定期的に話題になる『嵐』リーダー、大野智(44)の“衝撃タトゥー”ネタ。大野のタトゥーは若い世代にとっても「びっくり」のようですが、芸能関係者からは「そこまでの驚きはない」という本音もチラホラ。なぜなのでしょうか?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。
芸能人のタトゥー、NHKも「条件付きでOK」
最近のマスコミはランキング企画が多いように思います。
データを集めた、オリジナルの“〇〇に聞きたい歌TOP50”とか、“世代別ランキング”とか。
特にテレビの若年層離れもあり、視聴率を獲れる新しい番組企画は難しいのかもしれません。
“昭和の歌姫”とか“〇〇時代の売り上げランキング”に登場するのは、私もドンピシャ世代ですが『夜のヒットスタジオ』や『ザ・ベストテン』などで活躍した、今どきのアーティストではなかなか見られない、地声の腹式呼吸で歌い上げる歌手たちの懐かしいVTRです。中高年層の視聴はそこそこですから、つくるのが簡単なのかもしれません。
そんな中、『ピンズバ』というネットニュースサイトで、10~20歳代男女に聞いた“タトゥーが入っていると聞いて驚いた芸能人”ランキングを見つけました。
グラミー賞やエミー賞、アカデミー賞を観てもわかるように、アーティストにとってのタトゥーは、力の源であり、自らのルーツと歴史を物語るものであり、ファッション・アートでもあるようです。
“このヤクザ風の方はどこの組所属…?”と、はるか昔に銭湯などで感じたおどろおどろしい“もんもん”(刺青)は、今や映画やドラマの中でしか見られなくなりましたし…。
日本でも、最近はファッション・タトゥーを見る機会が増えてきたように思います。テレビ的な基準としては、中継が入るライブは別として、なるべく肌を出さない衣装であれば歌番組も大丈夫、NHKでさえOKのようです。
宮沢りえ、ディーン・フジオカの「タトゥー秘話」
さて、この意外なタトゥーランキングのトップ3は――
第1位:『嵐』大野智
第2位:宮沢りえ
第3位:ディーン・フジオカ
とのことでした。
第2位が宮沢りえと聞いて、私の頭の中にすぐ蘇るのは、9年前の銀座カルティエ、グランドオープンのイベントです。
身にまとった5億円のジュエリーも目を引きましたが、彼女がそれ以上にファンやカメラマンを驚かせたのが、首筋に見えた折り鶴のタトゥーでした。
ファンの間からは、夫・森田剛とお揃い?なんて声も上がりましたが、彼女がこれを刻んだのは、2014年9月に急逝された実母の光子さんが亡くなった直後のことですから、私の個人的解釈としては“良くも悪くも宮沢りえを作ってくれたことへの感謝”だと思っています。
実の娘に、売れるためには何でもやらせた、宮沢にとっては名プロデューサーでしたから…。
第3位のディ―ン・フジオカに関しては、彼が朝の連続テレビ小説『あさが来た』で大ブレイクした直後に、某スタッフから、彼の左上腕部にタトゥーがあることをリークされたことを覚えています。
海外生活の長いディ―ンですから、彼にとってはごく普通の何でもないことだったと思いますが、所属事務所はタトゥーの存在を完全否定していましたね。
これは、『あさが~』で“五代友厚”役を熱演して主婦層を夢中にさせたディーンの、知的で清潔感溢れるイメージを守りたかったからだと想像できます。
ほぼほぼ毎日のように密着追跡取材していた私は、彼が通っていたボクシング・ジムのトレーナーからも情報を得ていましたから、間違いないです。
『嵐』大野智のタトゥー、芸能記者の間では「意外性なし」!?
そして見事(!?)第1位に輝いたのは、今年ライブ活動が噂されている『嵐』大野智です。
私が意外に感じたのは、「イメージと真逆でびっくり」とか、「意外性ありすぎ」という“10~20歳代男女”のみなさんのコメントでした。なるほど、若い世代にとって驚きだったんだな、と。
芸能記者目線で言えば、“大野のタトゥー”は“さもありなん”。とくに意外なことではなく、むしろ当たり前――というのが正直な感想になるからです。
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『嵐』大野智のタトゥーと、故・ジャニー喜多川氏の思想
ジャニーズ事務所が存在していたころの所属アイドルたちをみれば、それは一目瞭然でしょう。
宮沢の夫・森田を筆頭に、木村拓哉、元『TOKIO』長瀬智也、元『NEWS』手越祐也、かつての『関ジャニ∞』渋谷すばる…彼らには堂々と刻まれたタトゥーがありました。
もう“スーパーアイドル『嵐』の大野智”じゃない…と宣言するかのようなタトゥーには少々残念な気もしましたが、それでも別に驚くようなことではないと、私は思うわけです。
故・ジャニー喜多川氏は、“アイドルとしてのあるべき姿”や“ファンに対する接し方”に厳しい人でしたが、タトゥーに関しては比較的寛容だったこともあるかと思います。
ロサンゼルスのダウンタウン出身のジャニーさんにとっては、アメリカ人気質こそが自分の本質でありネイティブであるという、独特の観念があったのだと思います。
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宮沢やディーンといった役者たちは、必要に応じてメイクさんがタトゥーを上手に隠してくれる場合もあるでしょう。
歌手たちは、テレビ収録の際だけ、タートルや首まで覆ったり、手首まで隠れる長袖や、胸元をしっかり隠したシャツやジャケットで、見える箇所を最小限にする工夫が見えますね。
旧ジャニや辞めジャニ、それ以外でも最近の人気アーティストたちの、男女問わず“隠れタトゥー探し”をしても、結構楽しめるかもしれませんね…。
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プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
image by: Japanese Station, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons