いまだ続くウクライナ危機に乗じて動いているとある国。その国の動向は日本にとって深刻なのですが、どうやらあまり日本は本気でその問題に取り組む気はないように思えます。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では国際政治経済学者の浜田和幸さんが、北朝鮮の軍事行動とそれに対する韓国の動きについて語っています。
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ウクライナ危機の陰で急展開する北朝鮮の軍事攻勢
日本でも世界でもウクライナ危機に耳目を奪われているようです。その夜陰に乗じるかのように、北朝鮮の軍事的行動が活発化しています。
日本にとってはウクライナ問題よりはるかに深刻といえるもの。ところが、日本政府はピョンヤンの思惑を本気で理解し、抑えようとしていません。
アメリカも日本もロシアのウクライナへの軍事侵攻を非難し、経済制裁を強化する動きを見せています。
しかし、北朝鮮はアメリカや日本の経済制裁にもかかわらず、軍事力の強化に邁進し、3月24日には大陸間弾道弾(ICBM)「火星17号」の打ち上げに成功したと発表。
「ニューヨークタイムズ」紙によれば、この成功にはウクライナ製の技術や部品が欠かせなかったとのこと。
とはいえ、米韓の情報機関は「失敗」説を宣伝しています。
いずれにせよ、旧ソ連時代の核ミサイル開発技術を温存してきたウクライナは、いわゆる「闇市場」を通じて、こうしたノウハウや部品を外国に売りさばいてきていました。
「火星17号」の飛行距離は1万5000キロを超えると目され、アメリカ本土の全てを射程に収めています。
しかも、注目すべきはこの「火星17号」は全長が24メートルで、世界最長という点です。
ロシアの「トポルM」は22.7メートル、中国の「東風41」は21メートル、アメリカの「ミニットマンIII」は18.2メートルですから、搭載できる核ミサイルも他国を圧倒しています。
今回の実験成功をテコに、北朝鮮はアメリカと敵対するイスラムテロ組織に、こうした長距離核ミサイルを売り込む動きも見せており、経済制裁などどこ吹く風といった様子です。
その上、韓国発の情報では、北朝鮮は潜水艦発射のSLBMの実験も加速させているとのこと。
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こうした北朝鮮の動きに対して、韓国は素早く反応しています。
「火星17号」が打ち上げられた2時間後には「玄武(ヒュンム)II」型弾道ミサイルや短距離ミサイル「ATACMS」の発射を行ないました。
狙いは明らかで、北朝鮮のミサイル基地を攻撃できることを示すことです。
来月には韓国のユン新大統領の就任式も、また北朝鮮が反対する米韓合同軍事演習も予定されています。
北朝鮮による軍事行動がエスカレートする危険性は高まる一方です。
プーチン大統領による一方的なウクライナ侵攻に対して、バイデン大統領は経済制裁を加えるものの、「軍事的対応はしない」と明言しています。
そうしたアメリカの動きを金正恩委員長はどう見ているのでしょうか。
日本にとってはウクライナとは比較にならない危機が間近に迫っているとしか思えません。
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