中居正広がついに白旗をあげ、芸能活動引退を正式に発表した。フジテレビも開局以来、最大の危機に直面している。文春砲第4弾は、いったいどんな爆弾を投じたのか?一部ではあの「プチエンジェル事件」との関連を疑う声もあがっている。
中居正広が芸能界からの引退を正式発表
元SMAPの中居正広(52)が23日、自身の有料ファンクラブサイトで芸能界から引退することを正式に発表した。
「中居くんをいじめないでください!」「中居くんが渡邊渚に何をしたっていうの?」国民的人気MCに降って湧いた“SEXスキャンダル”に、ファンから悲鳴が上がって1カ月あまり。
9日の声明では「今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」としていたが、『だれかtoなかい』や『中居正広の土曜日な会』などレギュラー出演番組をすべて失い、すでに事実上の活動休止状態になっていた。
中居はこの日の報告で、23日をもって芸能活動を引退するほか、個人事務所の「のんびりなかい」も残務処理後に廃業する考えを示した。「これで、あらゆる責任を果たしたとは全く思っておりません。今後も、様々な問題に対して真摯に向き合い、誠意をもって対応して参ります」としたうえで、「こんなお別れで、本当に、本当に、ごめんなさい。さようなら…」と別れの言葉を綴った。
中居を討ち取った「文春砲第4弾」がフジ港社長を追い詰める
さらには天下のフジテレビも、中居の性加害に組織的に関与した疑いからCMスポンサーの撤退が相次ぎ、開局以来最大の危機に陥っているのは周知のとおり。
この一連の急展開に多大な影響を与えたと考えられるのが、22日に電子版が公開された文春砲第4弾「中居正広SEXスキャンダル第4弾 フジテレビ・港浩一社長は被害者X子さんに謝罪しなかった《最後の面談では上機嫌で…》」。港社長の“真相隠ぺい会見”(17日)のウソや、業務の一環として行われてきた“女子アナ接待”の実態を暴き、さらに“日本の暗部”にまで迫った記事だ。
追及4弾のポイントについて、芸能ライターが説明する。
「まず印象的だったのは、フジテレビ港社長の驚くべきサイコパスぶりです。先日の会見では、中居がトラブルを起こした2023年6月時点で会社として問題を認識していたとの説明でした。
にもかかわらず、港社長は昨年8月、退職の挨拶に訪れた被害者女性X子さんに対し、トラブルのことには一切触れず、終始笑顔で応対したとのこと。現場の社員をモノか奴隷のように扱う人間でなければ、この状況で“円満退職ヅラ”はできないはずです。
さらに、過去に女子アナを大量動員して定期的に開催された港社長主催の飲み会『港会』のハレンチぶりについて、元フジ幹部が証言したのも大きいでしょう。ただでさえ批判が多かった会見内容への信頼が、これによって完全に崩壊しました。
中居にX子さんを“上納”したとされる編成幹部A氏を、なぜフジは厳正に処分できないのか?多くの人が疑問に感じる点だと思います。これは要するに、港社長自身が“女子アナ接待”で組織をのし上がってきた人間であるため、その伝統を受け継ぐA氏を全力でかばっている、という構図のようで…。先の会見での『女子アナ接待はなかったと信じたい』が聞いて呆れてしまう話です。
さらに今回の文春砲では、“元”ではない現役フジ幹部の証言がこれでもかと掲載されているのも注目点のひとつ。つまりフジ内部に情報提供者がおり、文春側がほぼリアルタイムで社内事情を把握していることがハッキリしたのです。この状況で言い逃れを続けるのは不可能なため、中居は一足先に観念して芸能界引退を決意したんでしょうね。港社長にしても、進退を問われるのは時間の問題ではないでしょうか?」(芸能ライター)
各誌報道によると、港社長は一連の疑惑について今月10日、「社長として全力で(社員の)皆さんを守ります」という旨の全社同報メールを送信している。だが文春を見るかぎり、実際には編成幹部A氏のような人間だけが“守りたい社員”だったようだ。
被害者女性X子さんは中居から性加害を受けた後、弁護士探しに苦労したとされる。相手が“あの中居正広”とあって、芸能関係に強い弁護士が怖じ気づいてしまったためだ。いっぽう、加害者の中居には、フジテレビと付き合いが深く『ワイドナショー』にレギュラー出演していた犬塚浩弁護士がついた。その扱いには雲泥の差があった。
