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あなたが知らない「青春18きっぷ」のちょっとした知識をまとめてみました

この夏、お得な「青春18きっぷ」で旅行してみたいな、と思う人もいるのではないでしょうか?今回の鉄道・軌道系無料メルマガ『Magazine de Station』では、著者のM.Gさんが青春18きっぷのちょっとした知識を紹介しています。

青春18きっぷ ちょっとした指南書2024年版

今年も間もなく「青春18きっぷ」夏のシーズンが到来しようとしています。このきっぷ自体は春にも発売されている(今年は恐らくシーズンごとの発売発表になったものとみえて冬のシーズンについては「発表待ち」です)のですが、夏が一番使用期限が長いから、ということで、毎回「夏シーズン」前に「ちょっとした指南書」を出すことにしています。

なお、シーズンごとの発表になったことに対する「考察」は前回行いました。

【関連】廃止じゃなくてよかった!青春18きっぷの発表が遅れたのはなぜ?

「青春18きっぷ」は御存知の方は御存知の通り原則として「JR」の「普通列車」に対して有効な乗車券です。ここでいう普通列車とは「スピードに対する対価を何ら必要としない列車」のことだと考えてください。つまり特急券や急行券が別途で必要になる列車に乗車するは乗車する区間に対して有効な乗車券が別途必要になります。

普通列車といっても所謂各駅停車の列車だけではなく快速・新快速・特別快速・区間快速・その他「○○快速」の類も含めての話です。首都圏を走っている列車に連結されている「自由席グリーン車」であれば自由席グリーン券を別途で買えば乗車可能です。また「SLやまぐち号」や「おいこっと号」など指定席券が必要になる列車(主に臨時列車であることが多いですがJR西日本の一部新快速や「マリンライナー号」など定期列車も存在します)なら指定席券を購入すれば乗車可能です。「ホームライナー瑞浪号」「ホームライナー大垣号」など乗車整理券が必要になる列車も乗車整理券を別途で購入すれば乗車可能です。

例外として「この区間内のみで特急列車を利用するならば特急券を必要としない」という特例が設けてある区間であれば特急列車に乗車できます。
具体的に言うと次の5か所ですね。

  1. 石勝線の新夕張駅~新得駅間
  2. 室蘭本線の室蘭駅~東室蘭駅間 ※石勝線の当該区間を走る「おおぞら号」「とかち号」と室蘭本線の当該区間を走る「すずらん号」は全車指定席なので「普通車指定席の空席」を利用することになります。
  3. .奥羽本線の新青森駅~青森駅間
  4. 日豊本線・日南線・宮崎空港線の宮崎駅~宮崎空港駅間
  5. 佐世保線の早岐駅~佐世保駅間 ※3から5の三か所は自由席の車両のみを利用することになります。

「本線側がJRから第三セクターの会社に移行したために孤立した状態になってしまったJRの路線」に乗り継ぐための特例区間は次の通りです。

いずれも「この間の駅では下車しない=改札口から外へ出ない」という条件を守ることでこの区間の運賃は支払わずとも済む区間となります。

  1. 奥羽本線から八戸線へ乗り継ぐための青い森鉄道の八戸駅~青森駅間
  2. 奥羽本線から大湊線へ乗り継ぐための青い森鉄道の野辺地駅~青森駅間
  3. 八戸線から大湊線へ乗り継ぐための青い森鉄道の八戸駅~野辺地駅間
  4. 高山本線から氷見線及び城端線へ乗り継ぐためのあいの風とやま鉄道の富山駅~高岡駅間
  5. 高山本線から七尾線へ乗り継ぐためのあいの風とやま鉄道の富山駅~倶利伽羅駅間およびIRいしかわ鉄道の倶利伽羅駅~津端駅間
  6. 氷見線及び城端線から七尾線へ乗り継ぐためのあいの風とやま鉄道の富山駅~倶利伽羅駅間およびIRいしかわ鉄道の倶利伽羅駅~津端駅間
  7. 北陸本線から越美北線へ乗り継ぐためのハピラインふくいの敦賀駅~越前花堂駅間

本州から北海道に渡る・逆に北海道から本州に渡る際は「北海道新幹線オプション券」を別途購入して津軽線の津軽二股駅→北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅~木古内駅→道南いさりび鉄道の木古内駅~五稜郭駅→函館本線へと乗り継ぐこととなります。なお道南いさりび鉄道の途中の駅では下車することが出来ません。

因みに伊勢鉄道など「JRの列車が途中で乗り入れることがある会社の路線」は当該の会社の路線にかかる運賃が別途で必要になります。例えば名古屋駅から紀勢本線の津駅以南の駅=松阪駅・多気駅・伊勢市駅など=まで快速「みえ」を利用する場合は伊勢鉄道の河原田駅~津駅間の運賃が別途で必要になります。

※これが嫌であれば関西本線で亀山駅まで行って亀山駅から紀勢本線に乗り継ぐという手を使えば解決します。

JR西日本宮島フェリーは宮島訪問税を別途支払えば乗船可能(宮島訪問税がかかるのは宮島行きの便のみ・つまり宮島口行きの便は宮島訪問税は不要)です。JRバスはJR東日本の直営である大船渡線及び気仙沼線のBRT、JR九州バスの日田彦山線BRT以外は乗車不可能です。

※国鉄時代からそうですが連絡船は運賃を求める際の距離を鉄道側に加算しての通算が出来たのに対して、バスは独立採算(通過連絡といって前後の国鉄の路線の距離を通算することならできたのだが)だったということが未だに響いています。

フリー乗車券という性質上当たり前ですが「再乗車するのは降りた駅からでなければいけないわけではない」ので、例えば「東海道本線で山科駅まで来て京都市営地下鉄東西線で六地蔵駅まで移動して六地蔵駅から奈良線に乗る」も可能ですし、「湖西線で近江今津駅まで来て西日本JRバスで上中駅なり小浜駅なりまで移動して上中駅なり小浜駅なりから小浜線に乗る」もまた可能ですし、もっと極端なことを言ってしまえば「大阪駅から関空快速で関西空港駅まで行って関西空港から飛行機で新千歳空港まで移動して(新千歳空港到着が青春18きっぷに押印されている日付印の日付のうちであればという条件は付きますが)新千歳空港駅から千歳線に乗り継ぐ」もまた可能です。

何れにしろ地下鉄やバスや飛行機の運賃が別途で必要なのは言うまでもないですけどね。

では、この辺で(^^)/~~~

image by: Shutterstock.com

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【著者】 M.G 【発行周期】 不定期(ほぼ月刊)

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