多店舗展開を成功させるためには「どんな業態で勝負するか」だけでなく、その業態を「どこに出店するか」がカギを握ります。今回、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんは自身のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』の中で、最も失敗が許されない戦略である立地選定について、分析の手法と失敗しないための考え方を語っています。
多店舗展開を実現する立地分析手法
店舗展開する中で「この業態は良い!」が見えると本当に嬉しいですよね。
私のご支援先も最初は色んな業態をやり、途中で「これだ!」が見えて展開が加速する。
このようなケースが多々あります。
ただ「これだ!」の業態が見えたとしても、絶対にやってはいけないミスがあります。
それは「立地」のミスです。
そもそも戦略と戦術は違うので、
■戦略とは?
立地・規模・ブランド(業態)これは出店前に決まるやつです。
■戦術とは?
商品・販促・接客・価格・固定化。これは日々の運営で決まるやつです。
どれだけ優秀な店長さんがいらっしゃっても、戦略のミス店にアサインすると本当に成果が出なくなります。
戦略が良ければ戦術がイマイチでも、必ず改善にて時間差で良くなります。
逆に戦略が悪ければ戦術が最高でも、業績向上に物凄くハードルがあります。
そのため、戦略としての「立地」は凄く重要。
しかし。「立地」のデータを取得してもどう分析したら良いかわからない。
今日はそこを見ていこうと思います。
■取るべき数字
これはもう結論です。
・乗降客数
・昼間人口
・夜間人口
・1店舗辺り昼間人口
・1店舗辺り夜間人口
・単身世帯数
・2人以上世帯数
・平均年収
上記は算出すべき数字。対象範囲は500メートル設定で良いです。
本当は幹線道路や線路などの商圏分断を加味しての500メートルが理想。
ただそれはビール会社さんのデータだとそれが難しかったりするので、「半径500メートル」で設定すれば良いです。
■大切なのは把握
スプレッドシートにて、
横:現状の店舗
縦:上述の取るべき数字
これで見てもらうと、比較して一気に「これだ!」というのが見えてきます。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
■最初に優先的に見るべき数字
自分達の業態は、「夜間人口」か「昼間人口」どちらが必要なのか?
これの把握は大切です。
夜間:地元の方
昼間:ビジネス、学生、観光の方
このターゲット分析においては、「POSの客層別」で正しく取る必要があります。
その理由が曜日別で売上が変わるからです。
平日:昼間人口が中心
週末:夜間人口が中心
こうなってきた時に感覚だと「うちは地元のお客さんが多いので夜間人口です!」みたいな意思決定にしてしまうと、間違った出店立地の型が出来てしまいます。
そのため、
Step1)POSで正しく客層別分析を行う
Step2)その上で昼・夜人口の優先度を決める
これで考えるのが大切です。
■基準値を決める
横:現状の店舗
縦:上述の取るべき数字
これで見ると基準値は決まります。
ある居酒屋のご支援先だと、
昼間人口:20,000人以上
夜間人口:10,000人以上
このような基準を決められています。
ただそれを下回ると出店できないのか?
実はそうでないのが面白い部分です。
■1店辺り人口数
例えば人口数が少なくとも「競合が全然いない」場合は売上がぐんと伸びる時があります。
結局はシェア争いなので、
昼間人口:20,000人
競合店舗:100店舗
1店人口:200人
これよりも、
昼間人口:10,000人
競合店舗:10店舗
1店人口:1,000人
これだと後者の方がチャンスが見えますよね。
■人口少×1店辺り人口数多の懸念店
上記の通り1店辺り人口が多いならば、基準値以上ならいける!と思いますよね。
確かにいけるんです。初動とか物凄く良いんです。
ただ。。
人気だと速攻模倣店舗が出てくる。これが飲食のあるある。
その為、ーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2025年8月25日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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