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マンションの「自治会」って何をするところ?入らなきゃダメなの?

マンションに入居した際に「自治会に入ってください」と言われることってありますよね。しかし、自治会ってそもそも何をしているのかよくわからない…という人も多いのではないでしょうか。今回のメルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では、一級建築士及びマンション管理士の廣田信子さんが、マンションの自治会について詳しく伝えるとともに、活気のある自治体の例を紹介しています。

素朴な疑問。マンションの自治会って何のためにあるの?

こんにちは! 廣田信子です。

自治会って何のためにあるの?

マンション住民で特に何もやっていないけど入らなくちゃいけないの?と聞かれます。

そもそも自治会は何をするところなのか…です。

ある地方公共団体の説明では、

「自治会は一定の区域内に住んでいる人々によって構成される任意団体です。民主的・自主的に組織された独立団体であって、行政の下部組織や末端組織ではありません。」

とあります。

さらに、

「住民の声を行政に届けたりするなど、行政とのパイプ役として公共的な性格も持ち合わせています。」

と。

でも住民の声を伝えるのではなく、大体は自治体からの連絡を伝える役割ですよね。

広報活動、防犯・防災活動、環境美化活動、親睦・交流活動等が具体的にあげられています。

さらに、

「自治会の効率的な運営を行うためには、班編成や専門部の構成などの内部の組織づくりに工夫が必要で、どこに、どんな人が住んでいるかを把握し、自治会に加入してもらうよう活動することが基本。役員を交代しても、円滑に自治会を運営していくためには、例えば、一部の役員を再任して新体制とのつなぎ役とするなどの工夫が必要。日頃から自治会を担ってくれる後継者の育成に努めることも大切。そして、計画が、現在どんな状態になっているかを把握し、問題点があれば反省を加え、状況に応じた評価と反省をすることが大事です。」

と。

何だか、読んだだけで頭がくらくらしてしまいます。

これじゃ、民主的、自主的な組織とはいえないですよね。

アメリカには、自治会的なものに、「コミュニティ」だけでなく「ネイバーフット」という言葉を使います。

「ネイバーフット」は「そこに住んでいる人がお互いに顔が分かる程度の付き合い」で、「ご近所さん」に相当するもののようです。

「ネイバーフット」は、ある地域に居住する住民ボランティアによる私的組織で、生活の質にかかわる問題に対処することを第一の目的としています。

住民の加入は基本的に任意であり、強制もありません。

自治体のネイバーフット協会への対応は様々ですが、多くは、定期的に市と話し合いを行っています。

自治体は、ネイバーフット協会の自主性を尊重しながら、困ったことは助けるという体制ができていると言います。

私は25年ほど前にアメリカでネイバーフット協会の会合に参加しました。その時の自由な雰囲気が印象に残っています。

日本の自治会も、活動は自由で、マンションの課題を市と調整するようなネイバーフット型の活動ができればいいのにな~と思います。

それが、住民の生活の質を高めるなら、活動にも意味があります。

新しいマンションから変えていきたいと思いますが、一度できた組織体制は簡単には壊れません。

でも、発想を変えて、取り組むこともできます。

自治会はつくらなければいかないもの、あれも、これもやらなくてはならない、と考えずに、自分たちの生活を豊かにするための活動をするそんな自発的なものになればいいのに…と思います。

行政から、自治会は活動資金もらうから、行政の仕組みの通りにやらなくてはと本当は考える必要はないのにな~と思います。

私がいる自治会は、会長がどうすればみんなが自主的に参加するかを考え、かなり自由に活動しています。

それが魅力で、マンション外の方が多数加入され、行政にも頼りにされています。

柔軟にやればできるんですよね。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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