医師会や感染症学会などが出した「65歳以下で基礎疾患がなく熱も短期で収まるような場合は、検査や診断を控えて自宅待機」という新しい指針に対して、一部の医師が「検査と診断が大切だ」と反論する事態となっています。しかし、この意見を「医師の利益だけを考えたとんでもない暴論」だと憤るのは、ジャーナリストの辛坊治郎さん。今回のメルマガ『辛坊治郎メールマガジン』では、海外の事例なども紹介しながら、PCR検査で儲けたいだけの医師たちの恐ろしい実態を暴露しています。
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この夏、コロナ医療は変なことだらけ
ニッポン放送の私のラジオ番組をお聞きの皆さんは先刻ご承知の通りですが、私と一緒に毎日喋っている増山アナウンス室長のお嬢さんと、毎週木曜日レギュラーの飯田浩司君が新型コロナウイルスに感染しました。
証言によると2人とも、PCR検査で陽性確定後、医師の診断によって市販薬を処方されたそうです。
飯田君は昨今の医療崩壊に鑑みて、自宅からオンラインの診断を受けてコロナ感染の確定診断を貰い、薬もオンラインで処方してもらったとのことです。
オンライン診断自体、医師会の伝統的な反対論を廃して最近可能になったのですが、例えば今回飯田君が確定診断のために病院に行ったら人に感染させるリスクが発生しますし、本人にとっても病院に行くこと自体が心身の負担になりますから、オンライン診断は正解でしょう。
でもねえ、そもそも医師の確定診断が必要か、さらにもっと大きな「そもそも論」で言うと、全く症状が出ておらず、咳もくしゃみもしていない人物を確定診断して隔離する必要があるのか?っていう素朴な疑問は生まれますよね。
少なくともPCR検査なんてものが無い時代なら「完全に健康な人」である飯田君が、10日間も会社を休むために医師の診断書が必要な訳ですが、この制度自体が私には疑問なんです。
「検査が大切」主張の医師、PCR検査機を大量導入
なんてことを考えていたら、医師会や感染症学会などが「65歳以下で、基礎疾患がなく、熱も短期で収まるような場合は、検査や診断を控えて家に居ろ」なんて新指針を提示して、一部の医師が「検査と診断が大切だ」なんて反論する事態になっています。
でもねえ、反論する医師の意見を聞くと、「早期にPCR検査で確定診断をして、適切な治療を受けることが命を守るために大切だ」なんて言っています。
この発言自体は一般論としては間違いとは言えませんから、それなりに「そりゃそうだ」と思う人もいるかもしれませんが、新型コロナの病態と現実を見ると、「医師の利益だけを考えたとんでもない暴論」という事になります。
なぜなら、冒頭の増山アナウンス室長のお嬢さんにせよ、飯田君にせよ、医師の確定診断を貰いましたが、医師はPCR検査の結果と本人が訴える発熱やのどの痛みを聞いて「陽性」という診断書を出し、市販薬と同じ解熱剤と風邪薬を処方しただけですから、医療現場の実態は「早期発見で適切な治療」とは程遠いですよね。
ちなみに、検査と診療を控えるような指針に反対の論陣を張っている医師は、自分の診療所に大量のPCR検査機を最近導入したそうです。
この医師、診療所のツイッターなどに、検査機の導入を宣言する書き込みをしているくらいですから、世間の見方について全く認識していない可能性がありますが、「検査で儲けたいだけじゃん」って世間が思うのは当然です。
とにかく儲かるPCR検査、「商品券配布」で集客も
先日「そこまで言って委員会NP」に呼ばれた時に発言したのですが、もしかするとオンエアされていないかもしれませんからここでもう一度書きますが、スウェーデンやイギリスなど、医療が公費で賄われる国々では、不要な検査が商売のために行われることはありません。
むしろイギリスなどでは、日本の感覚だと「必須の検査と治療」すら公費では実施されず、金持ちの皆さんは、劣悪な公費医療を敬遠して、高額なプライベート医院に通ったりしています。
いずれにせよ、こういった国では、過剰な検査や投薬が公的医療で行われることはありません。当然PCR検査が利潤目的で行われることはなく、それどころか、新型コロナ騒動がオミクロンの時代に入ってからは、無症状者を検査であぶりだして病人扱いすること自体行われていません。
ところが、日本ではPCR検査自体が利権化してしまいましたから、私が毎日前を通る銀座のPCR検査所のように「呼び込み」するくらいは可愛いもんで、中には商品券を蒔いて「客寄せ」をはかる業者まで出始め――(『辛坊治郎メールマガジン』2022年8月12日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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image by: 辛坊氏提供