1990年代の政界は、政党の離合集散が繰り返され、政治家の立ち位置が流動化した時代でした。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では辛口評論家として知られる佐高信さんが、1997年に行われたある座談会で、高市早苗、小池百合子、辻元清美が語り合った内容を紹介しながら、「政党とは何か」「政治家にとって所属とはどれほどの意味を持つのか」という今あらためて浮かび上がる問いについて語っています。
政党は着替える服か?
若き日の高市早苗が澄まして写っている座談会が出てきた。
集英社が発行していた『Bart』という雑誌の1997年4月14日号である。
佐高信&テリー伊藤の「話せばわかる 第1回 女性議員編」で、他に小池百合子と辻元清美が並んでいる。
28年前のその時は、小池は新進党で高市が自民党、そして辻元が社民党だった。
テリーと私は「日本が誇る“最強の世直しコンビ”」などと名づけられているが、まずテリーが高市に直撃する。
「選挙は新進党から出て、当選後、自民党に移りましたよね。あれはどういう考えだったんですか?」
高市は次のように答えるが、苦しかっただろう。
「自分の政策、公約と新進党の考えが非常に近かったので入ったんですが、その後、新進党の政策が変容してきた。私にはそう思えたので移ったんです」
変容したのは高市ではないのか。
「『敵』とは言わないけど、それに近い党によく簡単にいけましたね」
テリーの追求は止まない。
「自分ひとりではできないことを実現させるには、自分により近い政策をもった党に身を寄せるしかないですから。ただ、高市個人なら投票しないけれど、新進党の候補者だから投票してくれたという方に対しては、背信行為ですよね。その方たちには謝る方法がないなとは思っています」
説得力のない言い訳に辻元が突っ込む。
「せめて、選挙公示の前に新進党をやめようとは思わなかったの?」
高市が重い口を開く。
「本当は、党公約の詳細資料が届いた公示日の翌日に自治省に離党手続きを問い合わせしたんだけど法的に選挙が終わるまでできなかったんですよ」
テリーがズバッと聞く。
「自民党から美味しい言葉で誘われたんでしょう」
勧誘役は森喜朗だったと言われる。
「ううん。選挙のことを考えれば、新進党にいた方が楽なんです。自民党に入ったら、次の3期目は選挙区を失うことになりますから」
私は高市に自民党入党の3つの条件を尋ねた。
「有価証券取引税の撤廃、法人税の引き下げ、試験研究費の税額控除改正を橋本(龍太郎)総理にお願いしたんです」
そう答える高市に、小池が迫る。
「でも自民党でできる? 有価税の撤廃だって全然進んでないじゃない」
小池も高市も竹中平蔵流の新自由主義の推進者だから、2人の間にそれほど違いはない。だから結局小池も自民党に戻った。
この2人にとって、政党など着替える服のようなものだろう。
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