東京地裁は25日、文部科学省による世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への「解散命令」請求について、請求通り「解散命令」を出す判断を下したとTBSはじめ各大手メディアが速報で報じた。民法上の「不法行為」を理由にした解散命令請求に対する初の司法判断となった。「民法上の不法行為」が「法令違反にあたる」と判断されたことになる。
請求のきっかけは、2022年7月に起きた安倍晋三元首相の銃撃事件。信者家庭が困窮に陥る高額献金が表面化し、宗教法人を所管する文科省が2023年10月、教団に対する「解散命令」を請求していた。
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報道によると、文科省は遅くとも1980年ごろから高額献金の要求や霊感商法が教団によって繰り返され、教団の賠償責任を認めた判決が32件あるとし、和解や示談を含めた被害規模は約204億円(約1550人)に上るとしていた。
東京地裁では、これまで国と教団から意見を聞く「審問」が非公開の形で4回おこなわれ、2025年1月に実質的な審理が終結。東京地裁は文科省、教団双方へ25日に裁判所へ来るよう伝えていた。
教団側は「献金は宗教活動の一環だ。コンプライアンスを指導した2009年以降、献金などに関する苦情は激減しており、組織性、悪質性、継続性はない」と反論している。
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行政機関が「法令違反」を根拠に解散命令を請求したのは、地下鉄サリン事件などを起こしたオウム真理教と、最高幹部が詐欺で有罪判決を受けた明覚寺に続き3例目で、刑事事件で立件されていない民法上の不法行為を根拠とするのは初となる。
解散命令が確定すると、解散を命じられた宗教法人は法人格を失い、税制上の優遇措置を受けられなくなるため、今後は教団の「地下組織化」なども懸念されている。
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