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支持率60%台後半の李在明政権に異変。韓国の20代「怒りの投票」が6月地方選を揺るがす衝撃の理由

支持率60%台後半という高水準を維持する韓国の李在明大統領。しかし、その足元で静かに異変が起きています。20代の支持率だけが40%台に低迷し、保守傾向の強い70代以上をも下回る異常事態となっているのです。AIによる雇用不安、若者向け政策の不在、生活実感の伴わない検察・司法改革——こうした不満が積み重なり、若年層の「怒りの投票」が6月3日の地方選を揺るがす可能性が指摘されています。今回のメルマガ『キムチパワー』では、韓国日報の記事をベースに、韓国の若者が現政権に背を向ける複合的な背景と、地方選に与える影響、そしてそれでも野党・国民の力が勝利を掴めない厳しい現実について考察していきます。

若者の「怒りの投票」がカギ

李在明大統領の国政支持率は60%台後半で高止まりしているが、20代では相対的に低調な流れが続いている。政権発足後、20代の支持率は40%台のボックス圏を抜け出せず、保守傾向が強い70代以上よりも低い数値を示している。

人工知能(AI)発の若者雇用の冷え込みや若者政策の不在、生活に直結しない共に民主党の検察・司法改革の推進などが複合的に作用した結果との分析だ。雇用や不動産に敏感な若年層が「怒りの投票」に出た場合、民主党が圧勝を自信とする6月3日の地方選挙にも大きな変数となり得るとの見方が出ている。

背景は複合的だ。とりわけ現政権の国政基調に対する認識の違いが大きいとの分析が多い。オム・ギョンヨン時代精神研究所長は、生活回復支援金や農漁村基本所得などを挙げ、「高齢層は現金福祉政策の受益層である一方、20代は未来よりも福祉拡大など現在を重視する国政基調に一貫して否定的な立場を示している」と述べた。実際、韓国ギャラップの3月調査では、現政権の福祉・労働政策を肯定評価した割合は20代でそれぞれ38%、33%と、全世代で最も低かった。

専門家らは、20代が政治的疎外感を感じていると口をそろえる。主力産業の不振やAI拡散による雇用代替などで若年雇用率が2024年第2四半期以降、8四半期連続で低下しているにもかかわらず、目立った若者政策が見えないためだ。ある世論調査専門家は「就職や結婚などに関する若者政策への言及自体が消えた印象だ」と語った。

6月地方選を揺るがす2030世代

ユン・テゴン、ザ・モア政治分析室長は、民主党主導の「政治検察の捏造起訴」国政調査特別委員会などに言及し「検事を呼びつけて叱責することは支持層である40代には効力感があるかもしれないが、20代とは無関係な話だ」とし「20代が(現政権・与党を)支持する理由があるのか」と反問した。

これに加え、低迷する国民の力の影響で、20代では無党派層が46%(韓国ギャラップ3月調査基準)に達している。保守傾向が強い20代男性(45%)はもちろん、20代女性でも無党派層は46%に上った。20代ほどではないが、30代も無党派層の割合が36%に達する。韓国ギャラップ関係者は「程度の差はあれど、20代と30代は基本的に似た政治的傾向を示している」と述べた。

2030世代が今回の地方選だけでなく、今後の総選挙や大統領選でも大きな変数となる可能性も指摘されている。特に約40日後に迫った地方選では、民主党にとって保守傾向の強い2030世代男性の怒りの投票を誘発しないことが優先課題との分析が多い。1住宅所有者の不動産譲渡所得税の長期保有特別控除の廃止や、李大統領の「公訴取り消し」国政調査などが積み重なれば、2030世代男性を投票所へ向かわせる触媒になり得るという。

匿名を求めた世論調査会社関係者は「2018年の地方選で民主党が広域団体長選挙で圧勝できたのは、2030世代の文在寅大統領支持率が高かったためだ」とし「彼らを取り込んでこそ、今後の全国選挙で優位に立てる」と語った。【ここまで韓国日報 パク・ジュンソク記者コラムベース】

怒りの正体は「将来不安+政策不足+距離感」

まとめると若年層の「怒り」はいくつかの要因が重なって生まれているとされている。まず大きいのは雇用不安。AIの普及や産業の停滞で若者の就職環境が悪化し、「将来が見えない」という不満が強い点だ。次に政策の不在感。就職・結婚・住宅など、若者に直結する政策が十分に打ち出されていないと感じられており、「自分たちは優先されていない」という認識がある。

さらに政治的疎外感。政府が進める検察・司法改革などが生活と結びつかず「自分たちには関係ない政治」という感覚が広がっていると指摘されている。加えて、不動産や税制への不満も大きく、将来の資産形成が難しいという焦りが背景にある。

要するに「将来の不安+自分たち向け政策の不足+政治への距離感」が重なって不満が”怒り”として表れている、という構図をこの記事は示唆している。これらの構図をうけて若年層の「怒りの投票」が爆発すれば6月の地方選の結果はわからないとの見立てもある。しかしだからといって、今の不甲斐ない国民の力が圧勝するということは万が一にもありえないと、メルマガ筆者は思う。勿論勝ってほしい。しかしあまりにもダラシナイ。

image by: LegoCamera / Shutterstock.com

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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【著者】 キムチパワー 【発行周期】 ほぼ 月刊

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