張を否定している研究者には申し訳ありませんが、あたしは夢のあることが好きなのです。しかし、1つだけ気になることがあります。それは「暴君トカゲの王」というそもそものネーミングです。「暴君」と言えば「ハバネロ」くらいしか思い浮かばないあたしにとって、実際に食物連鎖の頂点に君臨していた狂暴な恐竜の名前が「暴君トカゲの王」というのは、心から「別の時代に生まれて良かった!」と思うほど恐ろしい名前なのです。

それなのに、その恐ろしい「暴君トカゲの王」の他に「暴君トカゲの女王」と「暴君トカゲの皇帝」までいたとする仮説は、現代に置き換えると、とても恐ろしい近未来を暗示しているように感じてしまうのです。現在の地球上の「暴君トカゲ」と言えば、もちろんロシアのウラジーミル・プーチンですが、この「王」の他に、人類を恐怖に陥れる「暴君」が2頭いるとすれば、それはアメリカのドナルド・トランプと日本の安倍晋三ということになります。

つまり、今回のグレゴリー・ポール氏の論文による主張が何かの暗示だとすれば、それは、次のアメリカ大統領選におけるドナルド・トランプの復権と、次の日本の国政選挙における安倍晋三の復権なのです。プーチンという1頭の「暴君トカゲ」が権力の座に居座っているだけでも、これほど多くの罪なき人々が虐殺され続けているのに、プーチンと同じく恐竜並みの思考回路しか持ち合わせていな「暴君トカゲ」があと2頭も増えたら、地球上の人類はアッと言う間に絶滅してしまうでしょう。6600万年前の恐竜たちと同じように……。

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image by:PATRICIAFOTOS/Shutterstock.com

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