6日、日本の岸田首相は韓国を訪れ、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領らと会談しました。韓国の大統領がユン氏になってから、日本と韓国の関係は改善したように見えます。果たして、海外メディアは今回の会談を通して日韓関係をどうみているのでしょうか? 今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、香港の有力紙の記事による中国と日本を比較した韓国の調査結果を引用しながら、日韓関係のあり方について解説しています。
改善される日韓関係
岸田首相とユン大統領の最後の会談が行われました。
ご存じのようにユン大統領になって日韓関係は劇的に改善しました。香港サウスチャイナモーニングポスト紙の9月6日の記事をみて見ましょう。
「自動車からビール、衣料品まで、韓国人が日本製品を購入、両国関係の改善で需要が急増」
日本の車やビール、ウイスキー、衣料品などの製品は、2019年の消費者ボイコットから回復し、両国の関係改善と円安を背景に韓国で再び人気を集めている。
日本車は、現代自動車や起亜自動車が支配する韓国市場ではまだ小さなシェアを占めているが、近年、販売を拡大している。トヨタ自動車やレクサスなどの日本車の月間販売台数は、昨年同月比で31%増加した。
韓国の日本製ビールの輸入は今年1月から7月までで前年同期比で約70%増加し、日本のウイスキーの輸入も同期間に約50%増加した。韓国税関のデータによる。
2019年以降、一部の店舗が閉鎖を余儀なくされた日本の衣料ブランド「ユニクロ」も、2023年8月に終了した会計年度で売上が31%増加した。
最近の調査では、20代・30代の韓国人回答者の57%が日本に対して好意的な見方をしているのに対し、中国に対して好意を持つ人は10%にとどまっている。
解説
日本の好感度が上がっているのは中国との比較においてという面もあるでしょう。
韓国人が中国を嫌う理由には、いくつかの要因があります。
韓国は長い間、中国の影響下にあり、属国として扱われてきた歴史があります。この屈辱的な扱いが、根深い反感を生んでいます。
特にTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備を巡る問題で、中国が韓国に対して経済的な制裁を行ったことが反感を強めました。韓国企業が中国市場での活動を制限されたり、K-POPが締め出されたりすることがありました。
そういった状況の中で特に若い韓国人の日本への好感度が上がっているのです。
さらに記事は続きます。
セジョン市の住民で「パク」とだけ名乗る男性は、「日本の国民性は嫌いだが、日本の自動車技術に対する信頼があるため、トヨタのカムリ・ハイブリッド車を購入した」と語る。
「これらは別の問題だ」と彼は述べ、フルネームを明かすことを避けた。日本を嫌う一部の韓国人から批判されることを懸念しているためだ。
ソウル在住の60代のマリア・ファンさんも、8月下旬にレクサスのハイブリッド車を購入した際、日本に対する世間の感情を気にしなかったという。「歴史に縛られたくない」と彼女は語った。
ファンさんはまた、円安のおかげで日本に旅行する機会が増えたと述べた。
今年の最初の7か月間で、日本への韓国人旅行者数は前年同期比で約40%増加し、過去最高の520万人に達した。
2023年には、韓国から日本への訪問者数が前年の6倍以上に増加し、隣国への外国人訪問者数の中で最大のグループを占めた。
解説
やはり実際に日本人と接する機会をもった人は、従来の反日教育に対して疑問を持つようになるのでしょう。
インバウンド観光客の急増に反対する意見もあるようですが、経済的にも政治的にも彼らを大事にしていきたいものです。
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(『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』2024年9月8日号より。この続きをお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録ください)
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