人気のおやつである「今川焼き」。甘いおやつのイメージですが、それを覆し大人気となっている商品があります。繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、自身のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の中でその商品をピックアップ。商品開発の戦略を紹介しています。
サラダ入り!?今川焼きをご当地グルメに育てたアイデア
日本全国で売られている、今川焼き。回転焼き、大判焼きなどとも呼ばれ、人びとに長く愛されている“おやつ”です。
定番のあんこやカスタードクリームをはじめ、抹茶あずきや白あんなども見受けられます。
このどこにでも売っている今川焼きをご当地グルメとして有名にしたお店があります。
福井県鯖江市。
メガネの生産で知られるこの地で創業し、30年前に売り出した、ちょっと変わった今川焼きが話題となり、いまやご当地グルメとして、“鯖江っ子のソウルフード”とまで言われる存在となっています。
売っているのは、今川焼き専門店「三六商店(さんろくしょうてん)」。このお店で売り上げNo.1である「三六サラダ焼き」が、その商品です。
ほんのり甘い生地の中に、ロースハムとかいわれ大根、特製マヨネーズが入っています。
サラダが入っているわけではありませんが、サラダ風の味がすることから、「サラダ焼き」となりました。
なぜ、今川焼きにハムや野菜を入れたのでしょうか。
30年前、「つぶあん」と「カスタードクリーム」だけを販売していましたが、消費者は甘いものから離れつつあり、このままではお店が潰れるかもしれないと考えた店主が、ご飯代わりにもなるような今川焼きを誕生させたのです。
これが人気となり、お店の代表的な商品になっていきました。
そこからじわりじわりと浸透し、いまでは5店舗+キッチンカー1台にまで拡大。鯖江のご当地グルメと呼ばれるまでに成長しました。
さらに、SNSやYouTubeにより情報は拡散し、いまや全国からお客さまが訪れるように。
甘いものをおかず系に進化させたのは、素晴らしいアイデアです。「サラダ焼き」というネーミングも女性受けします。
ちょっと変わった今川焼きが、地方で静かに誕生し、その地域で愛されるようになり、ご当地グルメとして定着しました。
まだまだ成長の余地はあります。今後、お店も増えることでしょう。
しかし、全国展開などせずに、あくまでご当地グルメとして、その場所にあり続けて欲しいと思います。
image by: Shutterstock.com