大規模な災害が起きるたびに、被災した人々を狙った犯罪が発生します。地震で生活基盤が揺らぐなか、善意につけ込んで金銭をだまし取ったり、混乱に乗じて金品を盗んだりする行為は、被災者にさらなる負担を強いるものです。しかも近年は、SNSを介して犯罪グループが集まり、詐欺や窃盗を組織的に行うケースも増えています。今回の熊本地震でも、すでに震災に便乗したとみられる犯罪が確認されていますメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』では、著者でジャーナリストの多田文明さんが、過去の震災で起きた事例も振り返りながら、地震に便乗した詐欺や窃盗から身を守るために注意すべき手口を紹介します。
熊本地震に便乗した詐欺の手口に注意
7月28日に、震度7の熊本地震が起きましたが、やはり地震に便乗した火事場泥棒のような行為が明らかになっています。
高知県では、8月初めに、市役所職員をかたった男女が「市役所から委託を受けています」など言って、募金のために訪問をしてきています。本物と信じさせるために、特殊詐欺の受け子と同じように、身分証を示すようなネームプレートを首から下げていますので、安易に信じないようにしてください。
この手の義援金詐欺は、本人が気づかない水面下で多く起きている可能性があり、一層の注意が必要です。
また、偽メールを通じた手口もあり、日本赤十字社をかたり「義援金募集」のメールが出回っているということです。このケースの場合、キャッシュレス決済に誘導して、支払いを促そうとしています。これまでクレジットカードの未払い料金や税金の未納分を払うように言ってきた手口を、地震に便乗する形へと変えていると考えられます。
いずれにしても、必ず身元の確認をして、その場で、すぐにお金を払わないことが大事です。
10年前より、震災に便乗した詐欺、窃盗は増える恐れあり
10年前の熊本地震でも様々な詐欺や窃盗がありましたが、今夏の地震ではより被害が増える恐れを感じています。
震災に便乗した詐欺行為は、個人が行う場合もありますが、今は「トクリュウ」(匿名・流動型犯罪)と呼ばれるグループがSNSなどを通じて徒党を組みやすい状況になっています。
特に家のなかに侵入して金品を奪うだけでなく、家の外にあるものも盗まれているため、その点にも注意が必要です。
今回の地震の起きた2~3日後に、エアコンの室外機を盗んだ男性が逮捕されていますが、高値で転売ができることから狙われています。
また金属の値段が上がっていることもあるのでしょう。2年前の能登半島地震の時に蛇口などを盗んだ男性らが逮捕されていますが、今回も徒党を組んでの金属窃盗グループにも注意が必要です。
被災地以外の方も、震災に便乗した特殊詐欺の標的になります。
能登半島地震のしばらく後に「復興支援」の名目で電話がかかり、多額のお金をだまし取られる事例が出ています。
この時は「あなたは名義貸しという犯罪をした」などと、いいがかりをつけられています。「復興支援で、あなたの名前を貸してほしい」などという電話は、すぐに切るようにしてください。
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