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値上げをしたらもう戻れない。飲食店が値上げを決意する前にすべき3つのこと

値上げを一度してしまうと、下げることができません。ですから、値上げを決行するには慎重な調査が必要ですよね。外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんは、今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』のなかで、飲食店が値上げ前にやるべき3つのポイントを語っています。

飲食店が値上げ前にやるべき3つの事

値上げは下げられません。

しかし!

単純値上げだと既存店客数が落ち込む可能性もあります。

これの顕著な例がケンタッキー。既存店客数が減り続ける中で反面値上げを行なっていました。

値上げで既存店売上を維持できている時はまだギリギリよかったのですが。。

今期は遂に値上げではクッションのできない既存店客数のマイナスになっています。

既存店売上:99.7

既存店客数:91.4

既存店単価:109.0

今年の4月には既存店客数が「80.9」まで落ち込みました。

もちろん販管費は上がり続けているので、既存店売上がマイナスになってしまうと利益は吹き飛んでしまいます。

実際、同社で営業利益は前年比で7割近い減少。

そのため、「値上げはすべきだが慎重に」の発想はセット。

では値上げする前に何を行うべきか。簡単にできるのが3つあるので、そこはお願いできますと幸いです。

1)正しい理論原価と実際原価の差異を把握

2)強化商品の選定

3)粗利ミックス商品の選定

■正しい理論原価を出せてますか?

意外と毎月理論原価を追っていない企業さんが何気に多いです。

単品原価率を出しているので、「理論的には◯%のはずですが。。」みたいなやつですね。

しかし全ての商品の原価率が全部同じなんて面白くないですよね。

50%みたいな目玉商品もあれば、15%みたいなびっくり粗利商品も。

それぞれをバランスよく販売し、粗利を増やしていく訳です。

その考え方が、下記です。

交差原価率=単品原価率×売上構成比率

縦軸→全商品

横軸→売価、原価、原価率、出数、売上構成比率、交差原価率

こう並ぶエクセルを作ってください。

これで交差原価率の総和を出すと、それが「今の売れ筋に合わせた正しい理論原価率」になる訳です。

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■理論原価率と実際原価率の差異

理論原価率:33%(上記エクセルより)

実際原価率:36%(試算表より)

ロス原価率:3%

もしこうなった時にやるべき事は、全体に値上げじゃないですよね。この3%の差異を調べていく事です。

今年のご支援先も色々とありました。

・夏場の厨房が暑く廃棄の多いラーメン業

・人により歩留まりの差が生じるとんかつ業

・在庫過多により廃棄の多い蕎麦業

・ちょっとずつ多く盛っていた焼肉業

などなど。色んなケースはあれども、

・廃棄ロス

・ポーションロス

・歩留まりロス

・商品開発ロス

・賄いロス

・サービスロス

基本的には上記に集約されてくる訳です。

最初は同業種で展開していても、店別で理論原価率もバラバラですし、ロス原価率もバラバラになります。

しかしちゃんと上記の数値を追っていけば、必ず改善していくので、その背景で仕組み化とノウハウ化。

ここを形にしたいですね。

■強化商品のおすすめ

同業態を展開されるご支援先。

A店:20.6%

B店:23.7%

C店:22.7%

D店:27.5%

E店:21.9%

・・・

同業態なのにかなり大きな差異です。一つ目のロスはほぼありませんでした。

では何故ここまでの差が生じたのか?それは「売っている商品の差」でした。

・おすすめドリンクの強化

・粗利の良い商品の訴求

・〆まで提案するおすすめ力

主にこの3つ。

交差原価率高=単品原価率低×売上構成比率高

このヒットカテゴリーに当てはまっていた訳です。

月間組数辺りでどこまでその該当商品の販売ができるか。

これはある種「接客力」が試される部分でもあります。

属人性があるのも事実ではありますが、接客を重視するブランドならば、乗り越えていきたい一つです。

■粗利ミックス商品の展開

強化商品もやり切った。

その次にできるのがフェアメニュー、月替わりメニュー、新商品などの切り口でできる粗利ミックス商品の展開です。

お客様が食べられるグラム数は決まっています。大体500g程度になってくるので、この500gの中をどう組み立てるか?ですーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2024年9月2日号より一部抜粋、続きはご登録の上、9月のバックナンバーをお求めください。メルマガは初月無料です)

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image by: Shutterstock.com

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関西学院大学卒業後、新卒で船井総研に入社。当時史上最年少にてフード部のマネージャー職へ。その後事業承継と起業を行い、 京都にて外食・中食業態を複数経営しつつ、多くの企業をサポート。事業規模は年商2,000万~1兆円企業まで幅広いです。外食/フードデリバリーが専門領域なので、それについての情報を書いています。

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