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学校では教えてくれない。間違った情報を「ウソだ!」と見抜く力のつけかた

インターネットで検索をする、ニュースを見る、SNSで情報を得たり交流する…そんな日常を過ごしている人が多いと思いますが、リテラシーについて考えたことはあるでしょうか。今回のメルマガ『尾原のアフターデジタル時代の成長論』では、著者で、Google、マッキンゼー、リクルート、楽天の執行役員などを経て、現在はIT批評家として活躍されている尾原和啓さんが、 子供だけでなく、大人にもきちんと知っていてほしい情報リテラシーについて下村健一さんとの対談をダイジェスト形式で紹介しながら語っています。

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情報に振り回されないための、誰でもできる ちょっとした情報の生活習慣

「デマや暴言に振り回されない。情報リテラシーをどうやって上げていくか?」を今日は解説します。

情報リテラシーの上げ方?

下村健一さんの、「情報をどうやって正確に見ていけるか?それによって自分たちがどういうふうに情報の窓を広げていくことで広く情報を見れる人になっていくか?」っていう対談を、僕のビジネス系サロンの「ITビジネスの原理実践編」でやってめちゃめちゃ良かったんですよ。

今日は、ちょっとだけダイジェストをやってみるんで、体験してみていただければと思います。

さて、皆さんお伺いしたいんですけども。

1.食事をする
2.道を歩く
3.メディアを見る

それぞれ1日でどれ位時間かけてますか?

っていうのをぱっと思い出してほしいんですよね。食事ってどのぐらいですか?そうですね、僕とかも早飯なんで三食で1時間掛けなかったりするんですよね。一方で道を歩くっていうことですね、どのぐらい時間をかけてますか?これは道を歩くだけじゃなくて、バスに乗ったりとか電車乗ったりも含めてでいいと思うんですけど。

僕とか最近もうリモートが中心だから通勤通学がないんですよね。ただウォーキングを習慣にしていて。それでも1時間ぐらいなんすよね。

じゃあ3番目、この「メディアを見る時間」ってどれ位でしょうか?このメディアっていうのはスマホでSNSとかですね、Twitter見たりとか、あと漫画や雑誌読んだりラジオ聞いたり、もちろんテレビみたいなものも全部含めてですね、1日でどのぐらいでしょう?

これ、僕の場合は、もう1日2時間ぐらい情報摂取してるんですよね。っていう風に、皆さんの結果どうだったですか?どれが一番多かったですか?

食事する、道を歩く、メディアを見る。

答えは、そうなんですよね。やっぱり一番時間使ってるのって「メディアを見る」なわけですよ。

なんだけど、皆さんに聞きたいのは、食事の仕方ってよく噛めとか、好き嫌いするな、とか教わったことありますよね。道の歩き方はどうですか?飛び出すなとか、左右を見よう、とか言われたことありませんか?

でもなぜか、1日で一番時間を使ってるはずのメディアの見方、「情報をどうやって受け止めて見極めるか?」って教わってないんですよね。

なので、この情報のリテラシーっていうことが大事になってくるんですよ。でも大丈夫なんです。この情報リテラシーってなんかめちゃめちゃ難しい感じするじゃないですか。「リテラシー!?何?読書?そんなのやったことないし、わかんない」みたいな感じなんですけど、実はそうじゃないよってのが下村さんの話で。

ちょっとした情報を見たときに四つの疑問を身につければ、初めて聞いたテーマとかに振り回されたりしないし、いつの間にか自分が嘘に加担してるみたいなことはないよっていうのが下村さんのすごい良いところで。

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その1「まだ わからないよね」

例えば1個目は、「まだ わからないよね」

まずは情報を見たときにこれを思おうよと。つまり何かっていうと、情報見たら、「これやばい!本当だ、シェアしなきゃ!」とか、「何?私これ食べてたの!?まずい!」みたいな、その情報に対する結論を即断するなってことなんですよね。

例えばコロナで「何か治療にはxxが効くらしいよ」みたいなの、色々ありましたよね。イソジンうがいしたらコロナが減りますよね、とか。

こういう様な話とかがいっぱい出てくるわけですけど、「いや、ちょっと待てよ」と。即断せずに「いや、そうかな?」って1回保留するっていうことが大事なんですね。なぜならば、インターネットってどんどん速度が上がってきてるから、あれはやっぱり嘘だよとか、あれはデマだよ、っていう風に後から出回ってくるわけですよ。

先日の安倍首相の殺害の件も、いろんな情報出ましたよね。でもそういうのも(本当のことが)後からわかってくるわけですよね。つまりどういうことかっていうと、これが本当かどうかなっていうことって、自分で決めようと思ったら知識が必要だから、なかなか難しいんですよ。

でも、「ちょっと待ってそうかな?ちょっと待ってみようよ」って思うと、後からこれが本当かどうかってことがわかってくるので決めないっていう、いま「これはまずい!人にシェアしよう」とか、「飲んじゃったらどうしよう。。あれ買おう」みたいにならずに決めないっていうことは、ちょっとそうかな、って待つだけなので、意識だけでできるんですよ。

