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コロナ対策の誤りもワクチン死も「全力スルー」。愚かな大手新聞各紙の“役立たず”

大型連休明けの5月8日、季節性インフルエンザ等と同じ「5類感染症」となった新型コロナ。しかしこれまでコロナの恐怖を煽り続けてきた国内メディアは、相変わらずその支離滅裂さを発揮し続けているようです。今回のメルマガ『小林よしのりライジング』では、漫画家・小林よしのりさん主宰の「ゴー宣道場」参加者としても知られる作家の泉美木蘭さんが、「むちゃくちゃさに仰天した」という朝日新聞のトップ記事を取り上げ、分析の誤りを指摘。さらに同紙がワクチン接種率や死者数・死因を並べたグラフを作成しておきながら、それに関して適切な検証を行わない姿勢を強く批判しています。

朝日新聞が自分で締めた首。検証できないワクチン接種率と死亡者増の自作グラフ

5月8日(月曜)、コロナが正式に5類感染症になった。

厚労省によれば、今後は、

  1. 国の承認を受けた検査キットを各自で購入しておき
  2. 熱や鼻水が出たら自己検査をして
  3. 陽性でも症状が大したことないなら自宅静養すべし
  4. 医者の薬が必要なら病院へ行くべし

という手順になるらしい。

なるほど。これが日本の「コロナしぐさ」か。

ていうか、欧米が2年前からやっていたことやないかいっ!

とにかく、いちいちコロナで大袈裟に騒いで病院へ駆け込んだり、隔離されて仕事サボろうとしたがるな、ということである。

さらに、マスクに関しては、引き続き個人の判断にゆだねるが、発症した場合は、10日間はマスクの着用を呼びかけるらしい。

なるほど。マスクの人=「コロナかかって10日以内のやつ」という目印になるということだ。欧米かっ!

そんな5月8日、西日本新聞の朝刊にはこんな見出しがあった。

コロナ、いつ「普通の風邪」に 「5類」移行 ウイルス変異、なお要警戒 5月8日(月曜)西日本新聞

「いつ『普通の風邪』に」というから、私の感覚では、「コロナっていつから『普通の風邪』になってたの?予告通り今日から『普通の症状』しか発症させないウイルスに変異したの?てか、ずいぶん前から鼻水・咳・発熱という症状が一般的で、それって普通の風邪症状だったんですけど。一体全体どーゆーこと!?」という皮肉満載のツッコミなのかと思った。

ところが記事の内容は

「法律上の扱いは5類に移行したが、ウイルスがなくなったわけではない」
「普通の風邪とみなせるようになるには長期間が必要」
「普通の風邪コロナであるOC43は、19世紀末に出現してパンデミックを起こし『ロシアかぜ』として世界に広まった」
「コロナが社会に与える影響をほとんど気にしなくなるまでには長い年月がかかる」

等々、「まだまだ『普通の風邪』だなんて言わせない」という気概に満ちあふれているのだった。

だが驚いたことに、この記事ではコロナが「普通の風邪」になる条件として次のような見解が記載されている。

各個人が生涯で何度も感染をくり返すことで、社会全体が安定的に免疫を獲得する。その段階でようやく普通のコロナ並みになると考えられる。

……はぁ?結局、結論はそこ?

それなら、最初の注意喚起のあとは、体の弱い人に対して特に気を付けてくださいと伝えればよく、子どもや健康な若者も含めて全体が過剰に感染対策をする必要などなかった、スウェーデンの手法が正しかったと言わないと!その上、社会全体でのワクチン接種キャンペーンはまるで意味がなかったと批判しないと!

新聞は、どこまでもむちゃくちゃだ。

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「ワクチンの効果があった」と書けない朝日新聞

むちゃくちゃさに仰天したのは、5月6日の朝日新聞1面トップ記事だ。

コロナ下、国内死者13.5万人増 感染拡大後、地方で増加めだつ 流行前水準比 5月6日(土曜)朝日新聞

WHOがコロナ終了を宣言したことを受けて、朝日新聞が独自に死亡データを調査しているのだが、見出しは「コロナ下 国内死者13.5万人増」。

さも、コロナで13.5万人も人が死んだかのような印象を与えている。

ところが、グラフを見ると、コロナ騒ぎがはじまった2020年は、超過死亡どころか、例年より3.5万人も死者が減少。翌21年、22年になって倍々に積み重なっているのがわかる。

朝日新聞いわく、20年に死者が減ったのは「マスクの着用や外出自粛が進み、インフルエンザの流行が抑えられるなどした」という理由らしい。

ばかっ!ぜんぜん、ちがう!

