年金や所得税、住民税がこんなことに…意外と知られていない「勤続年数」の罠

2025.02.03
by MAG2NEWS編集部 NK
A Japanese male office worker, tired from a late-night workday, lounging on his sofa after returning home.A Japanese male office worker, tired from a late-night workday, lounging on his sofa after returning home.
 

とりあえず3年働く」という声はよく聞きますが、なぜ「3年」なのでしょうか?一通りのスキルを身につけたり、経験を積むためには3年くらいかかる…という意見もわかりますが、3年続ける方が従業員にとって得というのが法律的に明らかになっています。なぜ得なのか、詳しくお話しします。

「3年続ける方が得」なのはなぜ?

Young Japanese businessman working indoors

何が得なのかというと「確定拠出年金」の面。確定拠出年金は、「勤続3年以上の従業員には事業主が払った掛け金を全額従業員に帰属」(確定拠出年金法の第四条第一項七)とされており、法律で決まっているのは、「勤続3年以上の従業員には、事業主が払った掛け金を全額従業員に帰属させなければならない」ということだけ。

3年未満で離職した際は、労使間で年金規約に定められていない限り、これまでの掛け金を移すことができません。よって、3年以上務めた方が得と言われているのですね。

そもそも確定拠出年金ってなに?

確定拠出年金とは、私的年金制度のこと。確定拠出年金は公的年金とは異なり、加入は任意です。

加入者もしくは勤め先の企業が毎月定めた金額を積み立て、積み立てた資金を運用し、運用実績で将来受け取る年金額が決まります。プラスになればプラス、マイナスになればマイナス。加入者がリスクを負います。

確定拠出年金制度には企業が掛け金を負担する「企業型確定拠出年金(企業型DC)」と、個人が掛金を負担する「個人型確定拠出年金(iDeCo)」があり、本記事で触れている確定拠出年金は、「企業型確定拠出年金(企業型DC)」です。

企業型確定拠出年金は、掛金は企業が拠出します。この掛金を全額従業員に帰属するための条件が「3年以上務める」なのです。

確定拠出年金の額はどう決める?

企業が定める規定によっては、企業が拠出した掛け金に従業員が上乗せして掛金を拠出することも可能です。(マッチング拠出)

資産運用によって生じた利益は、全額が非課税となります。マッチング拠出は、加入者の掛金全額が所得控除の対象となるため、所得税・住民税が軽減されてさらにお得。ただし、原則60歳まで受取りができないので注意が必要です。

上限は、会社の掛金の額を超えない額で、かつ会社の掛金との合計で拠出限度額までとなります。

では、利用している人の確定拠出年金の額はいくらなのでしょうか?厚生労働省「確定拠出年金統計資料」によると、マッチング拠出の平均は、1人あたり8,200円/月となっていました。

「とりあえず3年」がいいのはなぜ?SNSの声






 

image by: Shutterstock.com

print
いま読まれてます

  • 年金や所得税、住民税がこんなことに…意外と知られていない「勤続年数」の罠
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け