「執着心」は、人の心や行動に大きな影響を及ぼします。人や物だけでなく過去の記憶など、執着していることで前に進めなかった経験は誰しもあるのではないでしょうか。そんな悪影響を与えてしまうような「執着心」は、どうすれば手放すことができるのか、メルマガ『【HSPの教科書】HSPアドバイザーが教えるHSPの生き方・働き方&質問回答集』の著者であり、HSPアドバイザーでもあるRyotaさんが「執着心」を手放す方法を伝授しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:「人生の執着」の種類と、片付けの心理
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手放すべき「執着心」と手放さなくて良い「執着心」の見分け方
今回は執着について。人は何かと執着し、固執するような気持ちを持ちやすい動物です。その証拠に、得たものを失いたくないでしょう。執着を諦める学問の代表的なものが禅。修業が必要になるほど、執着を手放すことは難しいのです。
そこで今回は人生の大整理。人生を片付けるような心理についてお話をします。執着すればするほど重荷が増えてつらくなるもの。皆さんも手放せるものを、一気に手放してみましょう。
人生で執着しやすいこと
わかりやすいのは以下の内容です。
- 過去の栄光
- 豊かさ
- 社会的地位
- 人間関係
- 身近な人間関係
- 長く続けたもの
- 自分のアイデンティティとなっているもの
どれも簡単に捨てられるものではありません。特にアイデンティティなど、自分自身の一部ですからね。捨てるなんてとんでもない!と思うでしょう。
では、真面目さがステータスになっていたらどうでしょうか。真面目さを捨てることはできませんが…。真面目なゆえに苦しむことも出てくると思います。悩みやすい環境を手放すか、それとも真面目さについて向き合うか。この二択は迫られるでしょう。
豊かさについても、年収やボーナスを捨てられないケースがあります。その仕事でボロボロになっていれば、豊かさを捨てられないからこそ幸せを失ってしまいますよね。
人生は「旅」にも例えられます。荷物が増えれば重くなってしまいますよね。その荷物が必要なものであり、しかも幸せにつながるものなら持っていて構いません。いくら周りの人が羨むものでも、幸せにつながらないのなら持っていても仕方がないのです。
実際に執着してボロボロになってしまう例を山ほど見てきました。わかりやすいのは「情で結婚」でしょう。明らかに問題のある人だった。
しかし、情で相手と別れられず結婚。そしてボロボロになり、結果として別れることになった…。というケースです。これも事実を見て、相手との関係性を諦めることができればボロボロになる必要はありませんでした。
私たちはついつい「何かを得ること」ばかり見てしまいます。何かを得るのと同じくらい。いや、それ以上に手放すことは大事なのですね。
もちろん、モノへの執着もあります。
- 今の住まい
- 憧れの車
のように、高額な内容がわかりやすいでしょう。
お得だからと、不便な場所に住み続ける人もいます。では、不便な場所に住んだ結果どうなるでしょうか。思うように仕事が見つからないかもしれません。
これも例があります。親が山奥に家を買い、その家が広いので一緒に住めることになった。しかし、その家に住んだため仕事を選べなくなった。自分らしいこともできなくなった。そして人生に不満が出た…。お金がかかっても、自分のやりたいことのできる地域に住んだ方が良かったでしょう。
このように執着から私たちは幸せを失ってしまうことがあるのです。まずは人生で執着しやすいものがある、という点から知っておきましょう。
項目のまとめ
- 人は損を嫌う性質がある。そのため、得たものや過去のことに執着しやすい
- 執着した結果、幸せを失ってしまうことがある
- 周りの人が羨むものだったとしても、自分の幸せに必要なければ執着することはない
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抱えていることで、つらくなるものは手放していい
執着が始まると…どちらかと言えば、感情的に手放したくない!と思います。それこそ、恋愛で既にギクシャクしている。別れた方がいい状態がわかっているとしましょう。この時に恋人への執着が発生することがあります。
すると、周りが心配して「別れた方がいいよ」と言ったとしても、反発してしまうのです。理屈じゃなくて感情で反発してしまうのですね。
そこで、冷静に手放した時の状況を考えてみましょう。今の恋人がこんな感じとしましょうか。
- 束縛、過干渉
- お金にだらしない
- 文句が多い
- 子どもっぽい
執着していた場合、抱えている時の状況を意識します。
- お金が貯まらない
- 自分らしい行動ができない
- つらくて泣いちゃう
その一方、多少は良さがあるかもしれません。
- 寂しさがまぎれる
- 趣味が似ている、笑えることもある
ここで天秤にかけるのです。手放すと嫌なことがこれだけ減る。一緒にいると、良さはこれ。
上記の場合、寂しさは他の方法でも解消ができるでしょう。趣味が一緒の人も見つかります。笑い合える人…というのは貴重ですが、友達がいれば解決するかもしれません。ということは、手放せる可能性があると言えるのです。
つらい仕事もわかりやすいですよね。抱えることで「多少の収入」「働いているという価値」が手に入ります。しかし、デメリットとして「ボロボロになる」「精神的に追い詰められる」などが出てきます。
なお、メンタルは命に関わります。メンタル的に悪影響であれば、自分の人生を台無しにするリスクが発生しますよね。たったこれだけでも、冷静に手放すことができるようになるでしょう。
ほとんどのことは頭の中だけで考えると失敗します。必ず紙に書いてまとめるようにしましょう。
豊かさや社会的地位も…周りからは一目置かれるかもしれません。承認欲求は満足するでしょう。その一方、続けられないのならいずれ手放すことになるのです。ある程度お金が貯まったら、自分のやりたい仕事に就く方が良さそうと言えますよね。