国立感染症研究所に残されているデータによれば、インフルエンザの流行グラフがぽっきり折れて抑え込まれたのは、2020年ではなく、2019年の第52週(2020.12.23~12.30)である。

朝日新聞には、ぜひ、2020.12.22発行のライジングを精読いただきたい。ウイルス干渉によってインフルエンザが抑えられた科学的解説が書かれている。

インフルエンザが消えた時期、日本人はまだマスクをしていない。

一斉休校が行われたのは2020.3.2(第10週)から。緊急事態宣言による外出自粛がはじまったのは、東京、神奈川、大阪、兵庫、福岡などが2020.4.7(第15週)、全国では4.16(第16週)からであり、まったく関連性がない。

さらに、当時は限られた発症者にしかPCR検査が行われておらず、コロナの陽性者観測としてはかなりのデータ不足だった。この点を考慮して、インフルエンザの折れた時期から、本当の陽性者推移を予測すると次のようになる。

では、13.5万人増の死者、その死因はなんなのか?

朝日新聞の調べによると、顕著な死因は、「心筋梗塞や脳卒中などの循環器の病気」「肺炎など呼吸器の病気」「老衰」だという。

コロナじゃないのかよ!

びっくりだ。肺炎ですら、コロナ起因でないものが大多数であることは既にデータとして判明している。

武漢株の時期は、血栓症で擦りガラス状に白くなった肺のCT画像が多数報告されていたが、21年、22年以降になって、コロナ起因の血栓症でそれほど多くの人が死んだ報告はない。死後も全例PCR検査が行われ、コロナが原因でなくても「コロナ死」にされていたことが問題になったほどで、日本には、とりこぼされたコロナ死者がそんなにいるとは到底考えられない。

すぐに思い浮かぶのは、大動脈解離や脳出血などを引き起こすmRNAワクチンの被害だが、朝日新聞1面のこの記事では、ワクチンについては効果も被害も一切触れられていない。ワクチンを打ち始めてからのほうが、格段に死者が増えているというグラフを作ってしまったのだから、当然「ワクチンの効果があった」なんて書けるわけがない。

衝撃的なのは、関連記事として2面に掲載されていたグラフである。

国内の累計死者数と死因、そしてワクチン接種率を並べたグラフなのだが、これを掲載した朝日新聞は、なにも気づかないのだろうか?

わかりやすく色をつけてみると、恐ろしい相関関係が浮かび上がってくる。

ワクチンを接種しはじめてから、中央の累計死者数が、階段状に増えていくのがわかる。

特に顕著なのは、3回目接種率、4回目接種率、5回目接種率がそれぞれ急上昇する時期だ。循環器(心筋梗塞や脳卒中など)の病気で死亡する人が、接種率に呼応するように明らかに急上昇しているのである。3回目接種の時期など、不自然なほどの突出ぶりに身の毛もよだつ。

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黙りこくり方が凄まじい副反応検討部会のオンライン会議

だが、朝日新聞の記事には、この不自然なグラフに、ワクチンとの相関関係を見いだす様子は一切ない。死者が予測を上回った理由については、

複数の要因が絡んでいるので、全容の解明は難しいが、地域の事情も含め、コロナの間接的な影響があったのだろう。

などとする研究者の意味のない意見で記事を締めている。

複数の要因はもちろん絡んでいるが、全容の解明が難しいのは、前代未聞のワクチンの被害について、厚労省と副反応検討部会が黙りこくっているからである。

4月28日に、基礎疾患を持つ1歳男児が接種後に死亡した事例について、副反応検討部会でオンライン会議が行われた。その動画を見たが、黙りこくり方が、もはや凄まじい。

2023年4月28日開催 第93回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会

厚労省の役人から、「死亡時、画像診断や剖検は実施されなかった」「ワクチン接種と死亡との時間的前後関係はあるが、因果関係を推定できる医学的証拠はなく、両者の間の因果関係を評価することはできない」という早口の説明がなされる。

その後、出席者に対して意見を求めるのだが、10人も出席しているのに、全員が黙りこくってなにも発言しようとしないのだ。体を椅子にあずけてしまったり、爪を噛んだりして時間を過ごしはじめる人間もおり、厚労省側から再度、「……えっと、乳幼児の症例等につきまして、よろしいですか?」とうながされても、まだ全員が無表情に黙りこくって、一切無反応のまま!

