ゼロコロナ政策にこだわるがあまり、国民を厳しい監視下に置く中国。そんな強権をもって独裁政権を維持してきた習近平政権が今、自縄自縛とも言える事態に陥っているようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、中国当局が自国国歌の歌詞をネットで流すことを禁じたというニュースを紹介するとともに、その意味するところを解説。黄さんはさらに、現在世界がロシアと並行して中国への警戒を高める必要がある理由を説いています。
※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年4月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。
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【中国】国歌さえも「反国家的」として歌えなくなった中国
新型コロナの拡大にともなうロックダウンが3週間を超えた上海では、混乱が止まりません。食料の奪い合いや警察官による市民への暴動などの映像は、日本のニュースでもよく目にします。
また先日は、隔離される飼い主を追いかけた愛犬を、地元の防疫担当者がスコップで撲殺するといった事件も起こりました。このような飼い主の隔離によりペットが勝手に殺処分されるという事例が相次いでいるそうです。
● ゼロコロナ、ペットも受難 飼い主隔離中に殺処分―中国・上海
まさに阿鼻叫喚の地獄絵図の様相ですが、そんななか、中国では国歌の歌詞をネットで流すことが禁止される事態となっているそうです。中国の国歌といえば「義勇軍進行曲」ですが、冒頭、「起來!不願做奴隸的人們」(立ち上がれ!奴隷になりたくない者よ)という歌詞で始まります。
つまり、この歌詞が上海市民の中国当局への不満を煽る可能性があるということで、ネットで禁止令が出ているということなのです。「ヴォイス・オブ・アメリカ」によれば、2020年に新型コロナが流行した際にも、中国のSNS「豆瓣」で、この歌詞に「過激な時事問題や思想が含まれている」という理由でブロックされたことがあるそうです。
中国のネットでは「自分たちの国歌が禁止語になっているというチャイナ・ジョーク」と嘆く声が飛び交っているとのこと。
この「義勇軍進行曲」はもともと、抗日歌曲として作られました。国を救い民族を開放するという歌詞が禁止されるということは、中国当局こそが人民を押さえつける「人民の敵」になったということを意味します。
実際、上海のロックダウン後、中国のネット上では、「愚かな人間が権力を握るとどうなるか」という、中国指導部を風刺するような論文が表れ、話題になったそうです。習近平については、中国人のあいだではかなり以前から「草包」(能無し)と陰口を叩かれてきました。
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