守秘義務を守りながら中居“討伐”を完了した「X子さん」
いずれにせよ、フジテレビに反港社長派の内通者が存在している時点で、元フジ渡邊渚アナとも目されるX子さんが「守秘義務を破って中居を週刊誌に売った」との疑いは明確に否定される。
なにせ、これまでX子さんは文春に対して「具体的にどんなトラブルがあったのか」を一切、明かしていない。彼女はただ、自身の体調や、一連のトラブルに対する悲しみや怒りの感情を言葉にしたにすぎないからだ。
X子さんはあくまで匿名のまま、守秘義務を遵守しながら、中居のタレント生命を終わらせ、さらに自分を守ってくれなかった会社への復讐を遂げようとしている。
そして文春は、X子さんの知人やフジ関係者に丹念な取材を積み重ね、中居引退や港社長のスキャンダルを橋頭堡として、いよいよ“日本の暗部”に斬り込んでいくつもりらしい。テレビ制作関係者が指摘する。
「記事タイトルだけではわかりにくいのですが、今回の文春砲は『親会社フジ・メディアHDに対する総務省官僚の天下り問題』にも、かなりの紙幅を割いている。この点が極めて重要だと思います。中居がザコ敵、港社長が中ボスだとすれば、総務省はラスボス級の強敵。そこに斬り込むとなれば、テレビ業界自体がひっくり返る恐れすらあるのです」(テレビ制作関係者)
SEXスキャンダルを引き起こした“ラスボス”総務省の闇
文春がついに“ラスボス”の総務省にケンカを売った――。たしかに重大局面なのだろうが、“SEXスキャンダル”と比べると、どうしても理解が難しくなる印象だ。「自分たちに関係ない中居やフジテレビの話で騒ぐな」という著名人もいて、この問題をどう捉えるべきか迷っている人も少なくないだろう。
これに関して、先のテレビ制作関係者が指摘する。
「中居・フジ・そして総務省の問題は、いずれも私たちの生活に密着した問題なんですよ。まず、ここでいう天下り問題とは、簡単にいえば、放送局を指導・監督する総務省の官僚(役人)たちのために、テレビ局やその関連企業が“美味しい役職”を用意して会社に迎え入れることを指しています。
不正、汚職、犯罪の類ですが、これによって、総務省の官僚たちは退官後も労せずして高収入が約束されます。いっぽう、テレビ局はそれと引き換えに、放送免許の更新時に審査を甘くしてもらったり、今回のような“SEXスキャンダル”が出たさいにも見て見ぬふりをしてもらったりします。
こうして、総務省の役人たちは老後の安泰を、テレビ局の老害上層部は“セクハラし放題”の職場環境を手に入れます。でも、その陰ではX子さんのような若者が性加害などの犠牲になっているわけです。
自分自身や友だち、我が子がX子さんのような目に遭わされたら、どう思いますか?文春は、このような天下りこそが、フジ腐敗の真の原因ではないか?と問題提起しています。
このことを理解すれば、たとえば、吉本芸人の千原せいじが言っていたような、“中居くんやフジのスキャンダルよりも重要な問題がある”“フジテレビの問題はあなたの人生には何も関係がない”“何も関係ない人間がわーわー騒ぐな”といった意見がまったくのデタラメであることがわかるでしょう。
公共の電波は日本国民共通の財産であり、これほど私たちの生活に密着した“問題”はありません。でも今まではみんな怖がって、誰も“魔王”を討伐できなかったのです。だからこそ、私のまわりの業界関係者はみんな、今回の文春砲を、ついに“ラスボス総務省”の城が見えてきたか…と固唾を呑んで見ています」(テレビ制作関係者)
【関連】「中居正広・フジテレビ追及国会」が暴くオールドメディアの特権と腐敗。「フジはつぶすしかない」元国税OBが断言する訳
古市憲寿氏の言葉が意味するもの
これがどれほど重大で、だからこそ政府が国民に興味を持ってほしくない大問題であるかは、たとえば社会学者・古市憲寿氏(40)の最近の言動からも、間接的にうかがい知ることができる。
「古市さんは、若手民間有識者として主に安倍内閣で重用されてきた人物です。フジテレビの報道バラエティ番組を中心にコメンテーターとして活躍し、中居とも盟友関係にありました」(ネットメディア編集デスク)
