木原誠二官房副長官の妻の元夫が怪死した事件と家族ぐるみで殺人事件を計画し犯行に及んだと思われる札幌ススキノ頭部切断事件。今回のメルマガ『施術家・吉田正幸の「ストレス・スルー術」』で、著者の吉田さんは、 この2つの事件から見える近年の家族のありかたについて探っています。
「あなたを待っていてくれる人はいるか?」
2018年に再捜査が行われた、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さん(享年28)の“怪死”事件。
マスメディアもボチボチと報道し始めた。X子さんの取り調べを担当した警視庁捜査一課の佐藤誠警部補(当時)が7月28日に記者会見を行うなど、新たな展開を見せている。
要は本当に「自殺」なのか、それとも「他殺」なのかが知りたいところ。そして、警察が何かを隠しているのではないかという疑念が沸き起こっている。
詳細はネットを見て頂くとして、いたたまれないのは被害者遺族で「家族の死」というものを弔いたいのはやまやまだ。
そして、札幌ススキノ頭部切断事件から1か月が過ぎた。謎の多い猟奇的な事件。逮捕された家族3人の素顔が徐々に見えてきたという。しかもその動画が見つかったというから驚きだ。
被害男性の頭部が見つかったのは、親子3人が暮らしていた自宅の浴室で、動画は、その浴室で撮影されていたという。映っていたのは被害男性の頭部。そして、手袋を着用した人物が頭部を触っている様子が記録されていたという。
動画の撮影者や頭部に触れていた人物について、警察は親子3人のうちの誰かとみているが、今のところ、分かっていないらしい。切断した頭部を撮影するという信じがたい行動。
日テレニュースでは、考えられる理由を犯罪心理学に詳しい専門家に聞いていた。
奈良女子大学 岡本英生教授によると、「普通の恨みのレベルを超えていた(可能性)。激しい恨みがあって、自尊心が回復できるというのなら、抵抗感なく触る可能性がある。変わり果てた姿を見て、うっぷんをはらすとか」
これを家族ぐるみで決行したというのだ。
この二つの事件には、「家族の縮図」が根本には横たわっている。どこか遠い世界の出来事でもなんでもなくて、毎日顔を合わせている家族間での出来事だ。家族の在り方をひとつのテーゼとして考えてみたい。
この記事の著者・吉田正幸さんのメルマガ
家族って何だろう?
今の日本で典型的な家族構成は、「一人暮らし」が40%弱、「夫婦と子ども」が25%、「夫婦のみ」が20%、「男親または女親と子ども」が10%弱、「3世代など核家族以外の親族世帯」が7%ほどらしい。
1960年代の家族形態はどうだったのだろう?僕は1966年生まれなので昔を思い出しながら調べてみた。
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世帯の家族類型別の構成を見ると, 1960年で 最も多いのは 「夫婦と子どもから成る世帯」 であ り,全体の38.2%を占めていた。 三世代同居の 世帯を含む「その他の一般世帯」 (30.8%) がこれに次いでいた。
つまり、3世代比率が30.8%から7%に減った。
これで一体、何が変わったのか。
一昔前なら当たり前だった、親と同居する夫婦や、祖父母・両親・子どもの三世代が同居する「三世代世帯」は大幅に減少している。その一方、生涯結婚を選択しない単身者が増えたり、離婚や再婚を経験したりするひとも珍しくなくなった。
また、子どもをもたない夫婦は増加傾向にあり、事実婚やひとり親、同性同士のカップルといった家族のかたちに対する社会的な認知度は高まりつつある。
しかも、今はスマホ含む個人が個人の好きなものを好きなように観る時代・・・。
この加速化している個的な家族の在り方というものは、今後更に加速していくのか、鈍化していくのかわからない。しかし、三世代家族の在り方はもう望めないような感じだろう。(『施術家・吉田正幸の「ストレス・スルー術」』2023年8月5日号より一部抜粋、この続きは8月分のバックナンバーをご購入の上お楽しみください。その月の全ての号が届きます)
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