恋愛のかたちはさまざまで、人によって幸せの尺度は異なります。だからこそ恋愛にまつわるトラブルはつきものですが、意外にもそうした相談が探偵にも寄せられることがあるんだそうです。今回のメルマガ『探偵の視点』の著者で現役探偵の後藤啓佑さんは、とある相談者さんからの恋愛トラブル相談を紹介し、相談にのる方の注意事項を挙げています。
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彼氏が既婚者「裏切られた」けど一緒にいたい女性からの恋愛トラブル相談
今月の恋愛トラブル相談は、「裏切られたけど一緒にいたい」という、DV被害者に似ている思想を持つ女性からの相談です。
簡単に言うと、彼氏が既婚者だったというパターンです。数ヶ月に渡り結婚していないと嘘をつかれ、将来の約束までしていたのです。
彼氏が既婚者だったと発覚したのは、交際が1年を過ぎようとしていた頃。相談者さんがそろそろ結婚を考えて、両親に会ってほしいと伝えたところ、実は結婚していて、子供もいる。だけど、妻とは離婚する予定だ。だから少しだけ待ってくれないか?と伝えられた。
普通の感覚であれば、即別れを切り出してもおかしくはない状況です。彼氏の嘘についての怒りはもちろん、法的には自身が浮気相手という立場になり、慰謝料請求の対象になってしまうのですから。
しかし、相談者は違いました。
「彼を信じてみたい」
そう思ったそうです。なにを信じるのかよくわからないですが、とにかくそう感じたとのことで、彼が自分の元へ来てくれるのを待つ。彼に嘘をつかせた妻が憎い。そういった感情になったようです。
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何故このような感情を持ってしまったのか?一見ただの悲劇のヒロイン気取りなのかなと思うかもしれませんが、実はそんな単純ではないのです。これは、DVの被害者とよく似ている思考回路です。
説明すると、相談者は1つだけやってはいけないことをしていました。それは、「仲のいい友達に彼氏が既婚者だったことを相談したこと」です。
これが何故まずかったかというと、一般的に今回の彼氏の行動は誰がどう見ても「この男悪いだろう」となる状況です。それを仲のいい友達に相談してしまうと、十中八九「早く別れなよ!そんな最低な男!」となります。
そのセリフを何度も聞かされた相談者は、苦しむ彼氏を目の前にすると「彼にだっていいところはある。私が守ってあげなくては」こういう思考になるのです。そうなってしまうと、もう自分と彼氏の間に閉じこもってしまうようになり、他人の意見を聞く姿勢は無くなります。
この感情の流れが、DV被害者にも起きていることが多いのです。「私が守らないと」という感情にさせる男は非常に危険ですが、当人からすると甘い夢の中にいさせてくれると勘違いしてしまうので、いくら他人が離れろと言っても聞く術を持ちません。
今回の相談者さんも、既にそのマインドになっていました。現在カウンセリング中ですが、道が険しいのは間違いありません。
もし、周囲にそんな友人がいれば、相手(今回でいう彼氏)をけなす言動は気を付けてください!
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