皆さんも執着している内容について、ひとつひとつ想像してみましょう。明らかに手放す方がメリットのあることがあるのです。
項目のまとめ
- 執着すると感情的に手放したくなくなる。この場合は論理的に考えることが大切
- 自分の健康に関わること。心の安定に関わることでマイナス面が強ければ、手放さないとボロボロになってしまう
- 冷静に考えるためには余裕も必要。一時的に休んで考える、という手段も取ろう
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手放す想像と手放す練習をしよう
割とあっさり、様々なこと…手放せる人と、手放しづらい人がいますよね。そのポイントは練習です。普段から手放すことができる人って、その度に手放す練習ができているんです。どちらかと言えば、細かいものに執着する人の方が、物事も手放しづらいでしょう。
例えばこんなこと。
- ビニール袋、紙袋
- 無料でもらえるもの
- 全く使っていないもの
- 思い出が特にない、昔のもの
もちろん、無料でもらえるものや、ビニール袋が悪い!ということではありません。使える程度にあったら十分だよね、ということです。紙袋も何かに使えるでしょう。
では、服のチェストケースに満杯ならどうでしょう。もう十分ですよね。この状態なのにさらに溜め込んでいれば、そのうち部屋いっぱいになってしまいます。
既にお話した「人間関係」や「過去の栄光」のようなものは、あまりに大きなものです。ここを整理整頓したいのなら、小さな内容を整理整頓できるようになることが大切。
まずは手放す練習をしましょう。手放すコツが「それを手放したらどうなるか」です。試しに紙袋が100枚あるとして、これを50枚にしたとしましょうか。100枚紙袋がたまった。ということは、もらう紙袋に対して使う紙袋が少ないんです。
どういうシーンで使うかも想像しましょう。ちょっとしたプレゼントを渡す時に使うのが定番でしょう。ということは、オシャレな紙袋以外は必要がないとわかります。
また、100枚を50枚にしたところで、実生活に何の影響もありませんよね。ビニール袋も同じです。どんどん増えているのなら、今後もたまる一方。捨てたところで、またたまるだけですから。手放したところで何の影響もありません。
この想像により、既に捨てたような感覚になるんです。私たちは想像から執着をします。
セール品を「帰宅後に買おう」と思っていたら、既に手に入れたと思い込みますよね。実際はまだ買っていません。その間に売切れたら「手に入れているはずのものがなくなった」と思ってショックを受けます。これまた、実際は何も変わってないのです。お金も使っていないのですから。
せっかく看護師の資格を取ったから看護師になった。でも看護師の仕事がつらすぎてしんどい…。これで、看護師の仕事を手放すとすれば「つらい仕事がなくなった」です。看護師の知識は他のことでも役立ちますよね。クリニックだけでなくて法人さんでも仕事は見つかります。家族に健康的なことで知識を使うこともできるでしょう。
そう思うと、大半のことは手放しても何とかなることに気づきます。
今の仕事がなくなっても、次の仕事を見つけるでしょう。手放す想像から、その先のことを考えられるようになります。すると、自然と具体的なことが思い浮かぶようになるのですね。この考え方も大事なこと。ぜひお試しください。
項目のまとめ
- 大きなことを手放すためには、小さなことを手放す練習から始めよう
- 手放す練習は手放す想像から。何となく溜め込んでいたものを手放したらどうなるか、考えてみよう
- 手放した先の想像ができれば、既に手放したのと同じような感覚になる
過去の思い出こそ、取り戻そうと思わない
過去に執着する人がたくさんいます。過去の体験について、やり直したい…のような気持ちを持ってしまいます。心理学では、過去と他人は変えられない、という話が定番。過去に戻って選択肢をやり直すことはできませんよね。
過去については「事実」として捉えること。その過去をステータスにしないことが助けになります。例えばプロ野球選手。プロ野球の現役を30代半ばで退く人がいます。その後で、サラリーマンになりました。サラリーマンで思うように仕事ができないと「プロ野球時代は良かった」と思うでしょう。
もちろん、野球をすればそれなりに活躍はできると思います。それはそれとして、そのプロ野球選手という点でマウントを取るようになれば、過去にしがみついています。
過去は「そんな経験もしたなぁ」です。過去の自分も自分自身ですが、私たちは今に生きていますよね。今の自分で「何を持ちどう生きているか」が大切。
私の知り合いでも過去の年収にしがみついていた人がいました。彼は良い企業に入って、20代前半で年収600万になったのが自慢です。しかし、その後は結婚の兼ね合いで仕事を転職。もっと年収が低い、地元の会社に入ったのです。
しかし、他人との会話中「負けている」と感じれば、その過去の年収自慢をするようになりました。彼は「周りは俺の年収に驚いている」と言っていたのですが、周りはあっけに取られていたのです。
今の自分にないものはステータスにできません。それに執着しても、結局は手元にないんです。昔、いい家に住んでいた!みたいに言っているのと同じでしょう。
他にも…つらいことについて執着するケースがあります。
- 親子関係が大変だった
- 貧乏だった
- 自由がなかった
などなど。どれもしんどいことですが、これも残念ながら取り戻せないことです。こういったネガティブな内容に執着すると、「これのせいで自分の人生はダメなんだ」という意見になります。
もちろん、影響がゼロとは言いません。親子関係なども大きな影響ですから。それはそれとして、今から幸せになるために行動しないと、自分が可哀そうですよね。
その過去に対して「もっと幸せになってやる」と、復讐心をーーー。(『【HSPの教科書】HSPアドバイザーが教えるHSPの生き方・働き方&質問回答集』2025年2月2日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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