前回の記事で、ホンダと中国の国有自動車メーカー東風汽車との合弁外車「東風ホンダ」の苦境について紹介した、日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』。今回、そのホンダよりも厳しい販売台数となっている「外資」を紹介しています。トヨタ? VW? 一体どこなのでしょうか?
ホンダよりもっとヤバい外資
ホンダが中国の生産力3分の1を削減、ホンダの中国における苦境ぶりを明らかにする報道が出たが、中国にはもっとやばい外資が存在する。
数年前はトヨタ、ホンダをしのぐ、独VWに次ぐ外資メーカーの代表格だったGMだ。
新エネルギー車(NEV)が急速に普及する中国では、この分野にあまり強みのない外資はいずれも苦戦しているが、この米国メーカーほど厳しいところはない。
18年の年間販売200万台
合弁の上汽GMでは、ビュイック、シボレー、キャデラックの三つのブランドを展開している。
2018年は実に年間200万台を中国で販売する、強者だった。
それが2024年1~6月、上汽GMの販売台数は前年比50%減となる22.5万台にとどまった。
年間50万台前後のペースとなり、わずか6年前の全盛期の4分の1である。
さすがにここまでの急落は他の外資では例がない。
ビュイックも凋落
シボレーはすでに数年前から死に体であり、完全にビュイックを中心とするようになった上汽GM。
そのビュイックも、エクセル、エクセルGT、リーガル、ラクロス、エンビジョンと言ったそれを代表する車種も凋落が著しい。
なかなか販売台数ランキングで目にする機会も減ってきている。
唯一の頼みが中国高級ミニバンの代表格GL8だが、この分野はすでにBYD騰勢(DENZA)「D9」が不動の一位を築いていおり、やはり劣勢だ。
キャデラックも厳しい
唯一可能性があるとされるのがラグジュアリーブランド、キャデラックだが、それも昨今の値下げ風潮に追随、3分の1から4分の1の価格で叩き売って、何とか命脈を保っている、という感が強い。
例えば最も売れている中型セダン「CT」は、定価28.97~34.17万元だが、北京では8万元下げて、エントリーでは20万元そこそこ。
一部の車種は最安13万元まで値を落としたことがあるとされ、すでにラグジュアリーとは呼べないほど。
対策打ったものの。。
もちろん上汽GMも手をこまねいるばかりではない。
トヨタがTNGAで名を挙げたように、上汽GMも「アルティウム」を打ち出したり、ビュイックからはEVシリーズ「E」を出したりしている。
「E」は一時期販売好調の情報もあったが、それも結局は長続きせず、現在では埋没しているのが実情。
NEVの流れの中で負けた、というよりは、その流れに加えて、ガソリン車としても、その性能や、デザイン面で外資各社に負けた、という方が正しいようだ。
出典: https://mp.weixin.qq.com/s/Okov45nNay0h7rYGwfrt7w
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