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【朗報】一人暮らしの高齢者は「ペットを飼う」ことで“認知能力の低下を抑制できる”という研究結果

一人暮らしの高齢者の認知能力低下は「あること」をすれば抑制されることが研究で判明しました。もりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、高齢者の認知症リスクに注目した研究を紹介しています。

単身者は、ペットを飼うことで認知能力の低下が抑制されることが判明

◎要約:『単独生活を行っている場合には、ペットを飼っていると認知能力が保ちやすくなる可能性がある』

ペットを飼うこと(家族やパートナーとして迎えること)は、精神症状の軽減やPTSDの療養等に有効であることが指摘されてきました。

今回は、特に単独で生活している場合の認知能力と、ペット飼養との関連を調べた研究をご紹介します。

Pet Ownership, Living Alone, and Cognitive Decline Among Adults 50 Years and Older

50歳以上の成人におけるペット飼養、単独生活、認知能力低下

50歳以上の7,945人(平均66.3歳、56.0%女性)が研究に含まれました。

単独生活、非単独生活者における認知能力とペット飼養との関連(時間経過での認知能力の変化)を調べています。

結果として、以下の内容が示されました。

・単独生活者においては認知能力(言語認知、言語記憶、言語流暢性)の低下を抑制していました。

・他の人と一緒に暮らしている場合には、認知能力の経過に明らかな影響を与えていませんでした。

特に単独生活者と非単独生活者で結果が異なっている点について、生き物の存在が人間にとって大切であることを感じさせて、興味深い結果でした。

単独生活と認知症リスク

◎要約:『地域で単独生活を行っている場合には、他者と生活している場合と比較して3割程度認知症発症のリスクが高い可能性がある』

昨日はペットと暮らすことで単独生活の認知症リスクが軽減されるという内容をご紹介しました。

今回は、単独生活の場合の認知症リスクが実際どのくらいなのかを調べた研究(メタ・アナリシス)をご紹介します。

Living alone and risk of dementia: A systematic review and meta-analysis

単独生活と認知症リスク

単独生活と認知症発症との関連を調べた12本の研究が分析の対象となりました。

複数の研究の結果を統合し、単独生活の認知症発症に与える影響を算出しました。

結果として、以下の内容が示されました。

・今回分析の対象となった研究全体のデータからは、単独生活を行っている場合、認知症発症の相対的リスクは、1.30倍となっていました。

・特にバイアス(研究結果の偏り)が少ないと思われる研究に絞ると、認知症発症の相対リスクは1.31倍となっていました。

認知症発症に関して、様々なリスク因子がある中でも、単独での生活は比較的影響の大きな要因であると思われました。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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