新型コロナウイルス感染症が拡散していると報じられる北朝鮮。今回、米国の専門家がコロナによって北朝鮮政権が崩壊する危険性があるとして韓国や日本への意見を提起しました。無料メルマガ『キムチパワー』では、韓国在住歴30年を超える日本人著者がその話題について触れ、今後の北朝鮮の動きや周辺諸国はどう動くべきかを語った米国専門家の言葉を紹介しています。
コロナで北が滅ぶ?
米国の専門家が新型コロナウイルス感染症の拡散で北朝鮮政権が崩壊する可能性があり、このような状況を考慮した韓半島統一対策計画を立てなければならないという主張を提起した。
3日(現地時間)、米国保守性向シンクタンクであるケイトー研究所のダグ・ベンド首席研究員は、フォーリンポリシーへの寄稿文で、「北朝鮮で新型コロナウイルス感染症が拡散し、統一問題が浮上している」と主張した。
ベンド研究員は「北朝鮮がパンデミックにまともに備えることができない状況」とし「金正恩王朝の没落を予見するのは多少時期尚早だが、可能性に対して備えないことも愚かなこと」と話した。(聯合ニュースベース)
彼は特に、北朝鮮でワクチン接種が事実上皆無であることを挙げ、拡散速度が速いオミクロン変異がワクチン未接種者にさらに致命的に作用する可能性があると説明した。
それと共に現在の状況が1990年に北朝鮮を襲った大飢饉と似ており、いな、それ以上に悪い可能性もありうるとし「今回はウイルスが指導層を襲う可能性もある」と警告した。
ベンド研究員は「このようなことは起きないかもしれないが、独裁者たちも時には運が尽きたりもする」とし「韓国と米国、日本は北朝鮮の不安定な状況または崩壊に対して体系的で足を地につけた議論を始めなければならない」と提案した。
続いて「外部的可能性にとどまるとしても、これは現在東アジア秩序を揺るがす危機になりかねない」とし「民主主義移植、核抑止など成就しなければならない目標は多様だが、究極的な焦点は統一になければならない」とした。
そして、優先的な克服対象としてドイツの事例から確認されたように、莫大な統一費用の問題が韓国の若い世代に負担となり得るという点と、吸収統一に対する北朝鮮内部の反発の可能性を挙げた。
さらに、「同盟が統一問題に対して団結した立場を持つなら、はるかに容易だろう」とし、「日本人は韓国を愛しすぎているため二つの韓国を希望するという冷笑的冗談のように、統一で韓国が大きくなること自体は、日本の立場では憂慮されることだ」と指摘した。
さらに、「韓国と米国は、日本の憂慮を完全な協力を通じて払拭しなければならない」とし、「中国も統一後、米軍が中国国境地帯まで進出できるという点で、南北統一に反対の立場を取りうる。中国との疎通チャンネルを開いておくことが重要だ」と助言した。
ベンド研究員は「北朝鮮のパンデミック危機と政権崩壊の可能性は実質的に危急な事案」とし「これに対応して新しい政治的秩序を構築する責任は窮極的に韓国にあるが、米国も長期的分断治療において固有の役割を果たさなければならない」と強調した。
(無料メルマガ『キムチパワー』2022年6月6日号)
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