ウクライナ戦争で国際社会がロシアを非難するなか、元首相夫人・安倍昭恵氏がプーチン大統領と笑顔で接する姿が報じられ、日本中に衝撃が走りました。メルマガ『佐高信の筆刀両断』の著者で辛口評論家として知られる佐高さんは、昭恵氏を取り巻く過去の不可解な言動と、それに加担した周囲の人物たちの実態を改めて検証しています。
迷惑千万な安倍昭恵
夫婦でプーチンに利用されているのを見るのは苦々しい限りである。
安倍晋三と昭恵のことだ。
ウクライナに侵攻したロシアを全世界で避難しつつ、休戦にも持ち込まれなければならないのに、昭恵がプーチンに会って花束を渡されたシーンが世界中をかけめぐった。
今度出した『玉木、立花、斎藤、石丸の正体』(旬報社)の「佐藤優の立ち位置」の項に私はこう書いた。
「先日、ロシア外務省がトヨタ自動車会長の豊田章男や国際協力機構(JICA)理事長の田中明彦らを無制限で入国禁止にした。
ウクライナ侵攻で日本政府が発動した対ロ制裁への対抗措置としてである。
では、入国を禁止されていないのは誰か? ロシアの覚えめでたい鈴木宗男や佐藤優である」
今回、プーチンと昭恵の会談の実現に鈴木や佐藤が実際に動いたのかどうかは知らないが、この元首相夫人はまことに迷惑な存在である。
森友学園問題の時も昭恵を証人喚問せよという声があったが、今回も喚問すべきだろう。
愛国を叫ぶ彼女が、それに反することをしている。
かつて、霞が関に「安倍昭恵夫人を囲む女性官僚の会」なるものがあり、極めて評判が悪かった。
この会には各省の女性の審議官や課長らが集まり、昭恵を囲んで懇談する。しかし、これに本当はみんな行きたくなかった。
某省では大臣官房から「悪いけど、キミ、行ってくれないか」と指示が降りてきて、半ば業務の一環として40代後半の女性課長が出席することになった。
行ってみたら、会場には民間企業の女性管理職やベンチャー企業の女性管理職も少なからずいた。
「女性官僚の会」ではないのかと違和感を覚えていると、昭恵が彼女のお気に入りという芸術家を連れて来ていて、その作品の即売会が始まった。
集まった女性経営者たちが争って、高額なその作品を買う。昭恵にごまをすろうと思ってだろう。
出席した女性課長は想像を絶する異様な光景に面食らった。後日、そのありさまを聞いた男性課長は渋い表情で、こう言ったとか。
「そもそも首相夫人を囲む女性官僚の会があるだけでも相当おかしなことなのに、その場で会もうけのようなことをしてはまずいでしょう」
こんな勘違いを昭恵は国内だけでなく、国際的にやったわけである。勘違いを増長させたのは聖心の先輩でもある曽野綾子などだった。
そして、何よりも、世襲、裏金、統一教会の「SUT」にまみれた旧安倍派の議員たちである。
ロッキードならぬアッキード疑惑の森友学園事件では真面目な官僚が自殺に追い込まれた。その原因をつくった昭恵を野放しにしてはならない。
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