たったこれだけのことで、情報に振り回されないってのが決まるわけですよね。

気づいたら、僕たちって「これ、コロナにはイソジン良いんですよ」みたいなことをなんとなく他の人に言っちゃってて。つまり僕たちって、いつの間にか情報の拡散に加担してるわけですよ。

情報の拡散に加担してるってどういうこと?みたいな話で言えば、これ皆さん覚えてるかな、熊本で震度7のすごい地震ありましたよね。あの時にTwitterで、「地震のせいで家の近くの動物園からライオンが放たれたんだ大丈夫か?」っていう投稿があって。

これなんか、TwitterとかLINEとかで見ちゃったらどうします?やっぱりやばい!ってシェアしちゃうし、ないしは、これ面白い!とか、俺が先に見つけた!とかいろんな思いでついつい拡散しがちなんですよね。実際これどうなったかっていうと、1時間で2万人の人が広めちゃって。

動物園はですね、抗議(対応)にもう大変ですよ。でももっと大事なことは何かっていうと、これを1時間に2万人以上が広めたってことは、その先に5万人とか10万人の人が見たわけですよね。この情報を見たときに、もしかしたら熊本の人が「ライオンが外にいるから外に出れない」っていう風に思ったり、これやばいから自宅に戻るよ、って思ったら、実は熊本って2回目の地震があったんですね。その2回目の地震が震度7で実際大きかったわけですよ。

そうすると、その地震で1回半壊した家に戻っちゃって、命を落としてしまうかも知れないわけですよね。つまり何かっていうと、たった一個のライオンがやばいみたいなものもシェアしてしまったら、実は加害者になってるかもしれないよってことなわけです。

こういったものって、写真だからわかりやすいけど、やっぱりいろんな情報を鵜呑みにしやすいんですね。

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その2「事実かな、印象かな?」

今回の講義は全部で4つ内容があったんですけど、あともう1個だけ説明すると、例えば「Bくんの家族東京に勤めてるから、Bくんもコロナかもしれないよ」みたいな。

これ、他の人にシェアしたくなります?あまりないですよね。なぜかって言うとこのBくんの会社が今は東京だよ、っていうのはこれはわかる話。事実。これも確認しなかった嘘かもしれないですけど、これは確認できる事実ですね。

でも、この「東京に勤めてるからBくんもコロナかもよ」っていうのは、「かもよ」って言ってるし、なんとなく意見とか印象で、証拠を言ってないわけですよね。だからこういう決めつけているものがいっぱい溢れてるから鵜呑みにしちゃいけないわけですよ。

例えばこの最後の問題。リポーターが言ってることの中で印象っぽい言葉ってどこでしょうね。

「疑惑のAは、こわばった表情で記者を避けるように家からコソコソと出ていきました」

はい、ぜひ皆さん考えてみてください。そうですよね。

家から「コソコソと」出て行きました、って言うけれども、出ていったのは事実だけどコソコソっていうのはあなたの印象ですよね。だし、ましてや「記者を避けるように」っていうのは、それは本人が言ってるわけじゃなければこれも印象ですよね。

さらに、この「こわばった表情で」っていうのも、こわばってるかどうかっていうのはこのリポートさんの印象ですよね。

でもね、まだあるんですよ。そう、この「疑惑の」っていうのも、どこかの警察とかが発表してるわけじゃないし、ましてや警察が発表してたとしても逮捕されたとしても裁判結果が出るまでは無罪なわけですよね。

だから、この「疑惑の」という言い方をしているのも、これもうリポーターの印象なんです。つまり何かっていうとこの文章って事実だけを残すとこれなんですよね。

「Aは家から出て行きました」

でも僕たちは、ついついこれだけ並べられると「疑惑の」っていうとこを信じちゃったりとか、なんか「記者を避けるように」ってことも信じちゃうわけです。こういう風に、鵜呑みにせずに事実と印象を分けてやるということが大事で。

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というわけで

先ほど言ったように、僕たちって食事のマナーだとか、道を歩くときに何を注意するか、みたいなことをいっぱい言われてるのに、メディアの受け止め方って意外とわかってないよね、でもこれって今説明されたぐらいにちょっと判断を待って、どうすればいいんだろう?ってことが分かれば、僕たちって情報を豊かに取り扱っていけて。

それによって、偏ったりとか偏見を持ったりとか、ましてや嘘のものを拡散してしまって誰かを傷つける可能性みたいなことを減らせるわけですね。

下村さんは、これを「全部そうかな」っていう言い方をしてて、即断しちゃいけないよね、鵜呑みにするのもよくないよね、偏ってもいけないよね何か情報以外に隠れてるものないかな。中だけ見ちゃ駄目だよねっていうことでこの「そうかな」4つみたいなものを気をつけてもらえればと思います。

これについては、下村さんの『窓を広げて考えよう』っていうのは、小学生からわかるすごいいい本なのでぜひおすすめですし、僕のビジネス講座の方で詳細を説明してるので皆さんもぜひ体験してみていただければです。

というわけで、つながる時代の未来を楽しみましょう。

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image by: Shutterstock.com

尾原和啓この著者の記事一覧

IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

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【著者】 尾原和啓 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月・木曜日 発行予定

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