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園子温の「性加害報道」で広がる波紋。業界内ではよくある話?“ドラマの天皇”と女優のただならぬ関係とは

波紋を呼んだ園子温監督(60)による複数女優への“性加害報道”。あちこちから批判が高まる中、園監督は「事実関係が違うところが多くある」と法的措置を取る考えを明らかにしています。そんな園監督の騒動について、「この手の話は業界ではよくあること」とするのは芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さん。芋澤さんは「自慢話の話半分が関の山」としつつ、“ドラマの天皇”と女優のただならぬ関係について紹介しています。

園子温監督の性加害報道はどこまで真実なのか?

『新宿スワン』『冷たい熱帯魚』『愛のむきだし』などの園子温監督が、在米映画関係者から“性加害”の告発を受け窮地に立たされています。

園監督の制作プロダクションは公式サイトに“事実関係を整理して、あらためて発表いたします”と真実には触れなかったもののおわび文章を掲載しました。

『ヴェネツィア国際映画祭』、『トロント国際映画祭』といったグローバルな世界で高い評価を受けていた園監督への告発だけに、映画界では想像以上に波紋が広がっているようです。

映画への出演を条件に監督と女優が関係を持つ…これは実は周辺取材を重ねていれば度々耳に飛び込んでくる話なんです。

今回このスキャンダルを報じた『週刊女性』によれば、園監督はスタッフを捕まえてはー

「女はみんな、仕事が欲しいから俺に寄ってくる」「主演女優にはだいたい手を出した」「俺のおかげで売れた」などと豪語していたといいます。

映画界に限らずドラマに出たい女優、ファッション誌でグラビアを飾りたいモデルに対し、様々な現場でこんな自慢話を恥ずかしげもなくする人物に、私も度々遭遇していました。

こういう人たちはメンタリティが常人と違うのでしょうね、“いい加減にしてくれ”と、私の方が席を立ちたくなってしまったことを思い出します。

園監督のフィルム・グラフィを今、入念にチェックしている方も少なくないと思うのですが、私の体験上“話半分”というのが関の山だと思います。

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こういう下品で虚言癖さえありそうな人物の話は“半分上の空で聞き流す”のが芸能記者の鉄則です。実際こういう話を真剣に受け止めていた頃の私は、何度となく痛い目に遭っていますから…。

有名監督と女優は恋に落ちやすい?

演出家と女優という関係で私が最も印象に残っているのは、樹木希林さんです。

『ムー一族』というドラマの打ち上げパーティで、当時“ドラマの天皇”と言われたディレクター・久世光彦氏がこのドラマに出演している女優と特別な関係にあったことを暴露したのです。

当時私はロサンゼルスで映画の勉強をしている身でしたが、このニュースは太平洋を飛び越えて伝聞されてきたほどでした。

後に先輩記者からは耳にタコが出来るほどこのスキャンダルの舞台裏…演出家と女優のただれた関係を聞かされることになりました。

先輩と散々酒を飲んだ後、樹木さんの自宅前までタクシーで行ったことを昨日のことのように覚えています。インターフォンまで押すことはありませんでしたけれど…。

さらにもうひとつ思い出すのは、今から20年前に出版された荻野目慶子の自叙伝『女優の窓』の物凄く強烈なインパクトです。

『蒲田行進曲』『仁義なき戦い』『バトル・ロワイヤル』などの深作欣二監督との9年に及ぶ不倫関係を告白したこの本を、発売直後に時間を忘れてむさぼり読んだものです。

芝居を演出するものの大胆さと激しさ、それを受け止めて演じる荻野目の狂気に、思わず身震いしたことを今でも覚えています。

その頃取材した、いわゆる“深作組”の役者が、私に眼光を崩しながら言ったことを覚えています。

“女優、もしくはこの職業を志す女性への口説き文句は「演技について語り明かしてみないか?」…これだけで十分なんだよね”

彼はこう言ってテーブルを指で軽く叩いてみせたことも…。

そのアクションだけで、演出家と女優というとても隠微な関係が理解出来たような気がしたものです。

ちなみにこの役者は、取材先のコーヒーショップに真っ赤なオープンの『SAAB』で現れました。『ドライブ・マイ・カー』を見る度に思い出します。

園監督への告発で最も気になったのは、既にパートナーがいる女優への影響です。

芸能界が特殊な世界であることはわかっているとしても、園監督の言葉の生々しさは半端ではありません。

このことについて女優がパートナーと何を話すのかは想像もつきませんが、身の潔白を訴えたり、正直に話して理解してもらうことも、“完全スルー”を決め込むことも有り得るでしょう。

しかしこのダメージは、必ずボディ・ブローのように少しづつ、じわじわと効いてくるような気がします。これも長年の私の経験からそう思えることですけれど…。

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プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

image by : Dick Thomas Johnson / CC BY 2.0

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