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Colorful stacked sweater Clothes in the shop rows of clothes on the shelves

ChatGPTは伸び代だらけ。売上が上がらない原因と対策を聞いたら凄かった

売上不振のお店が何か対策をする際、これまでは本や学校、コンサルタントなどを頼るのが常識でした。しかし、今後はAIに対策を考えてもらうのが手っ取り早い…となるかもしれません。今回はメルマガ『j-fashion journal』の著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが、実際にChatGPTに売上不振の原因からその細かな対策を聞いています。その精度は如何に?

売上不振の婦人服専門店が取るべき対策

こんにちは。

これまでファッション専門学校でファッションビジネス教育が行われてきました。しかし、チャットGPT登場で教育方法が変わると思います。ファッションビジネス論やファッションマーケティング論を勉強するより、実際にビジネスの課題抽出と改善提案を導き出す方が早いのではないでしょうか。

そこで、今回は、チャット君の力を借りながら売上不振の婦人服専門店への対策をまとめてみたいと思います。

チャット君は問題を網羅的に捉えるのが得意ですので、対策に穴があくことは少ないのですが、一つ一つの課題に対する深い洞察は苦手です。しかし、これもあくまで現段階の話であり、短期間で改善されていくでしょう。

1.売上不振の要因と対策

SCモール内にある婦人服専門店の売上不調の要因には下記のような要因が考えられます。

(1)立地が悪い

店舗が人通りの多い一等地にない可能性があります。しかし、売上が悪い店舗を良い立地に移転することは困難です。

立地が悪くても、それに見合う予算を立し、予算をクリアする習慣をつけることが必要です。

同時に、現状を理解し、常に良い立地に移転できるようにSC側に継続的に働きかけましょう。

(2)競合が激しい 

モール内の他の婦人服店との厳しい競合にさらされている可能性があります。

競合店の強みと弱みを理解した上で、差別化を図りましょう。

例えば、ユニークで高品質な商品による差別化、優れた顧客サービスによる差別化、競争力のある価格による差別化等です。

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(3)ターゲット市場とのミスマッチ

店のターゲット設定が立地と合っていない。あるいは、ターゲット設定は正しいが、実際の店の品揃えや演出がミスマッチである可能性があります。

市場調査を実施し、ターゲット市場のニーズや嗜好を理解し、それに応じて商品提供やマーケティング戦略を調整しましょう。

(4)品揃えとVMDの調整

商品の見た目が悪く、整理整頓が行き届いていないと、お客様が目的の商品を見つけられない場合があります。

このような場合は、店舗のレイアウトを見直し、ディスプレイを改善し、商品の陳列方法を最適化することで、解決することができます。

営業時間内でも、顧客が少ない時間を見計らって、レイアウトの変更やディスプレイの変更をすることは悪いことではありません。店内に動きが生じることで、顧客の目を引くことができます。

(5)マーケティング対策

潜在的な顧客に対して、商品やブランドを効果的にアピールできていない可能性があります。

そのため、ターゲット広告、ソーシャルメディアキャンペーン、Eメールマーケティング、イベントなどを含む包括的なマーケティング計画を策定し、実行しましょう。

(6)スタッフ配置

店員の知識、親しみやすさ、気配りが不足している場合、お客様の買物体験は満足できるものではなくなります。

継続的な販売員教育が必要です。本社は販売トレーニングや能力開発プログラムに投資し、スタッフのスキルを向上させ、優れたカスタマーサービスを提供するインセンティブを与えることなどを考えましょう。

これらの要因に対処するには、本社のマーケティング部、店舗開発部、商品企画部等が店長と連携して、課題を共有し、連携して問題解決を図ることが重要になります。効果的な対策を実施することで、店舗は長期的に売上と収益性を向上させることができます。

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2.現状理解のための店長とのミーティング

婦人服専門店の店長が現状を正確に把握し、自ら改善点に気づくよう誘導するために、ミーティング等で店長に以下のような質問をしながら、課題抽出と改善方法について話し合いましょう。

(1)「店の現状を説明してもらえますか?」

この質問は、店長が店の業績を評価し、課題を特定し、店の強みと弱みを明確にするのに役立つことがあります。

売上や在庫等の具体的な計数だけでなく、接客業務の中で販売員が顧客や商品について感じていることも改善のポイントになります。

(2)「店がターゲットとしている顧客、市場について、どのように考えていますか?」

この質問は、店長が店舗の顧客層、顧客のニーズと嗜好、そして店舗が彼らにどうすればより良いサービスを提供できるかを考えるのに役立つでしょう。

会社が設定しているターゲットと現場で感じているターゲットは合っているか。あるいは、売上を上げるには、どのようなターゲット設定をすればいいのか、について掘り下げてみましょう。

(3)「店は競合他社とどのように差別化していますか?」

この質問は、店長が店舗独自の価値提案を特定し、それを効果的に顧客に伝えているかどうかを評価するのに役立ちます。

(4)「店はどのように成功を測定していますか?」

この質問は、店長がどのように業績を把握し、改善のための領域を特定するかについて考えるのに役立つことがあります。

(5)「最近、お客様からどのようなフィードバックを受けましたか?」

この質問をすることで、お客様が店をどのように受け止めているかを理解し、繰り返し起こる問題や苦情を特定するために店長を助けることができます。

(6)「どうすれば売上と収益性を向上させることができますか?」 

この質問は、店長が店の業績を向上させるためのアイデアや戦略を練るのに役立ちます。

ミーティングでは、店長の回答に積極的に耳を傾け、より深い考察と分析を促すためにフォローアップの質問をすることが重要です。このような質問をすることで、店長は店舗の現状をより深く理解し、改善すべき点を見出すことができます。

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3.マーチャンダイジングと顧客のミスマッチ解消

店舗のマーチャンダイジングが、ターゲットとなる顧客のニーズや嗜好にマッチしていない場合、以下の手順で改善することができます。

(1)市場調査を実施する

まず、ターゲット顧客のニーズや嗜好をよりよく理解するために、市場調査を実施しましょう。具体的には、顧客の属性分析、アンケートやフォーカス・グループインタビューの実施、販売データの追跡などが考えられます。

ターゲット顧客のニーズをより深く理解することで、店舗はマーチャンダイジング戦略を調整することができます。

(2)商品の品揃えを見直す

市場調査と過去の実績等からターゲット顧客のニーズや嗜好に合った品揃えを分析し、品揃えの調整を進めます。

ブランド構成、アイテム構成、価格構成等、全体の中のバランスを考えた上で、新商品の追加、不採算商品の排除、商品構成の調整などを行い、お客様の需要によりマッチするように品揃えを改善しましょう。

(3)商品の配置(VMD)を最適化する 

品揃えを調整した後は、商品配置を最適化し、ターゲットとなるお客様にとってより魅力的で利用しやすい売場をつくります。

商品ディスプレイの調整、テーマやカテゴリーごとの商品配置、目を引く看板の設置などが考えられます。

(4)マーケティングとメッセージングを調整する

マーケティングとメッセージングを調整することで、ターゲットとなるお客様の感情に訴求することができます。

そのためには、ターゲットとなるお客様に対して、お店独自の価値提案やメリットを強調するようなマーケティング・キャンペーンを実施することが効果的です。

(5)スタッフを訓練し、インセンティブを与える

最後に、ターゲット顧客により良いサービスを提供するために、店舗はスタッフを訓練し、インセンティブを与えることができます。そのためには、ターゲット顧客のニーズや嗜好に関するトレーニングの実施、優れたカスタマーサービスを提供するためのインセンティブ(目標達成に対する報酬)の付与、おすすめ商品の紹介やパーソナライズされたサービスを提供するためのスタッフのエンパワーメント(権限や自信の付与)などが考えられます。

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4.競合他店との差別化ポイント

SC内の婦人服専門店が競合店と差別化する方法について、以下のような要素が考えられます。

(1)ユニークな商品を提供する

SC内の競合他店では手に入らないユニークな商品を提供することで差別化を図ることができます。

ユニークな商品には、期間限定商品、デザイナーとのコラボレーション商品、数量限定商品などが含まれます。

(2)パーソナルなショッピング体験

顧客一人ひとりのニーズや嗜好に合わせたショッピング体験を提供することで、差別化を図ることができます。

例えば、スタイリングの提案、カスタマイズ・サービス、商品の提案などです。

(3)卓越したカスタマー・サービス

顧客の期待を上回る優れたカスタマーサービスを提供することで、差別化を図ることができます。

例えば、営業時間の延長、無料でのお直しの提供、手間のかからない返品制度の提供などです。

(4)インタラクティブなショッピング体験

顧客を楽しませるインタラクティブなショッピング体験を提供することで、差別化を図ることができます。

これには、イベントの開催、仮想現実や拡張現実の体験の提供、インタラクティブな商品ディスプレイの提供などが含まれます。

(5)サステイナビリティと倫理的実践

持続可能性と倫理的実践へのコミットメントを強調することで、店舗を差別化することができます。

これには、環境に配慮した製品の提供、持続可能な素材の使用、社会的責任のあるブランドとの提携などが含まれます。

これらの分野に注力することで、婦人服専門店は競合他社との差別化を図り、ユニークで個性的なショッピング体験を求める顧客を獲得し、維持することができます。

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5.インタラクティブなショッピング体験

婦人服専門店がインタラクティブ(双方向の)なショッピング体験を提供するための事例を以下に紹介します。

(1)AR(拡張現実)とVR(仮想現実)

ARとVRを利用することで、お客さまが仮想的に服を試着したり、さまざまなコーディネートを試したり、さらには仮想の店舗内を歩いたりすることができます。これにより、ショッピング体験をより楽しく、魅力的なものにすることができます。

(2)イベントやアクティビティ

店舗では、お客様がユニークで魅力的な方法で商品やブランドと触れ合うことができるイベントやアクティビティを開催することができます。

具体的には、ファッションショー、スタイリングワークショップ、その他の体験型イベントなどです。

(3)デジタルスクリーンとディスプレイ

デジタル・スクリーンやディスプレイを使って、商品を紹介し、お客さまに興味を持っていただけるようなインタラクティブな環境を作ることができます。インタラクティブな商品ディスプレイでは、商品について詳しく知ることができ、実際に商品を見ることができ、さらにディスプレイから直接商品を購入することも可能です。

(4)ソーシャルメディアの統合

顧客が自分の体験をフォロワーと共有し、ソーシャルメディア上でブランドと交流できるようにします。

これには、写真撮影の機会提供、ブランドのハッシュタグ作成、ソーシャルメディア限定のプロモーションを提供することが含まれます。

(5)パーソナライズされたレコメンデーション

店舗は、AI搭載のレコメンデーションエンジン等を利用して、お客様の好み、購入履歴、閲覧行動に基づいて、パーソナライズされたレコメンデーションを提供することができます。これにより、ショッピング体験を強化し、お客様にとってより便利でパーソナライズされたものにすることができます。

婦人服専門店は、インタラクティブなショッピング体験を提供することで、競合他社との差別化を図り、ユニークで記憶に残るショッピング体験を実現し、お客さまをリピーターにすることができます。

編集後記「締めの都々逸」

「売れぬ店なら こうすりゃいいよ チャット君には お見通し」

今回は専門的なテーマでチャットGPTがどこまで対応してくれるのか、という実験でした。とにかく、チャットGPTを使い倒すビジネス教育をしなければいけないな、と思っている次第です。そして、専門学校卒、高卒でも高度なビジネスが可能なんだと証明したいですね。だって、そのためのAIじゃないですか。

今回も加筆修正はしています。日本語の質問を一度英語に翻訳して、英語の回答を更に日本語に翻訳しているので、変な日本語になっている部分も多かったです。

最近、チャットGPTは嘘つきだ、みたいな意見を聞きますが、まだ、成長段階で伸び代だらけです。ここで諦めてはいけません。

まだチャットGPT4.0は使っていませんが、現在の私には無料で使える3で十分です。それでも使いこなせている気がしません。(坂口昌章)

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image by: Shutterstock.com

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