今や専門店も多数あるガチャガチャ。大人も子供も夢中になるその魅力と急成長の秘密を今回の無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で紹介しています。
急成長のガチャガチャ市場を読む⇒『ガチャガチャの経済学』
『ガチャガチャの経済学』小野尾勝彦・著 プレジデント社
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、現在急成長中のガチャガチャ業界のビジネスを、一般社団法人日本ガチャガチャ協会代表理事の小野尾勝彦さんが紹介した一冊。
著者は、1965年「ガチャガチャ元年」生まれで、29歳の時、玩具や雑貨のメーカーである株式会社ユージン(後に株式会社タカラトミーアーツに改称)に転職した人物。
まだ同社の社員数が18名、ガチャガチャ部門に至ってはわずか3名の時代からガチャガチャに関わっているということで、まさに業界の「生き字引」です。
本書では、ガチャガチャビジネスがどうやって進化してきたのか、その歴史と商品アイデアの変遷を振り返ります。
それに伴って、どう客層が変化してきたのか、どんな会社がどんな商品を投入してきたのか、しばらくガチャガチャから遠ざかっていた人でもわかるように、丁寧に解説されています。
現在のガチャガチャは、以前に比べると高単価の商品であり、グローバル化、キャッシュレス化も進んでいます。
ガチャガチャの「今」を知ることで、今後のトレンドや投資チャンスも見えてくる、そんな本になっています。
現在は、毎月300シリーズ以上の新作が出されているということで、ひょっとしたら近いうち行き詰まるのかもしれませんが、他業界の方にとっては、発想豊かなガチャガチャの商品アイデアに触れることで、新商品のアイデア、ヒントが見つかると思います。
ぜひ、読んでみてください。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
去る2023年6月8日、「東京おもちゃショー2023」の会場で、2022年度のカプセルトイの市場規模が一般社団法人日本玩具協会によって発表されました。その数字は過去最大の610億円。2021年度が450億円でしたので、前年比で35.6%ものアップとなりました
ガチャガチャと並んで近年人気の高いクレーンゲーム(UFOキャッチャー)の市場規模は2230億円(2021年、日本アミューズメント産業協会)
カラオケ業界の市場規模は、3年にわたるコロナ禍によって半減し、約580億円(2021・22、業界動向サーチ)
近年増えている「ガチャガチャの森」「ガシャポンのデパート」「ガシャココ」「ガチャステ」「#C-pla(シープラ)」「ドリームカプセル」「ガチャ処(どころ)」などのガチャガチャ専門店が推定で500店舗ぐらいあります。また、ガチャガチャの中身をつくっているメーカーは現在約40社まで増えています
ハピネットが2023年1月に発表した「カプセルトイの大人需要実態調査」によると、女性の場合は20代の51.9%、30代の50.3%が、大人になってからカプセルトイを購入していると答えています
この10年間は、著名キャラクターに頼らないガチャガチャオリジナルの「ノンキャラもの」、あるいはそもそもキャラクターに頼らない雑貨やミニチュアなどの比重が増えています
専門店の経営者などにヒアリングしたところ、都市部のショッピングモールやアミューズメント施設などからの出店要請は引き続き高水準であること、次のステップとして郊外のロードサイド店舗への進出の可能性など、まだまだ成長する余地は残されているようです
再生産は基本的になし。見かけて欲しくなったらその場でゲットしないと永遠に入手不可能
ユニークな商品を見つけたときの驚き、見事コンプリートしたり、めったに出ないレアアイテムをゲットしたりしたときの喜びをインスタグラムなどに投稿する
「レバーを回す」「何が出てくるかわからない」。この2つの要素が変わらないかぎり、ガチャガチャの未来は変わらない
累計1億8000万個売った「キンケシ」の大ヒット、「コップのフチ子」の誕生、カリモク家具とのコラボ、ガチャガチャ専門店の誕生、新規メーカーの参入…。
やはり、伸びている業界は動きがあって面白いですね。
成長著しいガチャガチャビジネスに参入・投資したい方、ガチャガチャ製品からアイデアをいただきたい方、ぜひ、読んでみてください。
ひさびさに元ゲーム業界の血が騒ぎました(笑)。
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