1985年、事前の消費者調査を経てニューコーク発売に踏み切ったコカ・コーラが、何千万ドルもの損失を出す大失敗を犯したのは、マーケティング業界では有名な話のようです。その失敗について、これまで語られていたマーケティング視点での原因と最新のデータ分析視点での原因を紹介するのは、『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』著者で、人気ブロガーのりばてぃさん。マーケティングの専門家であり、現在データアナリストの講座を受けているりばてぃさんが、この比較で得られた気づきを伝えています。
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コカ・コーラ新商品の失敗をデータ分析で評価すると?
データアナリストの証書をもらうためグーグル監修の講座を受けているので、今回はその講座の中にあった事例から「データ・アナリスト的に考えた場合」の考え方が出ていたのでご紹介します。
コカ・コーラVSペプシの話。1985年、コカ・コーラはそれまでの従来のコーラに代わるニューコークを発売しました。しかしその前にライバルのペプシに対抗するため20万人を対象に味覚テストを実施。その結果、テストの参加者はペプシよりも新しいコーラの味を好むことがわかったのです。
これならいける!と考えたコカ・コーラはそれまでのコーラに置き換えてニューコーラを発売。これで、ペプシに奪われた市場シェアを取り戻せると踏んだわけですが、結果は惨敗。新しい商品は大失敗に終わり、何千万ドルもの損失を出すことになりました。
この話はマーケティング業界では非常に有名なのでご存じの方もいることでしょう。
ただこれまでのマーケティング的視点での分析では、「消費者に味の好みを聞くことですべてを判断してはいけない。例えば、アップルのアイパッドやアイフォンは消費者に聞いて良い製品だと判断されたかはわからない。多数の一般人より1人のスティーブ・ジョブスという天才が革命的な商品やサービスを生み出すには必要だ」といった、どういう人に聞くことが大事かという視点で分析されていました。
グーグルのデータ分析視点になると、以下のような考察となります。
「正しいと思われるデータで、なぜこのようなことが起こったのだろうか。それは、データが完全でなかったために不正確なものになってしまったからである。
このデータでは、ニューコーラがそれまでのクラシックコーラに取って代わることについて聞いていないのだ。消費者がそれをどう感じるかを考慮していなかったのが問題である。
クラシックコークを引退させるという同社の決断は、不完全なデータに基づいたデータ主導の決断だったのである」
…とのことです。
データ分析をしたまでは良かったけども、そのデータだけで十分なのか聞く、考えることを改めて認識しましょうという話でした。
ところでマーケティングのお仕事もですが、データ分析の講座を受けていて思うのは、発想が豊かな人はけっこう向いているのではないかと思います。
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image by:MAHATHIR MOHD YASIN/Shutterstock.com