中国でも高い人気を誇るベンツ、BMW、アウディ。6月に大幅値引き販売を展開した3社ですが、ここに来て思わぬ騒動が巻き起こっているようです。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』は今回、BMW販売店が「叩き売り期間中」に契約した購入者に対して、納車時に追加料金を要求する事例が相次いでいることを報じた記事を紹介。同社に対する中国消費者の印象が極めて悪化している事実を伝えています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:BMW中国、極端な値下げ終了後に「販売店納車拒否」騒動炎上
BMW中国、極端な値下げ終了後に「販売店納車拒否」騒動炎上
中国でも人気のベンツ、BMW、アウディのいわゆるジャーマン3(中国ではBBA)が2024年6月、そろってたたき売りを始めた件で大きな動きがあった。
ほとんど半値にもなる投げ売り状態を3社は2024年7月中盤、一斉に放棄、値上げに転じ始めた。
そうした中でBMWの販売店では多くのトラブルが起きている。
値下げ期間に契約したにもかかわらず、値下げ終了後の納車時に追加料金を請求されるケースが多発している。
何が起きている?
BMWのi3、ix3、3シリーズで特に納車時に追加料金を要求されるケースが目立っているようだ。
その追加料金は3万元(約60万円)にも達しており、当然のことながら多くの契約者から不満の声が上がっている。
中国トレンド入り
2024年7月21日、中国SNS上のトレンドに「BMW販売店納車拒否」が上がり、より注目を浴びるようになった。
ちょうど同じころ、BMWも公式見解で、「現在の中国自動車市場の競争はあまりにも激しく、2024年後半、中国市場においては業務の品質を重点的に注目、販売店の着実な経営をサポートしていく」と発表。
幅広く騒動に
これを受けて、多くの販売店が値上げを開始、結局追加料金なしでは納車拒否という運動につながったという。
BMWによる追加料金なしでは納車拒否は中国全土に広がっているようで、一方で、詳細に見ていくと、地域やケースによって理由が異なる。
例えば減産のために納車が遅れる、これを早めるには追加料金が必要、や、突然の値上げにより事務処理が対応できないため追加料金が必要、など。
どちらにしろBMWに対する中国消費者の印象は極めて悪化している。
苦戦する中国市場
2024年1~6月、BMWは傘下ブランド含め、販売台数は前年同期比0.1%減。BMW本体に限ってみれば2.3%増となったが、中国市場では同4.2%減と急減している。
この状況を打開しようとした半値に近い値下げ攻勢だったと思われるが、それを解除した後の混乱も含め、販売増につながったとも思えず、むしろブランド価値を毀損している、というのが中国現地の見方。
前を向くしかない
ある意味では中国市場の異常な雰囲気における犠牲者ともいえるBMWだが、戦略が定まっていない実情は間違いない。
とにかく、値下げ攻勢を撤回、価格を修正する過渡期間に起きた今回の騒動だが、どのように終結するかは見通せない。
ただし、BMWとしては特にBEVにおいて今後も加速、プラットフォーム「Neue Klasse」に基づく商品ラインナップの拡充を急いでいる。
出典: https://auto.gasgoo.com/news/202407/22I70399642C501.shtml
※CHINA CASEは株式会社NMSの商標です。
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