その古市氏が、昨年12月27日にX(旧Twitter)に投稿したのが以下のポストだ。
普段、人権といっているひとが(もしくは今回も人権を守るため、という正義感にかられた行動なのかもしれない)、勝手に妄想を膨らませて、誰かを断罪しようとする行為は、端的に言って醜いと思う。
時期的に、文春の報道姿勢やそれを称賛する世論を批判し、中居・フジを擁護する意図の投稿だったのは間違いない。あえて「何が」を明記しないのは古市流で、投稿が人々の反感を買ったさいに「『友だちの結婚式のお祝いメッセージを考えていた』などと反論できる余地を残している」(ネットメディア編集デスク)のだという。
逆に言えば、中居・フジ問題は、機を見るに敏の古市氏が炎上覚悟で“火消し”に走らなければならないほどの一大スキャンダルだった、ということだ。
ちなみに古市氏、きのう1月22日のXでは、中居にこんな“注文”をつけている。
せめて中居さんには、何があったのか、自分の言葉で説明して欲しい。SMAPは国民的スターだった。当然、そのリーダーも国民的スターだった。もしも国民的スターが、何かトラブルを起こして、テレビを去ることになるなら、きちんと「国民」の前で、自分の言葉で、何があったのかを語って欲しい。このままフェードアウトしようなんてずるいよ。
引退発表の前日、中居から届いたお詫びのメッセージを受けてのものだ。1カ月も経たない間に古市氏に何があったのか。この投稿もまた、中居やフジテレビが置かれた厳しい現状を物語っている。
あの「プチエンジェル事件」との関係は?
今回の文春砲では、トラブル報告を受けた佐々木恭子アナ(52)が被害者のX子さんに、「仕事は休んでいい、給与は払い続ける」旨を申し出た、というくだりも注目を集めている。
これは平時なら大変、魅力的な申し出に違いない。だが、X子さんはそれをよしとせず、フジを退職してフリーになる道を選んだ。先の芸能ライターが指摘する。
「中居に傷つけられたX子さんからすれば、『フジテレビという檻の中で、性処理ペットとして一生を過ごしなさい』という悪魔の提案に聞こえたのではないでしょうか?性加害を受け、どこにも逃げ場がない中、会社に飼われ続けるというのは想像を絶する恐怖だったでしょう。
X子さんは、勇気を出して会社を飛び出すことができて本当に良かったと思います。もしフジの言いなりになっていたら、どうなっていたことか――。というのも実は今、非常に気になる動きが起きているんです。
実は年明け以降、フジテレビの一連の疑惑と、あのプチエンジェル事件の関連性を疑う声が急増しています。SNSやYouTubeのほか、検索エンジンの関連トラフィックも明確に増加している。今どきの若者はこの事件を知らないはずで、純粋にオーガニックな増加とも思えません。それなのに一体なぜ……と様々な憶測を呼んでいます」(芸能ライター)
プチエンジェル事件は今から20年以上前、2003年7月に発生。東京都赤坂のウィークリーマンションで児童買春デートクラブが運営されていたところ、犯人の男は練炭自殺。小学6年の女子児童4人が保護された事案だ。犯人のアパートからは料金表のほか顧客名簿が押収され、そこには大物政治家や芸能関係者の名前もあったと噂されるが、大半が偽名という理由で捜査打ち切りに。さらに、真相を追っていたフリーライターの男性が不審死を遂げるなど、いまだ謎が多い事件とされている。
「噂を詳しく調べると、どうやらプチエンジェル事件で取沙汰された某大物芸能関係者は、若き日のフジテレビ港社長とツーカーの仲だったはずだ、という分析が一部で出ているようです。もっとも、テレビ関係者は顔が広く、どんな人脈でも繋げようと思えばたいてい繋がってしまうので眉唾物ではありますが……水面下でそのような解釈があるのは事実なのです」(前同)
やはり、中居の芸能活動引退表明は“終わりの始まり”に過ぎないのか。総務省の天下り問題も含めて、いよいよ今後の動向から目が離せなくなってきた。
【関連】フジテレビ日枝久が「中居正広」よりも恐れる「もう1つの暗部」…ダルトンもすでに把握、「反社会的勢力との手打ち疑惑」に重大関心
image by: フジテレビ