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有吉弘行が怒った芸能人家族“盗撮”で売上が1割上がる週刊誌の現実…現場の記者たちは何を考えながら取材しているか?

お笑いタレントの有吉弘行さん(50)が、妻で元フリーアナウンサーの夏目三久さんや子どもとのファミリーショットを週刊誌に“盗撮”されたとXで抗議。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんによると、今回の異議申し立ては芸能マスコミにかなり“効いている”ようです。どういうことなのでしょうか?

有名税に物申す。有吉弘行が週刊誌の“盗撮”に苦言

有吉弘行が、『FRIDAY』が掲載した麻布台ヒルズをショッピング中のファミリーショットに怒り心頭の様子です。

盗撮をして。
一般人の写真を載せたり
生後数ヶ月の子供の写真に
未成年の犯罪者みたいにモザイクかけてまで
掲載。まあイヤでしょ。
週刊誌の人って家族いないんですね。スゴっ
これ訴えると倍返しなんですよね。怖っ!

と『X』に投稿しました。さらにーー

土下座しますし
芸能人の情報タレコミますし
お金もある程度払います
命令、要求なんでも従いますので
どうか家族の盗撮やめてください。

とも。これにSNSでは、

「プライベートはそっとしておいてあげてほしい」
「有吉さんがここまで言うなんて…」

と同情しきりです。

記者やカメラマンにも家族はいるが、写真を撮れねばクビになる…

30年以上も週刊誌の現場にいた私から言わせてもらえば、これは「雑誌が売れるから載せる」という、単純明快な理由からです。

芸能ファンの中にはこういう“家族ネタ”に敏感な方たちが間違いなくいて、通常の売上の1割近く数字が伸びるのです。

待ってました!と手を伸ばす読者の方や、中にはこんな時代ですから、有名芸能人ファミリーが出没したと、ショッピング・スポットやレストランの情報を、画像や動画付きでタレ込んでくる輩もいます。

私たち記者やカメラマンも人間ですから、父親であり母親であり、夫であり妻です。“クソ”呼ばわりや“人でなし”と言われ、心が痛まないわけではありません。一方、指示を出す側に従わなければ“替わりはいくらでもいる”存在なわけなのです…。

週刊誌側の細かい“自主規制”とは?見た目が怖かった私の場合…

私には記者時代、有名芸能人の子供に関しての取材は、編集部から一定の“縛り”がありました。

それは変えようのない、私の外見…見た目が相手に威圧感を与えすぎるからという理由でした。

例えば、私が誰かの子供の登下校に密着したとしましょう。それが第三者から見れば取材には見えず、誘拐の疑いをかけられてしまう可能性があるから…という編集長の判断からです

保護者や学校関係者、通行人から通報でもされようものなら、編集部は大ダメージだからでしょう。

ですからよくある、学校の運動会や入学&卒業式といったイベントでの取材は、私には御法度だったのです。

福山雅治、賀来賢人も抗議。変わり始めた芸能マスコミの意識

これはあくまで私の個人的感想ですが、有名芸能人ファミリーに関する取材は、今から3年程前の福山雅治のラジオでの“告発”や、賀来賢人のインスタグラムへの投稿から、少しづつですが空気感が変わったような気がします。

福山はーー

「ちょっともう、一線どころかずいぶん超えたところに来ちゃったなと思っていて…」
「芸能人の場合は、撮られちゃうんですよ。報道の自由の名の下に、“これは掲載されて仕方ないんです”と。でも“僕たち家族が我慢していればいいだけの話だから、我慢しようね”って言うのは、違うだろうと…」

賀来はーー

「盗撮するのは100万歩譲って許します。しかし、もし次、私の子供を盗撮した記事を例えモザイクをつけたとしても、載せた場合、私は本当に怒ります。もうやめてくれませんか?」

これ以降、芸能マスコミの取材は、どこか“及び腰”になっているような感じがするのです。

“報道の自由”、“個人情報の保護”、“人権”、好奇心…いつの時代も取材の在り方が問われるテーマではありますが…。

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プロフィール:芋澤貞雄

1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

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