「中国+イラン+イスラム諸国の団結化」という脅威。日本はイニシアティブを取れるのか?

Rome,,Italy,-,March,22,,2019:,Xi,Jinping,,China's,President,
 

世界中を驚かせた。イランによるイスラエルへの約200発のミサイル発射報道。今後、世界の大国は中東の紛争にどう関わってくるのでしょうか? 最も警戒すべき動きは、中国、そして露、北の出方です。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、香港の有力紙『サウスチャイナモーニングポスト』の記事を引きながら、緊迫した中東情勢と今後の中国の関わり方について詳しく解説しています。

中国は中東問題にどう向き合うつもりなのか?

イランがイスラエルに向けて約200発の弾道ミサイルを発射しました。

イスラエル、ネタニヤフ首相は報復を誓っています。

米国の意向を気にするイスラエルですが、ネタニヤフ首相は、米国のバイデン大統領の政治力・仲介力のなさを見越しているようです

もう一つのスーパーパワー、中国がイラン・イスラエル関係を仲介する可能性はどうでしょうか? 

ご紹介するのは香港サウスチャイナモーニングポストの記事です。

記事抜粋
ワシントンにあるシンクタンク、スティムソン・センターの中国プログラムのディレクターであるユン・スン氏は言う。

「ガザ危機は、中国が自ら平和の仲介者としてアピールしているにもかかわらず、イスラエルとパレスチナ問題において影響力を行使できていないことを示しています」

「中国の平和仲介の不在は非常に際立っています。サウジアラビアとイランの関係修復を通じて中国により多くの期待をしていた人々にとって、ガザ危機は中国の能力の欠如を浮き彫りにしました」

スン氏はさらに、「中国がイスラエルとの信頼を欠いているため、和平仲介者として成功するのは難しい」と指摘しています。

解説

中国が仲介することは難しそうです。それでは、中国はこの問題にどのように向きあうのでしょうか? 

記事抜粋
欧州大学の国際関係教授アヴダリアニ氏によると、中国にとって重要なのは、「イランがあまりに弱体化しないこと」です。

「中国の対応は、イスラエルとパレスチナの間で以前の比較的中立的な立場から、より反イスラエル的な立場へのシフトを強調している」とも述べています。

「中国は現在、パレスチナやレバノン、イランへの支持を優先すべきだと考えています。」

「全体的に見て、中国は今や立場を明確にしなければならず、特にこの立場はイスラム世界全体での支持を得るためのものです」と述べました。

解説

今後、イスラエル、ガザ紛争において中国がイラン・イスラム側につくと国際的に大きな勢力になります。

すでに多くのイスラム諸国は、中国の「一帯一路」構想に参加しており、経済的な結びつきは強いです。このため、イスラム諸国は中国の人権問題に対する批判を控える傾向があります。

もし中国+イラン+イスラムという勢力が形成されれば、そこにロシアと北朝鮮も入るのが自然です。冷戦の米ソ対立以上のブロック化が起こります。

大きな作用には大きな反作用が起こるのです。

そのためにはイスラエルを含めた西側諸国の対応が大事です。

今はアメリカが頼りになりません。

日本は西側の中では宗教的にも特別な立場であり、そこでイニシアティブをとれる可能性はあるのですが…

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大澤 裕この著者の記事一覧

・株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン 代表取締役社長  ・情報経営イノーベーション専門職大学 客員教授 ・法政大学大学院イノーベーションマネジメント研究科 兼任講師 慶應義塾大学を卒業後、米国バンカーストラスト銀行にて日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学でMBAを取得後、家業の建築資材会社の販売網を構築するべくアメリカに子会社を設立。2000年、ピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。海外のエージェントとディストリビューターを使った販路網構築・動機づけの専門家として活動を行っている。2015年「中小企業が『海外で製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」を、2017年「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」をダイヤモンド社から上梓。

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