結局、声を出す人間すら現れず、役人が「……は、はい、どうもありがとうございます」と仕切って終わってしまった。

その後、もう一度仕切り直されて、乳幼児への接種に対する意見を求めると、1人が挙手したものの、死亡した1歳児の基礎疾患について、「大変難しい代謝性疾患だと存じますけども、本症例のみからは判断することはなかなか難しいかなと考えております」と、あらかじめ提示されている資料に書かれていることを短く述べただけ。質問さえなく、あっさり終了した。

一体なんのために会議をしているのか。

顔を出しているだけで、なにも発言しない怠慢な専門家などさっさとクビにして、まともな人間を1人でも連れてこいと言いたいが、なにも発言しないでいてくれるほうが厚労省にとってはご都合がよろしいのだから、こうなってしまう。

副反応検討部会とは、副反応によって死亡した赤ちゃんの事例について、完全にスルーするために集められただけなのだ。

副反応検討部会の酷さについてもっと知らしめろと言いたいが、そんなことはしそうにない。

朝日新聞は、自分たちが煽ったコロナで、いかに死者が増えたかを強調するための見出しを打ち、読者を誤認させ、一方で「……ということは、ワクチンが効いていなかったのではないか?」という重要な疑問については、厚労省と一緒になって黙りこくって、見て見ぬふりをするという欺瞞に満ちた記事を書いているだけ!

グラフを作ってみたら、ワクチンとの相関関係が見てとれるものが出来上がってしまっているが、そこにスポットを当てることなどできないから、検証だけは絶対にしない。

「全容解明は難しい。わからない」で、もやっとした「コロナという恐怖」のなかにすべてを葬りたいだけなのだ。

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「モーニングショー」玉川徹ご立腹の理由

さて、系列のテレビ朝日はというと……

モーニングショーの玉川徹は、4月19日の放送では、基礎疾患を持つ人や高齢の人にとっては「今でも気をつけないといけない病気」とし、「自分で備えるしかないですから、5類になるから」「(感染者数の発表は)ゴールデンウィーク明けから1週間に1回しか(行われなくなる)。これには僕は非常に腹立たしい思いを持ってます」と息巻いていた。

体の弱い人にとって、「風邪をひくと大ごとになるから用心したほうがいい」というのは昔から庶民の常識だし、あらゆる病気は自分で備えるしかないのが当然だと思うが、とにかく感染者数の発表が行われなくなると、番組の視聴率を支えてきた“ドル箱ネタ”が消滅することになるから、腹が立つのだろう。

5類格下げになるや、猛然と怒りの反厚労省特集を組むのかと思いきや、5月8日の放送ではウクライナ情勢などに時間を割き、コロナ5類に関しては番組終了間際のわずか10秒で「今日から新型コロナの感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザと同じ5類になりました」というお知らせをアナウンサーに読み上げさせただけ!なんのコメントもなく終わらせるという酷い流し方であった。

日本のマスコミは絶対に検証しない。

海外で訴訟がはじまっても、それを取り上げる望みは薄い。

日本は過去に、重大な薬害が指摘され、世界中で使用禁止になった薬物サリドマイドを大衆薬として販売しつづけたことがあった。薬害を調査した研究者からの警告も無視して、捏造論文まで作って販売を続けたのだが、ようやく問題が明るみになり、新聞が騒いだのは10年後のことだ。

さしずめ、新聞社内の世代交代による変化、というところだろうか。

やはり日本にジャーナリズムはない。個人の力で事実を書き残していくしかない。

(『小林よしのりライジング』2023年5月9日号より一部抜粋・文中敬称略)

2023年5月9日号の小林よしのりさんコラムは「『サザエさん』を〈伝統的家族〉と思い込むカルトな自称保守」。ご興味をお持ちの方はこの機会にご登録ください。

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【著者】 小林よしのり 【月額】 ¥550/月(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜4火曜日 発行予定

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