橋爪功(83)の息子で、2017年に覚せい剤取締法違反で逮捕された橋爪遼(38)のインタビュー記事に芸能関係者がザワついています。なぜならこの薬物不祥事、周囲の関係者にまで甚大な被害をもたらしたため。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんは、思わず芸能界を引退した中居正広(52)の顔が思い浮かんでしまったと言います。
橋爪遼のインタビュー記事に芸能記者が思うこと
『Smart FLASH』が、2017年6月に覚せい剤取締法違反で現行犯逮捕、懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の判決を受けた橋爪遼(38)のインタビュー記事を掲載しています。
父・橋爪功(83)には、前妻との間に長男がいらっしゃるので、正確には次男ということになります。
“自分の存在価値がわからなくなった”…ざっくりと言えばこれが理由で覚せい剤に手を出した遼。現在は罪も償い、更生プログラムも受け、高知東生(60)らと依存症の啓発や予防教育に努めているようです。
また“依存症で悩み苦しむ人間をひとりでも無くしたい”思いで、フリーで俳優業に復帰もしていますが、今はアルバイト生活がメインという文面からは“役者としての仕事を下さい! 芸能事務所にも所属したいので連絡下さい!”という思いが伝わってきます。
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引退した中居正広の顔が思い浮かぶワケ
38歳になった近影からは、デビューの頃よりも父に似てきた風貌がうかがえますが、彼の写真を見て私が思い浮かべたのは、少し前に芸能界から引退した中居正広(52)の顔でした。
というのも、現在は橋爪塾を主宰し演出家として活動する義兄は、デビュー直後の『SMAP』のダンスレッスン・インストラクターを務めていた人物だったからでした。
遼が逮捕されたとき、東京・中目黒界隈は大騒ぎになりました。
というのも、EXILEや三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEらが所属する『LDH』の社長・HIROが、自身初めてのプロデュース作品として製作した『たたら侍』が公開中だったからです。
飛ぶ鳥を落とす勢いの『LDH』が、遼のクレジットは後ろの方とはいえ、覚せい剤取締法違反で現行犯逮捕された出演者の映画を、このまま公開し続けていいものかどうか…各方面の関係者と議論を重ねる日々が続きました。
結局、遼の出演シーンをカットし、上映館もそれまでの10分の1以下に減らして興行は続いたのですが、おそらくこんな記念すべき作品です、出演者も青柳翔やAKIRA、小林直己ですから、順風満帆にいっていれば興行収入も伸びていたはずでした。
『モントリオール世界映画祭』や『オークランド国際映画祭』で高評価を得ていただけに、遼の薬物不祥事は、億単位の損害をもたらしたと思われます。
実は当時、私はHIROの女性問題を密かに取材中でした。
粛々と重ねていた取材でしたが、この現行犯逮捕の一報が入るや否や、中目黒の本社には、連日のように関係者やマスコミが押しかけることになり、HIROの女性問題の取材どころではなくなってしまったのです。
危惧されるのは薬物売人の「甘い囁き」
さて、遼のこれからですが、やはりコンプライアンスの関係から、活躍の場は映画か、ストリーミング・メディア、舞台にといったフィールドの限られると想定できます。
遼はインタビューで、「ピエール瀧さんとか、薬物使用後に再起する方もいらっしゃいますよね~(中略)~自分も、そういう復帰を果たした一員になりたい、というのが本音」と語っていますが、私はこれに、強い違和感を感じてしまいました。
他にも、「10代で俳優をしていた頃って~(中略)~同世代の俳優よりは苦労せずに俳優に専念できていた」とも語っていますが、何だかとても楽観視し過ぎているような気がしてしまいます。
ピエール瀧の役者としての存在感と、父に橋爪功を持つ息子・遼の役者としての存在感は、較べること自体…一緒にすること自体が違うような…現実はそんなに甘くないでしょう。
罪を償い、更生プログラムも完了したとはいえ、犯した過去は消えるものではないです。
キャスティングする際の、明らかなネガティブイメージは、一生背負わなければいけない過去です。
すべてにおいて責任を持つ所属事務所も、出演させる製作スタッフも、オンエアするテレビ局や配給する映画会社…そして何より一般視聴者をクリアさせるのは、それほど容易ではないと思うのです。
薬物事件はこのブログでも何度も書いてきました。
私はそれと同様に、今はただ、“身近にいる、売人の甘い囁きに負けないでほしい…”と願うばかりです。
7年半前の、あの惨めな自分を思い出し、2度と周りの人間に迷惑をかけることを繰り返さないで欲しい…と。
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プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
image by: 橋爪遼(@ryo_hashizume1121) • Instagram